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2019.12.21

離婚する予定の夫が家を購入。離婚時の財産分与はどうなる?【教えて!離婚駆け込み寺】

「離婚したいけど、お金や離婚後の生活のことを考えると動けない。誰に相談すればいいかわからない」―そんなお悩みに弁護士の中川裕一郎先生が答える、ワーママの離婚駆け込み相談室。今回は、転勤族の夫との離婚を考えているけれど家を買いたいというお悩みをご紹介します。

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Q.転勤族の夫と将来離婚を考えていますが、家を買う予定です。離婚時の財産分与はどうなりますか?

転勤族の夫がいます。過去の夫の浮気騒動もあり、夫と一生連れ添うつもりはありません。ですが、子どものこともあり、今住んでいる地域に家を購入し、子どもが成人したら離婚したいと思っています。もしも夫名義で家を購入した後に離婚した場合、家の財産分与はどうなりますか?

(福岡県・36歳・主婦・5歳の男の子のママ)

A.「結論から申し上げますと、将来的に離婚を想定している状況で、不動産のような処分するのが大変な資産を購入することは得策とは言えません。

なぜなら、離婚時に夫名義のローンが残っている場合、ローン返済の途中での債務者の変更には抵当権者である銀行の同意が必要となりますが、これには妻の支払能力、すなわち経済的信用が求められます。離婚の時点で十分な収入状況が妻側になければ、そこを乗り越えるのはかなり難しく、許可が下りないことの方が多いです。

仮に債務者の変更が出来ない場合に、離婚後も形式的にはローンを夫名義のままの状態にして妻が夫にローンのお金を渡して払ってもらい、ローン完済後には妻に家の権利を譲渡するという方法を取ったとしても、完済後に夫が『こちらにも家の権利がある』と言い出す可能性がないとは言い切れません。

最悪の場合には、夫に渡したお金がきちんとローン返済に充てられずに、知らない間に不支払いになっていて、住んでいる家が競売に出される、なんていう危険だってあるのです。

そんなわけで、離婚を考えているならば、目先の損得よりも長期的視点でのリスクヘッジをすることです。不動産のような分割しにくい共有財産は紛争の火種になりますので、慎重に判断をして下さいね」(中川裕一郎先生)

●本連載では離婚に関する慰謝料や養育費など、法律的な悩みや疑問にプロの弁護士が直接回答します!ご相談ごとがあるかたは、domani2@shogakukan.co.jp またはこちらのフォームより詳細の情報をお寄せください(お子さんの年齢、性別、ご自身の職業などをお知らせください。より詳しい回答ができます)。 メールの場合は件名に「離婚相談」と書いてなるべく具体的な内容をお送りください。すべてのご相談にお答えできるとは限りません。あらかじめご了承ください。

過去の相談はこちら▶︎離婚駆け込み寺

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お悩みに回答してくれたのは・・・

中川裕一郎先生

弁護士。東京中川法律事務所経営。https://tokyo-nakagawa.com
商社勤務時代にバックパッカーとして世界に飛び出し、地球を一周回ってみつけた社会的正義を実現するという生涯の目標のため弁護士に。紛争を未然に防止し、目の前の依頼者を笑顔にすべく日々奮闘中。親身になってアドバイスをくれる人情派弁護士として、依頼者たちからの信頼も厚い。

インタビュー・文

さかいもゆる

出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。Web Domaniの人気連載「バツイチわらしべ長者」で様々なバツイチたちの人生を紹介している。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」では、アラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。

メイン画像(C)ShutterStock.com

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