「友達以上の人はいるけど彼女ではないんです。結婚自体はしたいんですけど…」
Hさん 36歳 証券会社勤務
ちゃんとした彼女がいたのは、もう10年くらい前になります。彼女ではないけど、まぁなんていうか、そういう関係の人は何人かいました。でも、毎日連絡し合うとか、家に行き来するような関係ではなくて。「これってどういう関係?」って聞かれることもあるけど、「今は誰かと付き合うとか、そういうのは違うんだよね」って答えてます。だったら会わないって言われたら、仕方ないです。追いかけることはないですね。
彼女って言ったら、結婚も視野に入れると思うんですよね。結婚はしたいけど、そこまで踏み切れないんです。ひとりで家でぼーっとNetflixを見たり本を読んだりする時間が楽しい。料理も割と好きですし。ひとりで肉を焼いて、好きな音楽かけながら食べてますね。誰かがいると気を使いますし、あまり自分の生活に踏み込まれるのが苦手なんです。本当に結婚はしたいと思ってますよ。友達もみんな結婚してるし、親も心配するし。どうやったら結婚できるんですかねぇ。マッチングアプリに登録してみようかな。
「結婚は資格ではありません。これから誰とどんな風に生きていきたいですか?」
そもそも「付き合う」って何でしょうね。「付き合ってください」「はい」という言葉があったかどうか、でしょうか? その上で誰かに「彼氏(彼女)です」と紹介できるかどうか? 私個人的には「やきもちを焼いていい資格」なんじゃないかな、と思っています。言葉があったほうが安心だけれど、約束を交わす人もいればそうでない人もいる。周囲に紹介できる状況とそうでない状況もあるかもしれない。でもやきもちを焼くことを許して他の人との恋愛を禁じる関係は、お互いに恋愛感情があるんじゃないかな、と。そういう意味では、Hさんがおっしゃっている「彼女はいない」というのは、お相手の方が誰と何をしようと気にしていないということになりますね。
その上で、Hさんが結婚したい理由は、お友達と親御さんなんですね。ご結婚される相手がそれでよければ、それもアリかもしれません。
結婚はひとりでするものではありませんし、資格でもないしゴールでもありません。「病める時も健やかなる時も」と言いますが、それは決して精神論ではなくて、婚姻期間に築いた財産は二人のものだし、同居や婚姻費用の分担、家事の分担も義務づけられています。不貞行為ももちろん禁じられています。心身ともに健康で順風満帆なときは問題ないでしょうけれど、不慮の事態というのは起きるもの。人は必ず歳をとりますし、病気になることだってあります。そんな時、生活を共にする相手としてお互いに納得していればいいのだと思います。
でも、Hさんはひとりの時間を守りたいんですよね…それはなかなか難しいかもしれませんね。結婚は、将来にわたって生命と経済を共にするお約束。散々喧嘩ばかりしていたご夫婦が晩年になって「この人でよかった」としみじみおっしゃっていることがあります。健やかなときだけでなく、苦しいときを一緒に過ごしたからこそ生まれる絆もあるのではないでしょうか。人生100年時代、結婚してもしなくても、人との繋がりがますます大切になってきそうですよ?
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Domani編集部
下河辺さやこ
雑誌Domani&WebDomani副編集長。AneCan、Oggi、Domani、Preciousなど仕事をする女性のためのファッション&美容編集者として女ゴコロを深掘りすること四半世紀。Amazonもなかった時代に入社3年目で出産後、連載「産みたい、でも…」などワーキングマザー向けのコンテンツの立ち上げにも携わる。instagram @sayako_shimokobe