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LIFESTYLE 夫婦

2020.04.13

「コロナ隔離」でまさかの不倫…忘れられない一夜の思い出『あなたはどう思いますか?』

新型コロナウイルスの濃厚接触者として隔離された二人の恋。『不倫女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文が、東京で働く女性の恋愛事情をレポート。甘い禁断の果実に潜むリスク…あなたはどう思いますか?

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同僚がコロナウィルスに感染した

お話を伺ったのは…

桜田真美子さん(仮名・36歳)。千葉県出身・名門私立大学卒業、食品関連会社勤務(年収600万円)。同じ年の夫(デザイナー・年収400万円)と結婚10年。実家が建てた二世帯住宅に住む。子どもは4歳の娘、3歳の息子。身長160cm、家族を愛するコンサバ女子。

濃厚接触者は、隔離2週間

正体不明の未知のウイルス、COVID-19 。現段階よりもさらにその脅威が楽観視され、風説の流布が出回っていた頃、真美子さんの職場で感染者が出た。

「感染した同僚は30代後半くらいかな。海外に行って、発熱したんです。検査後、陽性だと判明。その後すぐに私たち部員全員が、会社が用意した宿泊施設で、経過観察することになったのです。私の部署は独身が多いし、私も子どもがいるものの、両親と在宅で仕事をしている夫が見ていてくれるので、ショックでしたがそれほど心配はしていませんでした。むしろ、その宿泊施設はは居心地がいいことで知られている。食事も美味しい。私は一人暮らしをしたことがなく、結婚してから夫や家族と離れたことがなかったので、『誰もいない空間で2週間過ごす』というのが、不思議な気分でした」

仕事は電話とPCを持ち、個室内で行う

仕事は電話とPCで行い、個室からは基本的に出てはダメ。

「ベランダ越しに話をしていましたし、今よりも COVID-19に対する切迫感がなかったので、意外と快適でした。子どもたちともSkypeで会話していました。我が家は私が大黒柱で、夫が主に育児を担っていた。だからなのか、子どもたちも、拍子抜けするほどあっさりしていた。それよりも、この2週間で、私は家族がいないほうがラクに生きられるタイプなのではないか、と思うようになってしまった。それまでは、家族がいないと寂しくて耐えられないと思い込んでいたのに隔離3日あたりから、『このままでいいかも』と思いはじめて…」

「私には、反抗期がなかった」

真美子さんは、真面目を絵に描いたような人生を生きてきた。裕福な両親の元、文化的な家庭で生まれ育っている。

「私、反抗期もなかったんですよ。自分の中に『これがしたい』と湧き上がるエネルギーを感じたこともない。それに私の親はやりたいことは何でも賛成してくれています。一人になるまで、自分で自分の人生を生きているつもりだけれど、それは親が望んだ道を、その通りに進んでいるだけだったんじゃないかな……と。この2週間、死を身近に意識しながら、個室で仕事をして、SNSや電話で旧友と交流してわかったことは『私には家族以外何もないんだ』ということ」

ベランダで、好きな人と話す喜び

今まで優等生として生きてきた人が、たったそれだけの時間で変化したのはなぜだろう?

「それは、同僚とベランダ越しに話したからです。彼は私より2歳年下で、どちらかというと地味な人。いつもは業務上最低限の会話しかしなかったのですが、隔離されているときに、隣の部屋になって、あれこれ話すようになったのです」

その同僚は地方出身で苦労して大学に進学。在学中はバックパッカーとして世界中を回り、たくさんの貧困に苦しむ人や、亡くなる子どもたちを見たのだという。

「不衛生な環境や食べ物で、命を落としたり、失明する子どもをたくさん見たそうです。その経験があったから、日本の衛生的な食べ物や環境がいかに素晴らしいかを痛感して、この業界に入ったと。まさかそんな経験をしている、熱い人だと思っていなかった。彼の話は深く、感動的でなにより自分の言葉で話している。すっかり好きになってしまい、彼も私に想いを寄せてくれているのがわかったのです」

隔離最終日に、私の部屋で…

最終日に、真美子さんと彼は男女の関係になる。

「明日、東京に帰るという日に、彼が『そちらに行ってもいいかな』と遠慮がちに言ってきた。その時、私の体の芯の部分がドクンと波打ったような気がしたんです。なんだろう…あれは、何よりも気持ちよかった。ドアを開けて、ギュッと抱きしめられた時に、『人間は、スキンシップで大切な栄養素を吸収している』という感覚がありました。彼の指先が私の体に触れたときに『あ~、私はやっちゃダメなことをしている』と思いました。でも止められなかった。そんなことは初めてです」

めくるめく一夜を過ごし、何かが終わった

終わった時に感じたのは、悲しみだったという。

「気持ちの良さ、うれしさはあったのですが、終わってみるとキラキラしていたものが、汚らしく見えるような感覚がありました。あと、なぜだか悲しかった。彼のことが好きなわけではないし、重い女と思われたくなかったこともあり、泣くのをこらえるのに必死でした。もちろん彼のことは愛しいと思ったし、さまざまな快楽の痕跡が体に残っていたんですけれどね。しかし、それよりも『保養所に監視カメラはなかったよね』とか、そういうことが先によぎってしまったんですよ。結局、私はその程度だってことです。私は一生、”優等生”として生きるしかない。それが悲しかったのかもしれない」

完全リモートワークになって、彼と会えない

もし、その後、普通に通勤していたら、もっと深い関係になっていたかもしれない。

「残業したり、飲み会したり、物陰でキスしたり…そういうことができたんでしょうね。でも戻ってから、私のモードが”人を見たら新型コロナウイルス感染者だと思え”というような感じになってしまい、家族以外の接触を避けるようになりました。しかも、3日前からリモートワークになってしまった。今は家族と共に自宅で仕事をしていて、満たされた日々を過ごしています。あの経験が夢だったのではないか…と思うこともあり、でも体は覚えていて…不思議な感じがするんです」

夢だったことにして忘れた方が幸せかも知れない…。

写真/(C)Shutterstock.com

Writer&Editor

沢木 文

1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。お金、恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。

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