喪失感ってどんな感情?
大好きな人と別れたり、愛するペットを失ったりといった悲しい出来事に遭遇すると、強烈な喪失感に襲われることがあります。急激な心の変化に、戸惑うこともあります。喪失感は悲しみだけではなく、いろいろな気持ちが複雑に絡み合った感情です。まずはその正体について知っておきましょう。
失ったときに感じる悲痛な気持ち
喪失感は読んで字のごとく、何かを失ったときに感じる気持ちです。人との離別・死別といった出来事や、大切な物を失ったときにも感じます。喪失感によって強く生じる感情は悲しみですが、心にぽっかり穴が開いたような空虚な気持ちも同時に生まれます。さらにむなしさや寂しさなどのほか、喪失感の理由となった出来事に対するいら立ち、未来への不安も含まれています。あまりに強く感情を揺さぶられるため、自分の気持ちと真っ直ぐ向き合えないという経験をされたことがある方も、中にはいるのではないでしょうか。
【喪失(そうしつ)】
[名](スル)うしなうこと。多く抽象的な事柄についていう。「資格を―する」「権威―」「記憶―」
(小学館 デジタル大辞泉)
【質問】これまでに「喪失感」を抱いたことはありますか?
みなさんは、これまでに、喪失感を抱いたことはありますか?女性100人にリサーチしてみました。
・ある…23.3%
・ない…76.7%
※アンケートは30〜45歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名。
23.3%の人が、喪失感を抱いたことが「ある」と回答。経験した喪失感について、具体的にどんな出来事であったか、体験談も教えていただきました。
喪失感の体験談
・28歳のときに結婚間近と思っていた人に婚約破棄に近いことをされた。その後にその人の嘘がたくさん露呈して、むしろ結婚しなくてよかったのだが、20代半ばから後半の1番いい時をそんな人に費やしてしまったのか…という意味で物凄い喪失感を感じた(30代・愛知県)
・自分が病気で仕事を辞めるしかなかった時。今までの努力が無駄になった気がした(30代・北海道)
・長男が高校を卒業し、進学のために県外へ出た時(40代・青森県)
どんなときに喪失感を抱くの?
大切な人や物を失う経験には、さまざまなかたちがあります。離別や死別などの大きな出来事だけではなく、日常のほんの小さな1コマの中にも、喪失感を抱かせる出来事は存在するのです。人はどんなときに喪失感を抱くのか、代表的な体験を紹介します。
大切な人やペットと死別したとき
家族や友人、恩師、恋人など、自分にとって大切な存在が亡くなったとき、人は大きな喪失感を抱きます。家族同然にかわいがっていたペットも同様です。ずっと一緒にいたい、と思っていた相手と「もう二度と会えない」と知ったとき、悲しみと共にさまざまな感情が湧き上がります。亡くなった相手の代わりになる存在など、この世にはいません。だからこそ、取り返しのつかない悲しみに心が苛まれ、絶望的になるのです。多くの人の場合、喪失感から立ち直るために多くの時間を要します。
楽しく過ごした後のひとりの時間
喪失感を抱く出来事は、非日常的なものばかりではありません。大勢の人と楽しく過ごした後、ひとりになったときに感じる独特な寂しさが実は喪失感である場合があります。ひとりぼっちの家に帰り「急に空虚な気持ちに襲われる…」といった経験を持つ人もいるのではないでしょうか。子どもの頃であれば、夏休みの終わりや、遊園地で1日遊んだ後の帰り道などに「喪失感を抱いた」という人もいるでしょう。楽しく充実した時間と、ひとりの静かで孤独な時間とのギャップが喪失感の原因となっているのです。
恋人と別れたとき
大好きな恋人と別れたときに喪失感を抱える人もたくさんいます。相手への愛情がまだ残っているにもかかわらず、自分の希望に反して別れざるを得ない、という状況に大きなストレスを感じるのです。進学や仕事などの環境が変化することで遠距離恋愛になったり、相手が他の人に気持ちを奪われたりと、「自分の力ではどうにもならない別れ」に対して、悲しさやむなしさ、そして無力感を覚えます。付き合っていた頃の思い出を振り返ったり、恋人と一緒にいられるはずだった未来を思って涙したりと、苦しい時間が続きます。