ロックダウン解除までカウントダウン!
ニューヨーク州のロックダウン解除の7条件をクリアするまであと少し!2か月半を超えるロックダウンからの解放を、日々祈るように待ちわびていたニューヨーカー。ここ数週間は前向きなニュースが増え、みんなアフターコロナの新生活に向けて、粛々と準備をしていたところでした。マスク着用やソーシャルディスタンシングにも慣れ、ストリートには人が戻り、レストランやバーもテイクアウトでリオープンするところが増えて街はポジティブな本来の明るさを取り戻しつつありました。
先週、私はロックダウン解除に向けて力強く復活しようとする町の様子をレポートしようと、自転車で街に出ることにしました。
そこで目にしたのは、閉店しているお店に防犯のために張られたべニア板に描かれた完成度の高いグラフィティやアート作品の数々!
緊急事態宣言の発令直後は、ショーウィンドーに張られた板上には乱暴な落書きがあふれ、「まるで70年代の荒廃したNYのようだ」と嘆かれていました。人影まばらな街の殺伐とした雰囲気をさらに増長していたというのに、この前向きな変貌!この街の人々の力強さを改めて感じます。
実は、このアート、荒んだべニア板の落書きから着想を得た企業やストアオーナーたちが本職のアーティストにべニア板の上に壁画を描くことを依頼したり、アーティスト自ら申し出て、ニューヨーク愛に満ちた作品を日々描き続けた成果なんです。その活動と作品は、確実に人々を勇気づけています。
ニューヨークの街中で見られるアート作品たち
Club Monaco旗艦店店にはNYをベースに活動するQueen Andrea のグラフィティ。I ♡New Yorkをカラフルなグラフィティで表現しています。
すでにストリートアートを引退していたアーティストSteeve ESPO Powersは、自分の今の気持ちを表現しニューヨークの人々を元気づけようとふたたびスプレー缶を持って街に出て日々活動している。https://www.instagram.com/steveespopowers/
ショーウインドーにはアメリカの偉人のポートレートにマスクが(笑)
巻き起こる暴動に市民たちは…
そんなムードに水をさすように起こっているのが、ミネアポリスで起きた警察による黒人殺害事件から端を発した、暴動や犯罪行為。今、ニューヨークはコロナ禍に加えてさらなるピンチにさらされています。
人権を主張し人種差別に反対する抗議デモが全米各地でスタートしたのは皆さんご存知の通り。大規模なデモ行進は、同時多発的にニューヨークの街中でも繰り広げらています。アメリカ社会の抱える人種差別という根深い問題に対し反対の声を上げることに、人種や立場を問わず多くの人々が賛同の意を示しています。
ただ、問題なのは、この平和的であるはずのデモに便乗し、犯罪行為を煽動し実行する一部のグループの存在。彼らは、ソーホーやミッドタウンのショップにガラスを割って押し入って盗難を働いたり、路上の車に放火したり、器物を破損したりといった行為を繰り返しているのです。
市長は、6月1日に深夜外出禁止令を発令し、以降、住人は不安に心をざわつかせながら夜を過ごすようになりました。
街中に描かれた素晴らしいアート作品の数々。これらの作品が、今週起きている騒動で破壊されてしまうかもしれないと思うと胸が痛いです。
ミネアポリスで起こった悲劇と、それに付随するBlack Lives Maters運動に寄り添う形で、いつもはカラフルなエンパイアステイトビルのネオンも自粛。
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高久純子
ファッション雑誌編集者を経て渡米。N.Y.をベースにファッション、ライフスタイルビジネスのコンサルティングを手掛ける。12歳の男の子のママでもある。Instagram:@junko901nyc