【質問】あなたは「疎外感」を感じることがありますか?
「疎外感」を感じることが「よくある」6.7%、「たまにある」22.5%と、日常的に感じているのは約3割。経験はしたことあるけど「ほとんどない」と回答したのは38.3%。「ない」と回答した人は32.5%いました。
日常的にそこまで「疎外感」を感じている人は多くはなさそうですが、いつどこで自分が「疎外感」を感じるか分かりません。ではその詳細を見ていきましょう。
「よくある」…6.7%
「たまにある」…22.5%
「ほとんどない」…38.3%
「ない」…32.5%
※アンケートは30~45歳の日本全国の有職既婚女性を対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数110名(未回答含む)。
疎外感を感じやすい人の原因は?エピソードを聞いてみよう
疎外感を感じるタイミングは「うまく輪に入れない」、「話題についていかれない」と、会話の場にいるがどうしていいか分からなく「疎外感」を感じる人が多数。
臨床心理士・吉田美智子さんは「人間は社会的な生き物なので、対人関係においても温かさや繋がりを感じたいものです。なので集団の中で繋がりなどを感じられないと不安を感じる=疎外感となるのです」と話します。
うまく輪に入れない
・人見知りなのでうまく輪に入れない (40代・徳島県・子ども2人)
・パートをしているので、子どもの幼稚園のお迎えは基本延長。たまに時間通りにお迎えに行くと、周りの子どもとお母さんの顔が分からず、周りは友達同士お話しているが私は輪の中に入れず疎外感がある (40代・大阪府・子ども3人)
・ママ友と話していてなんとなく話題に入れていないとき (40代・東京都・子ども1人)
・会社のランチで会話に入れない (40代・茨城県・子ども2人)
・仲間に入れて貰えない (40代・佐賀県・子ども2人)
・町内の集まりなどで、話の輪に入れない時 (30代・京都府・子ども1人)
話題についていけない
・みんなの話題についていけない時や、内容が知らない時 (30代・東京都・子ども4人)
・近所のママたちはほとんど専業主婦で子どもは同じ幼稚園。私がワーママで保育園に通わせているので当然園の話題には入れずちょっとさみしいです (30代・三重県・子ども2人)
・周りの人たちだけに分かる話をされる時 (30代・福岡県・子ども2人)
・社会や経済の話題についていけない時 (30代・大阪府・子ども2人)
・仲間内の話をされて話についていかれない (40代・神奈川県・子ども2人)
社会との繋がり
・現在求職中で、話し相手がいない。社会から取り残されている孤独感を感じる (40代・岩手県・子ども1人)
・世の中のブームや流行についていけない (40代・京都府・子ども2人)
・社会との繋がりを感じないとき、ふと疎外感を感じる (30代・石川県・子ども1人)
職場で
・職場で気の合う人がいないためいつもひとり (40代・兵庫県・子ども2人)
・職場で自分が入ると途端に会話が終わる事 (40代・青森県・子ども2人)
・職場の人間関係に馴染めず疎外感が (30代・静岡県・子ども2人)
・ひとりで作業をする仕事なので、愚痴を言える相手がいないのが寂しい (40代・福岡県・子ども1人)
・話しが盛り上がってる場面で自分だけもくもくと仕事をしている時。 (40代・兵庫県・子ども2人)
知らないうちに話が進んでいる
・家族の間でも仕事の間でも、自分の知らないところで話が進んでいると寂しく感じます (30代・神奈川県・子ども1人)
自分以外の家族が自分の話をしている
・自分以外の家族がスマホなどで自分の話をする時 (40代・東京都・子ども1人)
無視される
・子どものスポーツクラブで挨拶しても、しょっちゅう無視されたり…。試合について行ってもひとりポツンとなる。親になった大人がするなんて、信じられない気持ちでいっぱいでした (30代・三重県・子ども2人)
立場の違い
・私だけ正社員で他の保護者は専業主婦やパートの時 (30代・愛媛県・子ども2人)
関わりがない
・1日ずっと人と話さなかった日。人と関わりがないと疎外感を感じる (30代・東京都・子ども1人)
嫌われている
・人に嫌われているように感じる (30代・埼玉県・子ども1人)
友人がいない
・仲の良い友人がおらず、一人でポツンといた時 (40代・東京都・子ども2人)
年齢
・高齢出産だったせいか、幼稚園でママ友たちと年齢の差があって話が合わないときに疎外感を感じる (40代・神奈川県・子ども1人)
自分だけ声がかからない
・遊びの約束などで、自分だけ声がかからなかった時 (40代・東京都・子ども1人)
【体験談】疎外感を克服する方法を聞いてみよう
いつまでも悩んでいず、「気にしない」、「何もしない」など疎外感から距離を保つ人が多いよう。
「疎外感を感じると、いつもとは違う景色や、その痛みから他者への思いやりが育ったりもします。悲しさに打ち拉がれるのでは無く、小さなチャンスとして捉えると自分が成長するでしょう」と臨床心理士・吉田美智子さん。
気にしない
・一瞬感じることなので気にしない (40代・大阪府・子ども1人)
・気にしない。 そんな時もあると思うようにしてる (40代・兵庫県・子ども2人)
・気にしないフリをしている (40代・青森県・子ども2人)
・そんなことないよ!と自分に言い聞かせ気にしない (30代・三重県・子ども2人)
・頭を切り替えて気にしないようにしてる (40代・東京都・子ども1人)
・深く考えてもどうしようもないこともあるので気にしないようにする (30代・愛媛県・子ども2人)
・考え込むといいことないので考えないようにする (30代・静岡県・子ども1人)
何もしない
・時が経てば解決すると思って何もしていない (30代・静岡県・子ども2人)
・どうしようもないので何もしていない (30代・京都府・子ども1人)
・何もしない。とことん落ち込む (30代・東京都・子ども1人)
耐える
・できる限り耐える (40代・茨城県・子ども2人)
・こちらから無理やり中に入るのは嫌なので、それらのことが過ぎるのを待ちます (30代・神奈川県・子ども1人)
諦める
・自分の力ではどうしようもないので諦める (40代・徳島県・子ども2人)
・次の入れそうな話になるまで我慢する (40代・東京都・子ども1人)
・もう諦めてボーッとする (40代・神奈川県・子ども2人)
YouTubeを見る
・YouTubeを見て嫌な思いを解放する (30代・大阪府・子ども2人)
好きなことや子ども
・疎外感から離れるため、音楽や映画鑑賞や子どもに集中する (30代・栃木県・子ども1人)
覚える
・分からないことや、自分の努力でどうにかなるのなら頑張って覚えるのみ (40代・大阪府・子ども3人)
興味がある話題なら食いつく
・興味があればその話題に食いつくが、興味がなければあえて詮索しない (30代・東京都・子ども4人)
孤独
・孤独に過ごす (30代・石川県・子ども1人)
散歩
・散歩して、良い空気を吸う。実家に帰省する (40代・岩手県・子ども1人)
・早めにその場から離れて散歩する (40代・東京都・子ども2人)
期待しない
・相手に期待しない。私だけ無視するなら、こっちもスルーします (30代・三重県・子ども2人)
寝る
・家でふて寝する (40代・福岡県・子ども1人)
聞こえないふり
・聞こえてないふりをする (40代・神奈川県・子ども1人)
やり方を変える
・別の良い関係性を考える (40代・東京都・子ども1人)
最後に
「疎外感を感じていても自己肯定感があるとあまり苦に感じないと言われています。自己肯定感はどう身についているのかというと、幼少期の親子関係にさかのぼります。赤ちゃんのときは親と自分との区別はつきません。しかし、成長が進む幼少期に、自分と保護者は別の人間だとわかると、不安になって保護者にしがみつきはじめます。それを保護者がしっかり受け止めてくれることで、子どもは安心感と信頼感、自己肯定感を獲得していくのです」と臨床心理士・吉田美智子さん。
その自己肯定感があれば、疎外感を感じても、自分の居場所を見つけられることが多いのだとか。
「もし“自分の居場所がない”、”誰にも助けてもらえない”と感じたらケアが必要です。気持ちをそのまま受けて止めてくれる家族や友人に話を聞いてもらったり、カウンセリングを受けてみるのもいいと思います」(吉田さん)。
長い時間疎外感を感じるようであれば、誰かの手を借りるのも対処法として覚えておきたいですね。
写真/(C)Shutterstock.com
臨床心理士/公認心理師
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
HP: https://hakoniwasalon.com
Twitter: @hakoniwasalon
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