中秋の名月の意味と時期
秋のうつくしい満月は「中秋の名月」などといわれます。そもそも、中秋の名月とはどのような意味なのでしょうか。月を眺めて楽しむ前に、言葉の意味と具体的な時期を確認しておきましょう。
旧暦7月から9月までが秋とされていた
「中秋」という言葉を知るには、まず昔の「秋」がいつだったのか知る必要があります。旧暦では7~9月までが秋とされ、その真ん中にある8月は「仲秋」とよばれました。これは二十四節気の考え方によるものです。二十四節気では、1~3月までが春、4~6月までが夏、7~9月までが秋、10~12月までが冬とされています。現在は季節の変わり目も曖昧で、いつからいつまでが秋とは言い切れません。しかしその昔は、「7月になれば秋が始まり、9月になれば秋が終わる」と明確な区切りがあったのです。
中秋の名月は旧暦8月15日
一般に中秋の名月という場合は、旧暦8月15日夜の月を指します。なぜ15日なのかというと、旧暦が月の満ち欠けを基準としているためです。旧暦では新月を1日目として数えます。月は日ごとに満ちていき、およそ2週間後には満月となります。つまり見ごたえのある満月になるのは15日目というわけです。
また、「仲秋」「中秋」どちらもいわれますが、旧暦8月15日の月を指す場合は「中秋」が正解です。「仲秋」とは「秋の真ん中ごろ」、つまり8月全般を指します。これに対し「中秋」は、「秋の真ん中の日」すなわち8月15日を意味する言葉です。ピンポイントに旧暦8月15日の月について言いたい場合は「中秋の名月」が正しい呼び方になります。
十五夜との違いは?
旧暦は月の満ち欠けを基準に、新月になる日を一日(ついたち)としていました。つまり毎月15日がほぼ満月となることから、満月の夜を指して「十五夜」と呼んでいたのです。中でも旧暦の8月15日が1年で月が最も明るく、美しく見える日であることから、現在では十五夜といえば「中秋の名月」を指すことが一般的となっています。
太陽暦ではいつにあたる?
現在日本で使われているのは、太陽の動きを基準とした太陽暦です。旧暦から新暦になおす場合は、1か月足して考えます。ただし、中秋の名月は単純に1か月ずらしただけでは適切な日にちとはなりません。太陽暦では中秋の名月はいつになるのでしょうか。
9月もしくは10月
太陽暦では、中秋の名月は9月7日~10月8日のいずれかの日になると考えられます。前述の通り、旧暦では新月を月の1日目として数えます。つまり旧暦8月1日がいつになるかによって満月になる日も変わってくるということです。例えば2024年は中秋の名月となるのは9月17日です。