扇風機と保冷剤で涼しくなるって本当?
エアコンのつけっぱなしに抵抗がある人は意外と多いようで、SNSなどではエコに涼しくするためのさまざまな方法が紹介されています。そんな中、涼を取るためのハックの一つとして注目されるのが「扇風機+保冷剤」です。
「扇風機の風が冷たくなる」「快適」などの声が聞かれますが、実際のところ本当に涼しくなるのでしょうか?扇風機と保冷剤を合わせて使用した場合の効果について見ていきましょう。
保冷剤の冷気で冷たい風に
扇風機と保冷剤を合わせて使うことで、扇風機の風が冷気を含むようになります。
そもそも扇風機は、風を発生させる機能しかありません。エアコンのように空気を冷却できないため、暑いときには基本的に生ぬるい風が発生するだけです。電気代が抑えられる一方で、部屋を涼しくしたいときには不足を感じることが多いかもしれません。
ところが扇風機に保冷剤を合わせれば、冷気が風に乗って発せられます。「冷えた風を排出する」という点でエアコンに近くなり、普通に扇風機を回すより高い冷却効果が期待できるというわけです。
ただし、保冷剤を使っても冷却効果はエアコンの方が上です。暑くてたまらないときは、熱中症予防のためにも無理をせずエアコンを稼働させましょう。
参考:適正な室温とは/COOLBIZ|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。
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電気代の節約になるかも?
エアコンの機種や部屋の広さにもよりますが、一般的に扇風機の方がエアコンより電気消費量が少ないといわれます。
エアコンや扇風機の機種によっては、「扇風機の消費電力がエアコンの1/10程度」というケースは多々あります。時々エアコンから扇風機+保冷剤にスイッチするだけでも、電気代は抑えられます。1週間、1カ月と時間がたてば、エアコンのみを使ったときとの電気代の差が見えやすくなるはずです。
また、完全にエアコンをオフにしなくても、扇風機+保冷剤を組み合わせて使えば節電効果が期待できます。一般的に「冷房の設定温度を1℃上げれば約10%の節電になる」といわれます。状況によっては扇風機+保冷剤を併用し、設定温度の1℃アップを試みるのもよいかもしれません。
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扇風機に保冷剤を取り付ける際に気を付けたい点
扇風機+保冷剤なら冷たい風で涼を取れますが、気を付けて使わないと部屋の環境を悪くしたり扇風機を傷めたりする恐れがあります。扇風機に保冷剤を取り付けるとき、気を付けたいポイントを見ていきましょう。
湿度が上がってしまう
扇風機と保冷剤を併用すると、部屋の湿度が上がります。
そもそも扇風機+保冷剤を使った冷却法は、液体が気化するときに周囲から熱を奪っていくという気化熱の仕組みを利用しています。必然的に冷たい風には水分が含まれることとなり、扇風機を回すほど室内の湿度が高くなってしまうのです。
日本の夏はただでさえ湿度が高いため、湿気を含んだ風では部屋の不快感が高まるかもしれません。また、湿気の多さによりカビが発生することも懸念されます。
湿度の高い日は扇風機のみ、あるいはエアコンを使用しましょう。どうしても保冷剤と扇風機を組み合わせて使いたいときは、除湿剤を設置しておくことをおすすめします。
水滴が故障の原因に
扇風機は電化製品ですから、水は大敵です。保冷剤を扇風機に取り付けて使う場合は、水滴が扇風機を濡らさないように注意しなければなりません。
保冷剤は時間がたつにつれてやわらかくなり、水滴が滴るようになります。扇風機本体へのダメージが心配なのはもちろん、水滴が床に落ちても傷みやカビの原因となるかもしれません。
保冷剤を扇風機に取り付けるときは、タオルや布などで包みましょう。こうすれば布が水分を吸収してくれるため、水滴による故障や床の劣化の心配は軽減されるはずです。