「小心 (Xiǎoxīn)」は「気をつけてね」という意味
新しい言語を勉強し始めてしばらくすると、「この音よく聞く!」という単語が増え始める瞬間があって、それこそ “上達している証拠”。前回は私の経験談を交えながらそんな話をご紹介しました。
特に中国語は漢字の組み合わせで言葉が構成されているので、「よく聞くな〜」という音 (漢字) をひとつ押さえると、それに関連した単語もポロポロと一緒に覚えられることも多い気がします。
そんな代表的な例が「心」という字。
「心」は会話をしていると本当によく出てくる音で、あらためて人間の行動は心ありきなんだ、と思わせてくれます。
別れ際には「小心喔 (気をつけてね)」といったり、心配している人へは「放心啦 (大丈夫だよ/安心して)」と声をかけたり、思いやりがある行動を見かけたら「好貼心 (優しいね)」と伝えたり。
他にも我慢強さは「耐心」、心配は「擔心」、本音は「真心」、心遣いが細やかなことは「細心」、日本語と同じ意味&発音の「安心」。
またこれはポジティブな意味に限ったことではなく、たとえば欲張りは「貪心」、悲しいは「傷心」、恋愛関係の心変わりは「變心」。「心」パワー、すごし!
違和感から世界が広がった!
この「心」が頻繁に使われることい気づいたのは、教官や先輩によく「掰掰 小心喔!」といわれていたことがきっかけ。日本語でも別れ際に「気をつけてね」とはいうことはあるけれど、台湾では「掰掰 (バイバイ)」と「小心喔 (気をつけてね)」はほぼセットでいうことが多く、初めは毎回いわれることになんだかしっくりこなかったけれど、気づけば「謝謝 你也是喔〜」と返す自分がいました (年上や先輩に向けてだと少し笑われますが、いいのです)。
そんなことがきっかけで、そういえば、この言葉にもあの言葉にも「心 (Xīn)」が入っている! といろんな単語をトントンと覚えていきました。
日常の中に隠されているちょっとした “ひっかかり” のようなことに注目してみると、そこから世界が広がることってもっとあるのかもしれません。
【続】
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美容ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。