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【差し出がましい】の意味や注意点とは?
はじめに「差し出がましい」の意味や、使うときの注意点をご紹介します。
【差し出がましい】の正しい意味
「差し出がましい」は「さしでがましい」と読み、相手に対して必要以上にお節介を焼いたり、厚かましいことをしたり、でしゃばって余計なことをしたりする様子を表した言葉です。そのため「余計なこと」「でしゃばるようなこと」といった意味があります。
目上の人に対して、控えめなニュアンスを含ませつつ意見を述べるときに使われるのが一般的です。ただし、目上の人が、目下の人をたしなめるときにも用いられる言葉であることも覚えておきましょう。
【差し出がましい】を使う際の注意点
「差し出がましい」を使うとき、注意しなければならないことがあります。それは目上の人に対して使うときには、敬語表現に言い換える必要があることです。
「差し出がましい」という言葉自体は、敬語表現ではありません。そのため、このまま目上の人に対して使用してしまうと失礼にあたります。
目上の人や取引先相手に使うときには、「差し出がましいことを申し上げますが」や「差し出がましいこととは存じますが」など、「言う」や「知っている」の敬語表現をくっつけて使用しましょう。一方、同僚や部下に対しては敬語表現にしなくても失礼に当たらないため、そのまま使って大丈夫です。
また、いくら「差し出がましいことを申し上げますが」などと前置をして控えめなニュアンスにしたとしても、でしゃばった意見を相手に伝えることには変わりません。相手や場所を選ばずどこでも使用していると、周囲を不快にさせてしまう可能性もあるため注意しましょう。
【差し出がましい】の使い方は3つ
次に「差し出がましい」のおもな使い方を3つご説明しましょう。
■言葉の印象を和らげるクッション言葉として使う
まず1つ目は、言葉の印象を和らげるクッション言葉としての使い方です。これから上司や取引先相手に対して、意見を述べたいときに使われます。
たとえば大切な取引先の担当者に対して「差し出がましいことと存じますが、今回の営業戦略では弊社の規約を違反しています」と伝えたと仮定しましょう。ただ単に「今回の営業戦略では〜」と伝えるよりも、「差し出がましい」をクッション言葉にしているだけで少し控えめな印象になります。
相手との関係性を崩さないためにも、こうしたクッション言葉を会話のなかで積極的に活用していきましょう。
■目下の人の失礼な態度を注意するときに使う
2つ目は「君の意見は差し出がましいのではないのか!」のように相手をたしなめるときに使います。「たしなめる」とは、目下の人の間違いや悪いところを指摘する行為なので、この例文は上司が部下に対して言うセリフです。
部下や後輩が立場をわきまえずでしゃばった余計なことをしたときに、上司が「差し出がましいことですよ」などと指摘する意味で用いられることもあるため覚えておきましょう。
■目上の人に謝罪するときに使う
目上の人にお節介なことを言ってしまった場合にも「差し出がましい」を用いて謝罪することがあります。たとえば「差し出がましいことを申しまして、誠に申し訳ございませんでした」や「先ほどは大変失礼いたしました。差し出がましい真似でした」などです。
自分自身が立場をわきまえていなかったり、失礼な言動があったことを認識していたりするときに使ってみましょう。
【差し出がましい】の例文
ここでは「差し出がましい」を使って、いくつか例文をご紹介します。
・差し出がましいことを申しますが、前回の失敗を活かさなければチャレンジする意味がないかと思います
・差し出がましいことと存じますが、私から少しだけ意見を言わせていただいてもよろしいでしょうか
・差し出がましい質問で恐縮ですが、先月の売上についてはどのようにお考えでしょうか
・あなたは差し出がましいわよ
・お客様が好きなものを選んでいるのに、その好みを否定するなんて差し出がましいことです
・先ほどは差し出がましい真似をしてしまい、大変申し訳ございませんでした
・この度は大変申し訳ございませんでした。差し出がましいことをいたしました
【差し出がましい】の類語
続いては、「差し出がましい」と同じような意味をもつ類語を4つご紹介しましょう。利用シーンによっては「差し出がましい」がしっくりこないこともあるかもしれません。そうした場合には、下記のような類語に言い換えてみてください。
1、厚かましい
「厚かましい」には、「遠慮がなく迷惑な態度、図々しい様子」といった意味があります。「でしゃばったような」という意味をもつ「差し出がましい」とは少しニュアンスが異なりますが、類語として知られています。
自分が今からする行為が図々しいとわかっていながら、相手にお願いごとをするときなどに使われる言葉です。「差し出がましい」よりもマイナスな印象を与えてしまう可能性もあるため、使い方には注意しましょう。
【例文】
・厚かましいお願いではございますが、明日の午前中にファイリングを手伝っていただけませんか
・先週は厚かましいお願いをしてしまい、大変申し訳ございませんでした
2、おこがましい
「出過ぎている・身の程知らず、生意気である」などの意味をもつ「おこがましい」も、「差し出がましい」の類語です。一般的に、目上の人からの問いかけに対して謙遜するときに使われます。また相手のことを「生意気だ」と指摘するときなどにも用いられることを覚えておきましょう。
【例文】
・こんなことをお願いするなんて本当におこがましいのですが、来週の休日当番を変わってくださいませんか
・1つも売り上げていないのに、ボーナスばかり求めるのはおこがましいことだよ