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2023.04.28

日本と世界の夏至の風習って?地域によって違う祝い方を紹介します

夏至とは1年のうちで最も昼の時間が長い日を指します。本記事では夏至の概要や時期の決め方、日本海外における風習などをご紹介します。

「夏至」の概要

夏至とは二十四節気のひとつで、北半球では1年のうちで最も昼の時間が長く、その分夜が短い日です。日本では、毎年6月21日か22日が夏至となります。

太陽が照る青空

日本や世界には夏至にまつわる風習がさまざまに存在します。それらを知るうえでも、まずは夏至の成り立ちをみていきましょう。

夏至は太陽が夏至点を通過する時刻

夏至は太陽が黄道上で最北に位置する「夏至点」を通過する日や時期のことです。現行暦においてはそれが6月21日ごろにあたります。

北半球では夏至の時期が一年中で昼の時間がもっとも長く、夜の時間はもっとも短くなります。また北極圏あたりでは太陽が地平線下にまで没さず、白夜の現象が生じるころです。

夏至の日付

夏至は毎年おおよそ同時期ですが「日付」は年ごとに異なり、日本では例年6月21日または22日になります。将来的には、20日になることもあるようです。

夏至の日付が毎年異なる理由は、一年間の季節を24に分けて考える「二十四節気」が関係しています。二十四節気は太陽の位置を目安としていますが、天体の動きは毎年微妙に変わるもの。それに合わせて日にちが決められるため、年によって変化するのです。

日本における夏至の風習

日本における夏至には、全国的な風習として共通の食べ物や行事食などありません。ただし「三重県の夏至祭」「京都府の水無月」「愛知県の無花果田楽」などを代表に、各地域では独特の風習が存在します。

夫婦岩と朝焼け

また夏至に関する全国的なイベントはないものの、伝統的な行事はあります。ここでは、日本における夏至の風習を3つ例に挙げてみていきましょう。

三重県の夏至祭

日本の代表的な夏至の風習として、三重県で行われる「夏至祭」が挙げられます。太陽のエネルギーが最も溢れるとされる夏至の日の3時30分〜6時の間に、伊勢市にある二見興玉神社で夫婦岩の間から昇る朝日を浴びながら、禊が行なわれるのです。

夫婦岩付近は古来より清い場所とされ、清浄な浜辺として尊ばれてきました。当日の天気次第では、富士山の頂から昇る朝日を拝める可能性もあり、全国から多くの方が参加します。

京都府の水無月

夏至に食べる代表的な和菓子として京都府の「水無月(みなづき)」があります。水無月は、ういろうの上に小豆を乗せて、三角に整えた和菓子です。

京都府では古来より、夏至の期間となる6月30日にこの水無月を食べる風習があります。6月30日を1年の半分としてカウントし、残りの半年間の邪気を払い、無病息災を祈願することが夏至に水無月を食べる理由です。

愛知県の無花果田楽

愛知の一部の地域で食べられる「無花果田楽(いちじくでんがく)」も夏至の日に食べる代表的な食べ物です。いちじくを半分に切り、その上から田楽味噌をかけて焼いて食べます。

いちじくは「不老長寿の果物」と呼ばれていたことが所以で、かつては薬としても使用していました。また田楽味噌の「田楽」は豊作を祈願する「田楽」の踊りが由来であることから、「無病息災」や「豊作」を祈願する意味も持つのです。

海外における夏至の風習

日本だけでなく、海外にも夏至に関する風習が存在します。日本よりも夏至を重要な日として捉えている国が多いのが特徴です。ここでは「スウェーデン」「ポーランド」「ヨーロッパ諸国」の3つに関する風習をご紹介します。

ミッドサマーの踊り

スウェーデンのミッドサマー

スウェーデンでは夏至を夏至祭(ミッドサマー)として多くの人々が祝います。このミッドサマーをクリスマスよりも重要な日と位置づける人もいるようです。

スウェーデンはキリスト教が普及する以前から夏至を祝う風習があり、家族や友人と田舎で一緒に過ごす大切な日として捉えています。シュナップスというお酒とともに、ニシンやじゃがいもなど食べながら、朝まで宴を続けます。夏至のスウェーデンの夜は、北部では白夜、南部でも数時間の間だけ薄暗くなる程度です。

ポーランドの花輪

ポーランドでも夏至の頃に夏至祭が行われます。夏至の夜は男女が恋に落ちると言い伝えられており、女性が花輪を作って川に流す伝統があります。かつては、その花輪を拾った男性と結婚することもよくあったそうです。

ヨーロッパ諸国で行われる焚き火

ヨーロッパ諸国にも夏至に関連する行事や風習などがさまざまにあります。フランスのプロバンス地方では、「お焚き上げ」に似た焚き火の風習があります。またドイツでも同じく夏至の日に火を焚く風習があり、ヨーロッパ諸国では夏至の時期に行う焚き火を魔除け、牛疫除けとして信じられているのです。

日が少しずつ短くなる夏至以降に火を焚くことで、太陽の力を高めるとしているのです。夏至に行う火祭りは、ヨーロッパ諸国では重要な行事としています。

夏至の風習は地域や国によってさまざま

青空と入道雲、ひまわりの花

日本においては夏至の日を特別な日として捉える人は少ないかもしれません。しかしスウェーデンのミッドサマーやポーランドの花輪などのように、ヨーロッパ諸国では夏至を重要な日・時期と捉えていることがお分かりいただけたと思います。

また日本でも地域によっては「三重県の夏至祭」「京都府の水無月」「愛知県の無花果田楽」のような古くからの風習があり、現在でも多く残っているのです。各地域にある夏至の風習を改めて調べれば、ビジネスの場面でも話の種になるかもしれません。国や地域ごとのネタは知っておくとさまざまな場面で重宝するのでぜひ情報収集してみてください。

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