井戸端会議にこそスラングが潜んでいる
前回と前々回は私が台湾で出合った「肉」にまつわるエピソードをご紹介しました。今回は、3つ目の肉エピソードについて。
私が勤めていた航空会社には、ママたちも多く在籍していて、出産・子育て・進路についてなど、子どもに関することがよく話題に上がっていました。
「○○の学校に入れた」「受験が大変だ」などのパーソナルな話を耳にすることも多く、当時まだ私には子どもはいませんでしたが、子どもを育てるということの大変さを身近に感じていました。
中国語で「放牛班 (Fàng niú bān)」は「落ちこぼれクラス」という意味
とある台湾人の先輩が子どもの進路についての話をしていたある日、私は聞き慣れない言葉を耳にしました。
それが「放牛班 (Fàng niú bān)」。
「うちの子のクラスは放牛班でほんと困っちゃう!」
直訳すると、放牧された牛のクラス、とでもいいましょうか。
眉間にシワを寄せながら話を続ける先輩に恐る恐る尋ねると、どうやら意味は「〝落ちこぼれ〟クラス」。牧場で草を食べる牛のように、彼らがしたいがままに振る舞う、というところからそのようにいわれるようになったのだとか。
英語のスラングを勉強したときには「なるほど、こういういい方をするのか」とうなずくものが多かったのに対し、中国語のスラングには、思わず「へっ?」と聞き直してしまうような驚きの表現のものも少なくありません。
ということで、次回は私が中国語の完全にハマるきっかけとなった「恋人と電球」の話について。
【続】
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official