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優柔不断とは決断力に乏しいことを意味する言葉
優柔不断とは、選択を迫られているのにはっきりと決められない様子です。
「優柔」という言葉だけ見ると良いイメージにも見えますが、優柔不断は通常、好ましくないな意味合いで使われます。人から「優柔不断」と言われた場合、褒め言葉ではないことは確かでしょう。
ここでは、優柔不断の意味や語源、対義語をご紹介します。
■2つの単語から成る四字熟語
優柔不断は「優柔」と「不断」という2つの単語が結合した四字熟語です。
「優柔」には「優しくものやわらか」という意味がありますが、一方で「煮え切らない」「はきはきしない」という意味もあり、優柔不断では後者の意味で使われます。
「不断」には「絶え間なく続く」という意味のほか、「ぐずぐずしている」という意味があり、「優柔」と「不断」のどちらを見てもあまり好ましくない意味合いです。優柔不断は、決断力に欠けることをより強めている言葉ともいえるでしょう。
ゆうじゅう‐ふだん〔イウジウ‐〕【優柔不断】
[名・形動]気が弱く決断力に乏しいこと。また、そのさま。「優柔不断な(の)態度」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
■ネガティブな意味合いがある
優柔不断にはあまり好ましくない意味合いがあり、人に対して「優柔不断」と言うときは暗に「早く決断すれば」という非難のようなニュアンスがあります。優柔不断と言われると、いい気分ではないでしょう。
一方で、優柔不断は「慎重に考えている」など、いい方向に解釈することもできます。なかなか物事を決められない人を見たときは、「優柔不断」ではなく「慎重なんだね」と言えば角が立つこともありません。
■優柔不断の語源
優柔不断の由来は、紀元前一世紀ごろの中国まで遡ります。
中国の古書「漢書(かんじょ)」のなかに「優游不断(ゆうゆうふだん)」という言葉がありますが、これは時の皇帝が寛容な政治を行っていたため、臣下をうまく制御できなかったことを指して使われました。
優柔不断は、この「優游不断」が変化した言葉だとされています。
■優柔不断の対義語
優柔不断と反対の意味がある言葉には「剛毅果断(ごうきかだん)」「進取果敢(しんしゅかかん)「即断即決(そくだんそっけつ)」「勇猛果敢(ゆうもうかかん)」と言った言葉があげられます。
「剛毅果断」は意志がしっかりとしていて決断力が高いことを意味し、「進取果敢」は積極的な行動力や決断力を表しています。
「即断即決」は文字通り物事を直ちに決めることを表し、「勇猛果敢」は力強く、決断力がある様子を表す言葉です。どれも優柔不断の対義語ですが、ニュアンスはそれぞれ異なります。
優柔不断の使い方を例文で見る
優柔不断は文章のなかでどのように使うのか、例文を見てみましょう。
・彼は優柔不断なので、食事のメニューを決めるのに時間がかかる
・あの社員はいつも優柔不断な態度なので、寛容な上司もつい声を荒げてしまった
・彼はいつもは優柔不断な様子なのに、子供が危ない目にあっているときの行動には迷いがなかった
・彼女は優柔不断な性格が災いして何回もチャンスを逃している
・彼は優柔不断で、ランチのとき何にするか聞いても「何でもいい」としか言わない
・交渉相手が優柔不断なため、なかなか合意に至らない
優柔不断の類語や言い換え
優柔不断には複数の類語や言い換えがあります。優柔不断の様子は、選択を迫られているときに決められない、あるいは物事に対し消極的といった性質に分けられ、それぞれに対応した類語を見つけることが可能です。
前者の類語には「煮え切らない」「逡巡」などがあげられます。後者の意味では、「意志薄弱」「気弱」が類語になるでしょう。ここでは、類語として「煮え切らない」「意志薄弱」をご紹介します。
煮え切らない
「煮え切らない」は、態度が曖昧ではっきりしない様子を表します。決断を迫られているのに、いつまでもぐずぐずしています。「意見をはっきり言わない」「意思決定をしない」といった態度に対して使われることが多いでしょう。例文をご紹介します。
・彼はいつまでも煮え切らない態度をしているので、みんなが迷惑している
・あの人は煮え切らない返事をしているので、納得していないようだ
・彼は煮え切らない態度なので、取引先から契約を断られた
意志薄弱
「意志薄弱」は、優柔不断の消極的な側面を表す類語になります。意志が弱く物事をやりとげようとする気持ちに欠ける、自分で決断を下す強い判断力が乏しいなどを表す言葉です。例文を見てみましょう。
・彼は意志薄弱なので、何事も長続きしない
・彼女は意志薄弱なところがあり、委員は務められません
・あの人は意志薄弱で意見がすぐに変わる
優柔不断な人5つの特徴
優柔不断な人にはいくつかの特徴があります。決断力が不足するため物事を決めるのに時間がかかり、決定したことにも自信がありません。決断力がないのは、周囲の意見が気になるからという理由もあります。
決断することで生じる責任から逃げたいという心理もあるでしょう。このような優柔不断の人が持つ特徴について、5つご紹介しましょう。
何を決めるにも時間がかかる
優柔不断な人は日常生活のなかでも、何かを決めるのに時間がかかります。朝起きてからどの服を着るかに迷い、ランチのメニュー選びもあれこれと考えて決められません。
決断が必要な場面でも、選んだことの結果を考えすぎてなかなか実行に踏み出せないこともあるでしょう。決断に時間がかかるのは、選んだことが悪い結果を出すかもしれないという不安があるからです。心配性なことも、優柔不断になる理由のひとつといえます。