「紅」と聞いて思い浮かぶイメージは?
「色」という言葉にまつわるちょっぴり驚いたエピソードを前回ご紹介しました。
それぞれの色には国によってイメージというものがあると思いますが、台湾にもいくつかの色には確固たる意味というのが存在します。
たとえば「紅 (Hóng)」という字。
中国語で「紅 (Hóng)」は「有名、人気、ヒット中」という意味
台湾を含む中華圏の「紅 (Hóng)」は日本でいう「赤」のこと。なので、「赤ワイン」は「紅酒 (Hóng jiǔ)」となり、「赤い服」は「紅色衣服 (Hóng sè yī fú)」となります。
そして色そのもの以外にも「紅 (Hóng)」には「有名、人気、ヒット中」という意味もあります。
たとえば、台湾人の会話に耳を澄ましていると聞こえてきそうなのが:
「那歌手越來越紅耶 (Nà gē shǒu yuè lái yuè hóng yé)」 = あの歌手どんどん有名になっていくんだけど
「聽說這餅乾在日本很紅啊 (Tīng shuō zhè bǐng gān zài rì běn hěn hóng a)」= このクッキー日本で超人気らしいよ
「你在公司其實很紅啊 (Nǐ zài gōng sī qí shí hěn hóng a)」= あなた会社で結構有名なのよ
このような内容でしょうか。
ちなみに「有名」という言葉に限っていえば、ポジティブにもネガティブにもとらえることができます。社内で功績を称えられても、何かやらかしちゃってそれが広がっても「紅 (Hóng)」。なので、どっちの「紅 (Hóng)」か定かではない際どいとき、私なぞは「是好的嗎?! (Shì hǎo de ma)」=「いい意味ですか?!」と訊くようにしていました (汗)。
会話の中で色のことをいっているはずなのに、よく意味がわからない! そんなシチュエーションに出くわしたら、もしかしたら、それは色そのものの話ではなく、スラング的意味で使われているのかもしれません。
次回は「黄」という字がもつ裏の意味についてご紹介いたします。
【続】
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official