セスキ炭酸ソーダとは?
セスキ炭酸ソーダは、今注目を集める安価で環境に優しい洗剤で、家の中のさまざまな場所の掃除に使えます。どんな特徴があるのか、見ていきましょう。
弱アルカリ性の無機化合物
セスキ炭酸ソーダは「セスキ炭酸ナトリウム」のことで、白い粉状の状態で市販されています。弱アルカリ性の性質を持つ、天然の鉱石から作られた無機化合物です。
環境に優しい洗剤を使用したい人や、あまり強力な洗剤は使いたくないという人を中心に人気を集めています。直接手で触れられる濃度の弱アルカリ性で、家庭内の清掃で気軽に使用しやすいことが特徴です。
さまざまな場所で使うことができ、ドアノブに付いた手垢の汚れや軽度の油汚れの掃除などに向いています。キッチンのコンロ周辺の拭き掃除にもおすすめです。
重曹や過炭酸ナトリウムとの違い
重曹はソーダ類を作る過程で生産される成分で、セスキ炭酸ソーダと同様にアルカリ性の性質を持つ無機化合物です。消臭効果に優れ、汚れを落とすときだけでなく風呂場やオーブンなどのにおいが気になるときに使えます。セスキ炭酸ソーダに比べて水に溶けにくく、粉のまま研磨剤としてタイルなどの表面にこびりついた汚れを取るときに使われることも少なくありません。
過炭酸ナトリウムは炭酸ナトリウムと過酸化水素を混ぜ合わせて作られたもので、セスキ炭酸ソーダに比べてアルカリ濃度が高く、使用時はゴム手袋の着用が必要です。漂白や除菌効果に優れ、洗濯槽や風呂場のカビ退治や、ステンレス製の道具や食器類のお手入れなど、活用シーンは豊富です。酸素系漂白剤として、多くの衣類用漂白剤に使用されています。
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購入できる場所
セスキ炭酸ソーダは、家庭内での掃除に便利なアイテムとしてスーパー・ドラッグストア・100円ショップなど、さまざまな場所で販売されています。100円ショップでは少量サイズが入手しやすく、試しに使ってみたい人におすすめです。コスパを良くしたい場合や大容量が必要な場合は、スーパーやホームセンターなどで購入しましょう。
セスキ炭酸ソーダは人気のアイテムだけに、商品数が豊富です。さまざまな商品を見比べて少しでも安いものが欲しいという人は、インターネット通販で購入するのも一つの方法。持って帰る手間を考えず、まとめ買いできて便利です。
使い方と汚れが落ちる仕組み
セスキ炭酸ソーダは通常の洗剤と同じように使用してよいのでしょうか。通常の洗剤と違って界面活性剤を含んでいないのに、汚れが落ちるのはなぜなのか疑問に思う人もいるでしょう。基本的な使い方や汚れが落ちる仕組みを紹介します。
セスキ炭酸ソーダを水に溶かすだけ
「水500mlあたり小さじ1程度」のセスキ炭酸ソーダを溶かして「セスキ液」を作り、スプレーボトルに入れておくと便利です。材料を混ぜ、よく溶かしてから使用しましょう。「じょうご」があると、口が細くなっているスプレー容器に、セスキ液を入れやすくなります。水で溶かした状態だと保存には向かないため、1~2週間程度で使い切りましょう。
掃除の頻度が少ない場合やそれほど汚れないという場合は、量を調節して作る方法がおすすめです。200~250ml程度の量であれば、掃除の頻度が少ない場合でも使い切りやすいでしょう。
酸性の汚れを中和して落とす
掃除をするときは、落としたい汚れの性質が分かっていた方が、より簡単にきれいになります。手垢やキッチン周辺の油汚れは酸性の性質を持っているため、弱アルカリ性のセスキ炭酸ソーダが向いています。
セスキ炭酸ソーダのpH値は「約9.8」で、アルカリ性は重曹よりも高く、過炭酸ナトリウムよりも低くなっています。重曹では落ちにくいけれど、過酸化ナトリウムを使うほどでもない程度の汚れに使用するのがよいでしょう。
アルカリ性が高い方が良いのではと考えがちですが、アルカリ性が強すぎると使用中に肌が荒れてしまうことがあるので、汚れ具合で使い分けるのがおすすめです。
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セスキ炭酸ソーダを使った掃除の基本
セスキ炭酸ソーダは日常的な掃除に便利ですが、効果的に汚れが落ちる場合とそうでない場合があります。基本的な使い方や、注意点を見ていきましょう。
油やタンパク質の汚れにピッタリ
弱アルカリ性のセスキ炭酸ソーダは、「酸性の性質」を持つ油やタンパク質の汚れを落としやすいです。換気扇やコンロなどの調理のときに、はねた油で汚れやすい部分の掃除にピッタリです。
タンパク質を分解する作用を生かして、血液による汚れにも使えます。鼻血が付着したハンカチのつけ置き洗いや、魚をさばいた後のまな板をきれいにしたいときにも効果的です。
油分が酸化したときに発生する嫌なにおいにも効果的なので、布製のソファーや靴などから発するにおいを抑えたいときも、スプレーしておくと和らげられます。
向いていない汚れの種類
セスキ炭酸ソーダは「アルカリ性の汚れ」の掃除には向いていません。水周りで見られる白っぽく浮き出た汚れや、固まってしまった水垢には不向きです。
過剰な泥汚れや、しみ込んでしまった食べこぼしの汚れ、長年積み重なった油汚れや、ポイントメイクの汚れなども不得意です。重度の汚れには、界面活性剤が含まれる洗剤を使用しましょう。
利用を避けたほうがいい素材に注意
セスキ液のスプレーは、水を使った手入れができない革製品・無垢材を使用した家具・畳などの清掃にはおすすめできません。
また、アルミ素材で作られた調理器具に使用すると黒ずみができてしまうことがあるため、金属に使用する際も注意が必要です。ステンレスで作られた製品には、問題なく使用できます。
セスキ炭酸ソーダを使った掃除方法
セスキ炭酸ソーダを使った掃除方法は、手順が少なく簡単です。面倒くさがりな人でもこまめな掃除に挑戦しやすいでしょう。具体的な掃除方法や、効果的に汚れを落とす方法を紹介します。
セスキスプレーで拭き掃除
汚れが気になる場所にまんべんなくスプレーをふき付け、布巾で拭き取ります。しばらく掃除をしていなかった場合や汚れが目立つ場合は、たっぷりとスプレーした後、しばらく放置してから拭き取りましょう。
酸性の汚れが付着しやすい場所は「キッチン・トイレ・風呂場・洗面所」などです。トイレや風呂場は付着する汚れが1種類ではないため、汚れの種類を見極めて最適な洗剤を使用してください。皮脂汚れが付きやすいドアノブ・窓ガラス・便座などは、セスキスプレーが効果的です。尿による汚れや水垢はアルカリ性の性質を持つので、セスキ炭酸ソーダでは落とせません。中性~酸性の性質を持つ洗剤と使い分けましょう。
セスキ水につけ置き洗い
セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすいため、洗濯に使うこともできます。皮脂汚れやにおいが気になる衣類、油汚れが付着してしまった布巾などは、つけ置き洗いしましょう。
ワイシャツの襟元や袖などは皮脂汚れが染み込みやすいので、重点的に洗いたい部分です。つけ置きの際はスプレーを作るときよりも、濃いセスキ液が効果的です。40℃程度のぬるま湯にセスキ炭酸ソーダを小さじ2程度入れ、汚れている部分を「1時間程度」つけ込んだ後、揉み洗いしましょう。その後はすすいで、通常の洗濯をします。
汚れが落ちにくい換気扇のプロペラやコンロの五徳なども、同じ要領でつけ置き洗いしましょう。放置時間は10~15分程度で、つけ置きが終わったらブラシでこすり洗いをします。
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