ナチュラルクリーニングとは?
日常的なクリーニング方法の一つに、ナチュラルクリーニングがあります。ナチュラルクリーニングの定義を知り、生活に役立てましょう。
環境にやさしい素材で掃除をすること
ナチュラルクリーニングは、身近にある自然由来のアイテムだけでお掃除することです。化学薬品を含んだ洗剤などを使わないため、環境負荷や使う人への悪影響が少なく済みます。
自然由来の「重曹」や「クエン酸」なら、手肌に触れたり、間違って口に入れたりしてしまっても危険性が少なく、肌がデリケートな人や小さい子ども、ペットがいる家庭でも気軽に使用できます。
家のさまざまな場所のお掃除に使えるため、汚れや場所別の洗剤をたくさん買う必要もありません。洗浄力も十分なので、経済的かつ衛生的です。
油汚れや焦げ、消臭には「重曹」
キッチンの油汚れや焦げ、トイレの消臭には重曹が有効です。重曹の特徴やナチュラルクリーニングの方法を知り、正しくお掃除しましょう。
重曹の特徴
重曹は、炭酸水素ナトリウムでできており、正式名称は「重炭酸ソーダ」です。昔から、ふくらし粉や薬、洗剤の代わりとして使用されてきました。
重曹はざらざらしているため、研磨作用があります。また、弱アルカリ性なので、油汚れなど酸性の汚れにアプローチします。
重曹は用途別に売られており、主に医療用・食用・工業用の3種類です。家庭用の掃除には、工業用の重曹を使用しましょう。
【重曹】で自宅をきれいに!気になる方法や注意点とは? | Domani
鍋の焦げを落とす
鍋の焦げは、調理前の余熱不足や、強い火力で食材を焦がしてしまうことが原因です。日常的な焦げには、小さじ1杯ほどの重曹をふりかけ、布などでやさしくこすりましょう。
また、鍋の内側に付いた頑固な焦げには、重曹で煮て落とす方法があります。
準備するもの
・重曹大さじ1
・水
・ゴム手袋
・スポンジ
重曹を煮て、鍋の焦げを取る方法
1.鍋に焦げが浸るくらいの水・重曹を入れてふたをする
2.極弱火で加熱する
3.沸騰したら火加減はそのままで、10分ほど加熱
4.火を止めてふたを取り、そのまま放置
5.粗熱が取れてぬるくなったら、ゴム手袋をしてスポンジで焦げ付きをこすり落とす
6.重曹が残らないよう、きれいにすすぎ洗いをする
鍋の外側や取っ手の付け根部分の焦げには、重曹と水を2:1の割合で混ぜて重曹ペーストを作り、焦げが気になる部分に塗り付けてしばらく放置します。汚れが浮き出てきたら、スポンジでこすり洗いをすれば、完了です。
注意点は、頑固な焦げを落とそうとしてタワシを使うのは避けることです。鍋が傷つかないよう、やわらかいスポンジで洗いましょう。
トイレの消臭剤を作る
重曹には、アルカリ性物質の消臭効果や、吸湿効果があります。トイレなどの臭いがこもりやすい場所用に、消臭剤を簡単に手作りできます。
準備するもの
・口の部分が大きい容器
・重曹
・ガーゼなどの通気性のよい布
・リボンや輪ゴム
・アロマオイル
重曹で消臭剤を作る方法
1.口の部分が広い、好きな容器を用意する
2.中に重曹100gほどを入れる
3.アロマオイルを2滴ほど垂らす
4.上からガーゼなど、通気性のよい布をかぶせる
5.リボンや輪ゴムでとめる
できあがった消臭袋は、トイレタンクの上や便器の横に置いておきましょう。中身をときどきかき混ぜて、空気に触れる部分が均等になるようにします。
アロマは1週間ほどで香りが弱くなるため、追加で垂らしましょう。重曹は2~3カ月を目安に中身を交換し、使用済みの重曹はトイレ掃除にそのまま使えます。
アロマオイルの種類をペパーミントやゼラニウムにすれば、虫除けの効果も期待でき、一石二鳥です。
水垢や黄ばみには「クエン酸」
クエン酸は、水垢や黄ばみなどのお掃除に有効です。特徴と使い方を確認しましょう。
クエン酸の特徴
クエン酸は、無色無臭の酸性物質です。柑橘類や梅干しなどの食品に多く含まれ、人が「酸っぱい」と感じる酸味成分のことです。掃除に用いるクエン酸は、100円ショップなどで手軽に入手できます。
酸性なので水垢やせっけんカス、尿石などアルカリ性の汚れに働きかけます。雑菌の脱臭効果もあるため、タバコのヤニや魚の生臭さ、アンモニア臭などの臭い消しとしても便利です。
クエン酸は水に溶かして、スプレーを作っておくとスムーズに使えます。水200mlに対して、小さじ1杯のクエン酸を溶かし、スプレーボトルに入れれば完成です。
蛇口の水垢掃除
蛇口などの水垢は、クエン酸を使って簡単にお手入れができます。水垢に含まれている炭酸カルシウムは、アルカリ性の物質なので、酸性のクエン酸がぴったりです。
準備するもの
・クエン酸小さじ1杯
・水1カップ
・スプレーボトル1本
・使い古したストッキングかタオル1枚
・雑巾2枚
・古い歯ブラシ1本
クエン酸で水垢を掃除する方法
1.スプレーボトルにクエン酸と水を入れる
2.ボトルのふたを閉めて振り、クエン酸を溶かす
3.蛇口の水垢部分に、スプレーを吹きかけ、30秒ほど待つ
4.ストッキングかタオルを蛇口に巻き、交互に引っ張るようにして磨く
5.歯ブラシを使って、細かい部分の磨き残しをきれいにする
6.雑巾を使って水拭き・乾拭きを行う
スプレーしたあとに、20~30秒待ってから磨いた方が、楽に汚れを落とせるためおすすめです。
また、メラミンスポンジがあるなら、ストッキングやタオルの代わりに使用するのもよいでしょう。
トイレの尿石掃除
トイレの黄ばみ汚れの原因は、尿に含まれる尿石というカルシウムです。トイレの便器に尿石がたまると、こびり付く汚れやイヤな臭いの原因にもなります。
尿石はアルカリ性なので、トイレ用洗剤をわざわざ用意しなくても、クエン酸水でお掃除可能です。
準備するもの
・クエン酸
・水1カップ
・スプレーボトル1本
・トイレットペーパー
・ブラシ
クエン酸でトイレ掃除する方法
1.スプレーボトルにクエン酸小さじ1杯と水を入れる
2.ボトルのふたを閉めて振り、クエン酸を溶かす
3.便器内側にまんべんなくスプレーし、3分ほど放置する
4.黄ばみ汚れの上からトイレットペーパーをのせて、スプレーを吹き付ける
5.ラップをかけて30分ほど放置してから、のせていたペーパーで汚れを拭き取る
6.水たまり部分の汚れには、クエン酸を粉末のまま投入し、一晩置いておく
7.翌日ブラシで磨く
クエン酸スプレーは抗菌効果に加えて消臭もできるため、消臭スプレーとしても活用できます。常温で約1カ月使い続けられるため、常備しておくと便利です。
なお、掃除に使ったトイレットペーパーはそのまま流せます。ゴミも増えず、手間要らずです。
「トイレ掃除のやり方や頻度」はどのくらい?効率よく汚れを落とすために知っておきたい、アイテム別の掃除方法 | Domani
皮脂汚れや手垢には「セスキ炭酸ソーダ」
セスキ炭酸ソーダは、皮脂汚れや手垢などを落とす効果があります。正しい使い方を確認しましょう。
セスキ炭酸ソーダの特徴
セスキ炭酸ソーダは、重曹と炭酸ナトリウムからできているアルカリ性の化合物です。界面活性剤に比べて、環境負荷が低く人体にやさしい物質です。
セスキ炭酸ソーダは重曹よりアルカリ性が強く、重曹では落としきれない油汚れや皮脂汚れでも落とせます。水に溶けやすいので、スプレーを使ったお掃除や洗濯にも使えます。
ほぼ無臭な上、常温での長期保存が可能。100円ショップなどで購入し、常備しておくと便利です。
シャツの襟汚れを落とす
シャツの襟に付いた汚れも、セスキ炭酸ソーダで対処可能です。以下の方法で行いましょう。
準備するもの
・スプレー容器
・セスキ炭酸ソーダ
・ゴム手袋
・洗面器
シャツの汚れを洗濯する方法
1.スプレー容器に、水500mlとセスキ炭酸ソーダ小さじ1を入れる
2.シャツの汚れが気になる部分に、スプレーを吹きかける
3.20分ほど置いておく
4.生地が傷まないように、やさしく揉み込む
5.洗濯機に入れて、いつも通りお手入れする
壁やスイッチの掃除
壁紙や照明のスイッチの汚れも、セスキ炭酸ソーダでお掃除が可能です。
準備するもの
・スプレー容器
・セスキ炭酸ソーダ
・ゴム手袋
・キッチンペーパー
・雑巾
・やわらかい布
壁紙とスイッチを掃除する方法
1.スプレー容器に、水500mlとセスキ炭酸ソーダ小さじ1を入れる
2.キッチンペーパーの上からスイッチにスプレーを吹きかける
3.ペーパーを剥がし、固く絞った雑巾でスイッチを拭き取る
4.布にスプレーを吹きかけ、壁紙を拭く
5.仕上げにスイッチと壁紙を乾拭きする
皮脂汚れは酸性なので、セスキ炭酸ソーダできれいになります。
なお、壁紙を拭く際には、できるだけ繊維がやわらかい布を使いましょう。壁紙にフィットしてきれいに拭き取れる上、壁紙を傷めることも少ないためおすすめです。
こちらの記事もたくさん読まれています
簡単に取れない〝頑固な水垢〟をきれいに落とす掃除のコツは?
お掃除テクニックまとめ|部屋がどんどんキレイになる!掃除のやり方とコツを解説