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【目次】
プラットフォームとは操作する土台のこと
プラットフォームとは台、あるいは操作する土台のことを示す言葉です。例えば駅のプラットフォームは台状の場所で「プラットフォームシューズ」といえば、まるで台に乗っているかのような厚底の靴を指します。
近年、プラットフォームという言葉はIT分野、インターネットシステムなどでも使われることが増えました。この場合も操作する土台を指します。例えばWindowsやMacなどのOSはプラットフォームです。
■インフラとの違い
インフラとは、一般的には電気やガス、水道などの生活に欠かせない基盤を指します。プラットフォームが意味する土台にも近い言葉ですが、より必要不可欠なものというニュアンスが含まれていることが多いです。
例えばOSはプラットフォームですが、OSよりもさらにシステムの基盤となるネットワークやサーバーなどはインフラと呼ばれることがあります。
デジタルプラットフォームの5つの種類
デジタルプラットフォームとは、インターネット上でサービスを提供する場を指します。例えば検索サービスやニュースなどを提供しているGoogleや、さまざまな商品を一堂に集めて販売しているAmazonなどは、世界的に広く利用されているデジタルプラットフォームといえるでしょう。
デジタルプラットフォームには、次の5つの種類があります。
1.オンラインプラットフォーム
2.ソフトウェアプラットフォーム
3.配信型プラットフォーム
4.クロスプラットフォーム
5.クラウド型プラットフォーム
1.オンラインプラットフォーム
オンラインプラットフォームとは、アカウントを作成して利用できるプラットフォームのことです。例えばTwitterやFacebookなどのSNSでは、アカウントを作成すると無料で各ソーシャルメディアが提供するオンラインプラットフォームを利用できるようになります。
また、YouTubeなどのソーシャルメディアも、アカウントを作成することで利用できるようになるオンラインプラットフォームの1つです。
2.ソフトウェアプラットフォーム
ソフトウェアを作動するためのプラットフォームを、ソフトウェアプラットフォームと呼ぶことがあります。例えばWindowsやMacなどのOSは、ソフトウェアを作動することができるのでソフトウェアプラットフォームの1つといえるでしょう。
なお、スマートフォンなどのモバイル機器でソフトウェアを作動するOSは、ソフトウェアプラットフォームではなくモバイルプラットフォームと呼ばれることが一般的です。
3.配信型プラットフォーム
コンテンツを配信するためのプラットフォームは、配信型プラットフォームです。例えばAndroid型のスマートフォンを利用している人であれば、アプリを配信している配信型プラットフォームの「Google Play」で必要なアプリを入手できるでしょう。
また、iOS向けのアプリを配信する「App Store」なども配信型プラットフォームの1つです。
4.クロスプラットフォーム
複数のOSで使用できるアプリやプログラムを作動できるプラットフォームをクロスプラットフォームと呼びます。複数の方法で使用できるという意味を込めて、マルチプラットフォームと呼ばれることも少なくありません。
例えば、近年ではAndroidだけでなくiOSでも使用できるスマートフォンアプリが増えてきました。このようなマルチに活用できるアプリを使用できるプログラムが導入されているプラットフォームは、クロスプラットフォームといえるでしょう。
5.クラウド型プラットフォーム
パソコンやスマートフォンに特別なアプリやプログラムをインストールするのではなく、クラウド上にあるサービスを提供するプラットフォームをクラウド型プラットフォームと呼びます。例えばAmazonのAWSやGoogle Cloudなどは、クラウド型プラットフォームです。
クラウド型プラットフォームでは、データを入れておくストレージサービスなどを提供しています。
プラットフォームビジネスとは
プラットフォームビジネスとは、プラットフォームを舞台に展開するビジネスのことです。例えばLINEは、メッセージサービスや無料通話などのツールを用いて、アカウントに登録した人が自由に友人や家族とコミュニケーションを取れるプラットフォームとして活用されています。
しかし、単にアカウント登録者が無料でコミュニケーションを楽しむだけでは、LINEのビジネスは成り立ちません。無料スタンプを提供する企業や広告掲載を依頼する企業などが加わることで、収益が上がり、ビジネスとして成り立つようになります。
もちろん多くの企業がLINEにスタンプや広告を提供・依頼するのは、LINEが多くの人々に利用されているプラットフォームであるということが周知されているからに他なりません。つまり、アカウントを作成した一般ユーザーがLINEを日常生活で使うことそのものがLINEの広告価値を高め、企業側にとって魅力的なプラットフォームになっているといえるのです。
このようにユーザーにとって便利なプラットフォームを提供することで、企業側にとって新たな宣伝活動や営業活動の場をつくり上げることをプラットフォームビジネスといいます。
LINEだけでなくGoogleやAmazonも、利便性ゆえに多くの人々が集うプラットフォームで、なおかつ企業側にとっては営業活動・宣伝活動の貴重な場です。
■急成長するプラットフォームビジネス
近年、急成長しているビジネスの多くは、プラットフォームと無関係ではありません。紹介したようにLINEやGoogle、Amazonもいずれもプラットフォームビジネスを展開し、世界的な成長を遂げている企業です。
また、インターネット上のショッピングモールを展開している企業では、プラットフォームビジネスに取り組んでいることが少なくありません。
例えばショッピングモールから証券、保険、銀行、クレジットカードなどの金融サービス、スマートフォン事業などまで幅広く展開している楽天も、多くの人々が集うプラットフォームを舞台にビジネスを展開するプラットフォームビジネスの一例です。
プラットフォームビジネスのメリット4つ
世界中で急成長している企業の中には、プラットフォームビジネスに取り組んでいる企業が多数あります。世界的に名前を知られているAmazonやGoogle、また、日本で多くの国民が使用しているLINEや楽天など、プラットフォームビジネスに取り組み、驚くような成長を見せている企業は枚挙にいとまがありません。
プラットフォームビジネスが成長しているのは、プラットフォームビジネスならではのメリットがあるからです。主な4つのメリットについて見ていきましょう。
1.ビッグデータを獲得できる
2.多岐にわたるサービスを提供できる
3.蓄積したリソースも活用できる
4.顧客数や客単価を増やせる
1.ビッグデータを獲得できる
実店舗を拠点としてビジネスを展開する場合は、店舗にアクセスしやすい人などのようにターゲットが制限されてしまいます。しかし、インターネットに繋がっている環境であればどこからでもアクセスできるプラットフォームでは、ビジネスのターゲットはほぼ無制限です。
多くの人が何度もアクセスし、プラットフォームを活用することで、顧客の購買行動や商品・サービス選択などのさまざまなデータを残します。ターゲットがほぼ無制限に多いため、獲得できるデータも多く、さらなるビジネスの発展に活用できるでしょう。
2.多岐にわたるサービスを提供できる
プラットフォームビジネスでは、さまざまなサービスを1つのプラットフォームで提供できます。ショッピングモールから保険商品の販売、カーリースの予約まで、タブを1つ増やすだけで、あるいはページを1つ作成するだけで提供することが可能です。
実店舗を用いたビジネスではこう簡単にはできません。店舗1つ増やすだけでも立地や内装など決めるべき点が多く、巨額の資金が必要になります。
3.蓄積したリソースも活用できる
インターネット上で蓄積できるデータもほぼ無制限のため、一度開発したリソースは、蓄積し、今後も活用することができます。もちろん修正も簡単に行えるので、単にリソースを蓄積するだけでなくブラッシュアップすることが可能です。
プラットフォームを利用するユーザーにとっては、リソースの蓄積は活用できる情報の増加を意味します。さらに有用性が高まり、プラットフォームの利用頻度が増えることにもなるでしょう。
4.顧客数や客単価を増やせる
プラットフォームで多彩なサービスや商品を提供することで、顧客数を増やすことができます。欲しい商品やサービスが複数あるときでも、インターネットモールなら同一会計することができるため、顧客にとっても実店舗をいくつか回る手間が省ける利便性の高い選択肢になるでしょう。
また、頻繁に利用する顧客を囲い込むアクションを起こすことで、客単価を増やすことができます。例えば顧客を利用金額や利用期間によってランクに分け、ランクが上になると割引サービスなどのお得なサービスを利用できるようにしたとしましょう。
顧客それぞれが少しでも上位ランクになるためのアクションを起こし、客単価が上昇するかもしれません。
プラットフォームビジネスを成功させるコツ
世界的に成長しているプラットフォームビジネスですが、単にプラットフォームを用意し、さまざまなサービスを提供すれば良いというわけではありません。プラットフォームビジネスはユーザーが多くないと成り立たないビジネスのため、集客できないと、運営を継続することが困難になります。
プラットフォームビジネスを成功させるコツとしては、次の2点を挙げられるでしょう。
・ユーザーが増える仕組みを構築する
・利便性を追及したシステムを構築する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
■ユーザーが増える仕組みを構築する
プラットフォームはインターネット上にある秘境のようなものです。誰にも気付かれないときは、誰も訪れず、ひっそりとただ存在します。しかし、誰かが訪れ、「素晴らしかったよ」という感想を積極的に周囲に伝えるなら、徐々に観光客が増え、いつの間にか世界有数の観光地になるかもしれません。
プラットフォームビジネスも同様です。ユーザーが存在に気付き、ユーザーが思わず人に伝えたくなる仕組みを構築することで発展できるでしょう。例えばLINEでは友だちを誘ってグループラインをつくることで大勢でのチャットが楽しめるようになるなどの、思わず人を誘うような仕組みが整っています。
■利便性を追求したシステムを構築する
さまざまなサービスを提供するプラットフォームが増えた今、人々はプラットフォームを取捨選択するようになりました。「決済しやすい」「不良品の交換がしやすい」など、ユーザーにとって利便性がないシステムは、生き残りは難しいかもしれません。
プラットフォームビジネスを成功させるためには、ユーザーにとって、そして、企業にとっても利便性を追求したシステムであることが求められます。また、ユーザーや顧客との関係性に注目し、関わるすべての人が心地良く利用できることも生き残りに不可欠な要素といえるでしょう。
プラットフォームの概念を理解しておこう
プラットフォームとは台や土台を意味しますが、現代では主にIT関係の用語として「操作する場」「サービスなどを提供する場」として用いられることが一般的です。プラットフォームの概念を理解すると、近年急成長を遂げているプラットフォームビジネスについても理解しやすくなるでしょう。
プラットフォームビジネスは私たちの生活に密着しており、インターネットを利用している人であれば誰もが日々活用しています。概念を理解し、上手に利用していきましょう。
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