1日のもち時間は誰でも等しく24時間。けれど、時間の使い方や過ごし方にはその人のスタンスや個性が現れます。この連載では子どもをもち働く女性の“1日の時間割”を軸に、ひとりの女性の中の女・妻・母の3つの顔に迫ります。
藤本美貴さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜 ←この記事
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜
タレント・36歳
藤本美貴さん
藤本美貴さんの「妻」時間をClose up 9:30@Cafe
ふたりとも映画好きなので、予定があえば“明日行く?”と話が早いです(笑)
「“明日は時間にゆとりがある!”という日に、旦那さんが“この映画観たいんだよね”と振ってきたら“私もそれ見たかったんだ。じゃあ行っちゃう?”みたいな感じで、サクッとまとまることが多いです(笑)。ジャンルはいろいろですが、チケットはたいてい旦那さんが予約してくれます。ふたりで映画を観て、ついでに軽くご飯を食べて帰ってきます」
「妻」時間 藤本美貴さんのとある木曜日
この連載では事前に“ある日の時間割”についてアンケートに回答してもらい、撮影シーンを構成しています。藤本さんの「妻」時間を紹介します。
6:00 起床、朝食の準備、子供たちの学校・幼稚園・保育園の準備
6:30 長男を起こす
7:00 長女と次女を起こして、朝食
9:00 保育園と幼稚園の送迎
9:30 旦那さんと映画を観に出かけて、そのままランチ
13:30 長女を幼稚園にお迎え
14:00 そのまま習いごとに送る
15:00 買い物をして帰宅
16:00 長女をお迎え
16:30 長男帰宅
17:30 次女を保育園にお迎え
18:00 帰宅、夕食の準備、夕食
20:00 子どもたちと一緒にお風呂に入る
21:00 子どもたちを寝かせる
22:00 昼に出来なかった洗濯、片付け、掃除など
23:00 洗濯物をたたむ
24:00 寝る準備、旦那さんに一日の報告をする
25:00 就寝
何があっても“この人がいれば大丈夫”と思えるベストパートナー
藤本さんと庄司さんは、今年で結婚13年。ここ1、2年は結婚記念日を祝う動画をYouTubeにアップしたり、夫婦でデートをしたついでに、それぞれのインスタグラムに対になるような形でお互いの画像を投稿する様子が“ほっこりする”“憧れる”とネットニュースでも話題になった。
「結婚してガラッと変わる人もいますが、うちの旦那さんは変わらないですね。ところが私のほうは“結婚して丸くなった”とか“優しくなりましたね”と言われるんですよ(笑)。確かに、自分でも子どもをもってから丸くなったと思いますし、旦那さんは頼りになる瞬間が増えているような気がします。
たとえば子どものことになると、私はこの子にとってはどちらがベストか、迷うことが多いんですね。自分ひとりではとても決められないと悩むときには、旦那さんに“どう思う?”と相談すると、どんなときでもちゃんと答えを出してくれる。9歳年上だけあって“頼もしいな、いてくれてよかったな”と思うことのほうが多いですね。
夫婦でもよく“うちらはふたりとも友達がすごく多いわけでもないから、お互いが彼氏・彼女であり、親友であり、同志やチームでもあるよね”と話していたりするんですよ。だれがいなくてもお互いがいれば別にいい。夫婦円満のためのルールは特にないのですが、旦那さんがずっと言い続けているのは、『相手がどう思ってどう感じているのか。思いやりをもち続けるって大事だよね』という言葉。口だけじゃないんですよ。実際、彼が仕事で遅くなったとき、私が普通に家で家事をしてたら『今、何してんの?』とLINEが来て、『洗濯物たたんでるよ』と送ったら、『ありがとう。』って返してくるんです。小さなことでも、いつも感謝をしてくれる。これってすごくうれしいことじゃないですか。
だからなのか、これまで夫婦の危機もなかったですね。かといって、小さなケンカはよくしてました(笑)。最近はケンカをする時間もなくなってきましたが、ふたりともケンカの回避法を学んだこともひとつあると思います。言いつのる前に“ん? これはまずいぞ”と察知したほうがパッと先に寝てしまう。そんな感じで我が家の平和が保たれています」
就寝前に余力があれば、夫に1日の報告をしておきたい
1年前の8月、庄司さんは新型コロナウイルスに感染した。発熱があった時点から家族と自分を完全隔離しながらPCR検査を受けて自宅待機をし、陽性判明後に入院。重症化はしないまでも決して軽症ではなく、入院期間は2週間以上に。自身のTwitterで退院を報告した際には『こんな不安の中 ひとりで3人の子ども達と生活をしてくれた妻に感謝します。』というひとことも添えられていた。彼女にそのときのことを聞いてみると…。
「本人は大変だったと思います。でも入院したら家族ができることは何もなくなる。私自身は大変なことはなかったですね。1日1回、寝る前にテレビ電話で話しをして “今日も無事だったね”と、安否を確認するような日々でした。ただ、私たちは濃厚接触者なので家の外に出ることができず、子どもたちは“ずっと家の中にいる夏休み”になってしまって。そのケアのほうが大変だったかもしれません。子どもたちの“どっか行きたい!”という気持ちもわかるので、うちの中で体力を発散させてあげる方法とか、日々を充実させてあげる工夫とか、とにかく毎日をどう乗りきるかということだけを考えていましたね」
藤本さんの話しぶりからは、必要以上に悲観することも、かといって楽観視することもなく、日常生活における目の前のすべきことに、腹をくくって向き合ってきた様子がうかがえた。ご家族にとっての大きな出来事について、ただ大変でした、心配でした、とは答えないところにも藤本さんの強さと挟持が感じられる。
「なんでしょうね。自分が悩んでもしかたのないことでふさぎこんでも仕方ない。何があっても前しか向かないという、私のもともとの性格かもしれませんね。コロナ禍になる前も後も、旦那さんとはふだんからしっかりコミュニケーションをとっているんです。1日の終わりに、“今日、こんなことがあってさ、”と、その日あったできごとや子どもの様子をなんでも話すようにしているんですよ。子どもがいつもと違う様子だったら“どう思う? 私はこう思うんだけど”みたいに、常に意見をすりあわせていく感じですね。話せないことはなにもありません。毎日普通に仲良くしてますよ」と微笑んだ。
藤本さんから庄司さんの話しを聞いていると“その考え、素敵だな”と感じるエピソードにいきあたる。「私がしゃべると、いつも旦那さんだけの株が上がるんです(笑)」とのことでしたが、なんでもがっぷりよつに取り組むスタンスは、子育ての場面でも。Vol.3の「母」時間では、おふたりの子育て論についてもお聞きしています。
Profile
藤本美貴
ふじもと・みき/1985年、北海道生まれ。16歳で芸能活動を始め、2003年にモーニング娘。に加入。6期メンバーとして活躍する。24歳でお笑い芸人「品川庄司」の庄司智春さんと結婚。27歳で長男、30歳で長女、34歳で次女を出産。2016年に『第9回ベストマザー賞2016』の芸能部門を受賞。2018年には庄司さんとともに『いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー2018』を受賞。今年7月に11回めの結婚記念日を祝う動画を公開して話題に。現在はバラエティ番組やCM出演、ファッションブランドとのコラボレーションなどを精力的に展開しつつ、3児のママとして子育てにも奮闘中。産後ダイエットでヨガと出会い、「グラヴィティヨガ」のインストラクターの資格も取得。YouTube『ハロー!ミキティチャンネル』も好評。来年、2022年に芸能生活20周年のメモリアルイヤーを迎える。インスタグラム:@mikittyfujimoto
撮影/眞板由起 スタイリスト/JURIKA.A ヘア&メーク/太田年哉(maroonbrand) 構成/谷畑まゆみ
ブラウス¥31,900(ダブルスタンダードクロージング〈フィルム〉) ピアス(スタイリスト私物) リング(藤本さん私物)
協力社リスト
フィルム 03-5413-4141