「恐悦至極」はどんな意味？ ビジネスシーンでの正しい使い方を解説

皆さんは、「このような機会を頂き、まことに恐悦至極でございます」というようなフレーズを聞いたことはありませんか？ この表現は、敬意を表しながら、感謝の気持ちを伝える日本語の一つです。ビジネスシーンやフォーマルな場面で使うと、その場の雰囲気をぐっと引き締めることができますよ。

本記事では、「恐悦至極」の意味や使い方、実際のシーンで役立つフレーズを紹介します。この言葉を使いこなして、相手により一層の敬意と感謝の気持ちを伝えてみてくださいね！

「恐悦至極」とは

 「恐悦至極（きょうえつしごく）」とは、恐縮しながらも感謝の意を表す表現です。

「恐悦至極」は、「恐悦」と「至極」の2つの言葉が組み合わさってできた表現です。それぞれの意味を確認することで、「恐悦至極」の意味をしっかりと理解できますよ。

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「恐悦」とは「感謝の意を表すこと」

「恐悦」は、相手の行為に対して喜び、感謝を表現する時に用いられる語です。詳しい解説は下記を参考にしてみてください。

【恐悦／恭悦】きょうえつ
１.相手の好意などを、もったいなく思って喜ぶこと。多く、感謝の意を表すときに用いる語。「―至極に存じます」
2.非常に喜ぶこと。「唐人船も行くえ知れずになって、まずまず―だ」〈藤村・夜明け前〉
『デジタル大辞泉』（小学館）より引用

「恐悦至極」の形ではなく、「恐悦」だけでも手紙やメールの文章に使われることがあります。例えば「先日はお時間を取っていただき、まことに恐悦の思いです」のように、ビジネスシーンで感謝を述べる際などに使用できます。

また、「恐悦」は「恭悦」とも書きます。意味は変わりません。

「至極」とは「極限・この上ないこと」

「至極」とは、程度がこの上なく高いことを示す言葉です。例えば、「至極当たり前」「至極便利」のようなフレーズとしても使われます。

「至極」の意味は以下のとおりです。

【至極】しごく
［名・形動］
1. 極限・極致に達していること。この上ないこと。また、そのさま。「―の貧生で、…按摩をして凌いで居る者がある」〈福沢・福翁自伝〉「女道衆道の―をあらはす要文」〈浮・禁短気・二・目録〉
2.きわめて道理にかなっていること。また、そのさま。至当。「兄を殺そうとした自分が、かえって犬に食われて死ぬ。これより―な天罰はない」〈芥川・偸盗〉「これでごきげんの直るやうにと、―なる事を申し出だせば」〈浮・親仁形気・一〉
3. 他人の意見などをもっともだと思って、それに従うこと。納得。「母が言葉をひとつも忘れなといへば、娘も是を―して」〈浮・織留・二〉
［副］その状態・程度が、これ以上はないというところまでいっているさま。きわめて。まったく。「―便利である」「―ごもっとも」
［接尾］形容動詞の語幹や状態性名詞に付いて、この上なく…である、まったく…だ、などの意を表す。千万（せんばん）。「残念―」「迷惑―だ」
『デジタル大辞泉』（小学館）より引用

「至極」も「恐悦」と同様に、「恐悦至極」とのフレーズだけでなく一語で使える言葉です。「至極」は厳かな雰囲気や、フォーマルな場面で用いられることが多いため、改まった印象になります。

「恐悦至極」が使える2つのシーン

「恐悦至極」という言葉は知っていても、実際に利用するには少し使いづらい言葉だと感じるかもしれませんね。「恐悦至極」が利用できるパターンを知っておくことで、自然な流れで使いこなせるようになります。

「恐悦至極」が使える場面は次の2つです。

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目上の人からの賞賛に応える

「恐悦至極」には、「慎みながら」「恐縮して」といったキーワードが含まれるため、目上の人に向かって感謝を伝える際に活躍します。上司や社外の方からお褒めの言葉を頂いた時、何か表彰を受けた時にも使用できます。

目上の人の賛辞に応える場合には、「恐悦至極」を使うことで礼節をわきまえつつ、感謝の意を伝えることができるでしょう。あなたがスマートに「恐悦至極」を使いこなせれば、相手にもしっかりした人だなという印象を伝えられるはずです。