Summary
- 「躊躇う」は「ためらう」と読む
- 「躊躇う」が使えるのは、すべきかどうかがわからずに行動できないとき
- 「躊躇う」の類義語には「優柔」「逡巡」などがあり、対義語には「決断」などがある
【躊躇う】の読み方は?「躊躇する」との関係、例文をチェック
「躊躇(ちゅうちょ)する」のひらがな部分を「う」に変えた「躊躇う」は、「躊躇する」とはまったく違う読み方に変化します。正解の前のヒントとして意味を簡単に説明すると、「躊躇う」は決心がつかないことを表す言葉です。
「躊躇する」と同じ意味であることから、なんとなく読み方が推測できるのではないでしょうか。「躊躇う」の読み方や意味について、次項からわかりやすく解説します。
「躊躇う」の読み方は「ためらう」
「躊躇う」の読み方の正解は……「ためらう」でした!漢字よりもひらがなで表記することが多いため、一般的にはひらがなのほうが馴染みがあるでしょう。
「躊」と「躇」の訓読みはどちらもためらうで、「躊躇う」は同じ意味の漢字を重ねた言葉です。「躊躇う」のほかには「躊躇われる」という書き方があり、こちらは「ためらわれる」と読みます。
「躊躇う」の意味は決心がつかないこと
【躊躇う:ためらう】
【躊=躇う】〔ためらふ〕
[動ワ五(ハ四)]
あれこれ考えて迷う。決心がつかずにぐずぐずする。ちゅうちょする。「言っていいものかどうか―・う」「―・わずに実行に移す」
気を落ち着ける。心を静める。「皆出ではてぬるに―・ひて」〈かげろふ・上〉
病勢を押さえつける。「さらにえ―・ひやり給はで、苦しき中にもかしこまり申し給ふ」〈源・柏木〉
ちゅうちょして一つ所をぶらぶらする。うろつく。「五、六度まで引き返し引き返し―・ひゐたり」〈盛衰記・二〇〉
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「躊躇う」は、あれこれ迷って決心がつかない状態を指す言葉です。ためらうという読み方の漢字を重ねていることからわかる通り、迷って行動できない様子が強調されています。
すべきかどうかの判断ができずに行動できないような場面において、「〇〇することを躊躇う」という形で使うのが基本です。決断力の弱さを表す意味に加えて、高ぶった感情を静める・病気などの苦しい気持ちを落ち着けるなどの意味もあります。
「躊躇う」と「躊躇する」の意味は同じ
「躊躇う」と「躊躇する」は読み方が異なるものの、意味に大きな違いはありません。「躊躇する」の意味を辞書で確認してみましょう。
【躊躇:ちゅうちょ】
【×躊×躇】〔チウ‐〕
[名](スル)あれこれ迷って決心できないこと。ためらうこと。「―なく断る」「行こうか行くまいか―する」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「躊躇する」も「躊躇う」と同じように、ぐずぐずと迷って決断できないことを表します。「〇〇することを躊躇する」のほか、「躊躇せず」「躊躇なく」といった形で使うこともあります。
両者の違いは、「躊躇う」が日本固有の和語であるのに対して、「躊躇」は漢語であることです。また、「躊躇う」は話し言葉で使うことが多い一方で、「躊躇する」は書き言葉で使うのが基本です。
【例文付き】「躊躇う」と「躊躇する」の使い方
「躊躇う」と「躊躇する」は意味に違いがないため、どちらも同じように使えます。「躊躇う」や「躊躇する」を使うと、何か判断に迷う事柄があって行動できない様子を表現できます。主に行動に移す前や移している最中などで使うのが一般的です。
どちらの言葉も適切に使えるように、正しい使い方を理解しておきましょう。ここでは、「躊躇う」と「躊躇する」の使い方を例文とともに解説します。
「躊躇う」の使い方と例文
「躊躇う」が使えるのは、すべきかどうかがわからずに行動できないときです。自分を主語にする場合は「躊躇う」、他者が主語の場合は「躊躇われる」など、主語によって形が変わることがあります。
「躊躇う」の具体的な使い方を例文で確認しましょう。
【例文】
・そのパーソナルジムは割安で評判も良いが、友人が通っているため入会するのを【躊躇う】。
・以前よりも太ってしまい、昔の友人と会うのを【躊躇って】しまう。
・彼女は本音を話すのを【躊躇われた】。
・【躊躇わず】に行動するのもいいですが、あなたはもう少ししっかりと考えるべきだと思います。