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2021.12.29

【難漢字】〝鴇〟←なんと読む? 日本を象徴する鳥と言われる理由は?

「鴇」とはペリカン目トキ科の鳥のことをあらわす言葉です。「のがん」と読む場合は、ツル目ノガン科の鳥を指します。また、「鴇」を含む色名である「鴇色」は紅花で染色した薄桃色で、今でも人気があります。今回は「鴇」の読み方と意味、「鴇」を含む言葉について解説します。

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「鴇」とはペリカン目トキ科の鳥のことを指す言葉

動物の名前は、普段はカタカナや平仮名で書かれていることが多い傾向にあります。そのため、漢字を読めずに戸惑ったことがある人は少なくないでしょう。「鴇」もその1つです。誰でもきっと一度は聞いたことがあるはずの、あの鳥の名前です。さて、なんと読むでしょうか?

鴇

正解は……【とき】でした!

【鴇/朱鷺/鵇/桃花鳥:とき】ペリカン目トキ科の鳥。全長77センチくらいで、淡紅色を帯びた白色。顔と脚が赤く、頭に冠羽があり、くちばしは黒く、下方に曲がる。水田や湿地でタニシ・ドジョウ・サワガニなどを捕食。巣は高い木の上に作る。東アジアに分布するが絶滅が危惧されている。特別天然記念物。国際保護鳥。学名、ニッポニア・ニッポン。トキ科にはクロトキ・ショウジョウトキなども含まれる。《季 秋》
〔補説〕「鵇」は国字。日本では明治中ごろまで各地に生息したが、急激に数が減少し、昭和56年(1981)最後の5羽が捕獲・保護されたことで野生絶滅。最後の個体は平成15年(2003)死亡。佐渡島では中国産の個体で人工繁殖を行っており、平成20年(2008)より成体の放鳥開始、その後は自然繁殖もみられるようになった。これを受けて平成31年(2019)に環境省はレッドリストを改訂、トキは「野生絶滅」から「絶滅危惧ⅠA類」に変更された。

鴇」とは、ペリカン目トキ科の鳥の名前です。全長77センチくらい、体は淡い紅色を帯びた白色です。顔と脚は赤く、くちばしは黒く曲がっており、頭に冠羽があります。

羽の内側は朱鷺(とき)色といわれるオレンジがかったピンク色で、この美しい羽を装飾品に使うための乱獲が、野生の鴇の減少の理由の1つと言われています。

「鴇」は基本的には群れをなして行動する鳥です。オスとメスを外見で見分けるのは難しいですが、オスの方が攻撃的で食欲旺盛とされています。主な食べ物は水田などにいるサワガニ、カエル、イナゴ、トンボなどです。

「鴇」はほかにも「朱鷺」「桃花鳥」「鵇」と複数の書き方があり、日本で古くから身近な存在であったことがわかります。学名も「ニッポニア・ニッポン」であることから、日本の象徴の1つといっても過言ではないでしょう。

「鴇」は一時期絶滅も危惧された鳥

「鴇」は明治中頃までは、日本の各地で見ることができました。しかし、その後急速に数が減少し1934年に天然記念物に、1952年には特別天然記念物に指定されます。そして遂に1981年に最後に残った5羽が保護されたため、「野生絶滅」の状態になりました。

野生絶滅」とは、環境省が「レッドリスト」として公表している、絶滅のおそれのある野生生物の種のリストに分類されるということです。完全に絶滅しているわけではないものの、絶滅する危険性が非常に高い水準にあるものを指します。

この時点での「鴇」のように飼育下でのみ存続している場合、あるいは本来の生息地域以外の場所に帰化した状態でのみ生存している場合が当てはまります。

ただし、佐渡島で中国産の「鴇」による人工繁殖を行い、繁殖させた「鴇」の野生復帰が進んだことを受け、環境省は2019年に「鴇」を「野生絶滅」から「絶滅危惧1A類」に変更、レッドリストを改訂しました。

「鴇」の読み方は他に2種類ある

「鴇」は漢字での表記方法が複数あることは既にお伝えしたとおりですが、「鴇」の読み方も1つではありません。

「鴇」は「とき」と読むほか、「のがん」と読むこともあります。「のがん」は「鴇」とは別の、ツル目ノガン科の鳥を意味する言葉です。また、「つき」という読み方もあり、こちらは「鴇」の異名です。ここからは、「鴇」の「とき」以外の読み方である、「のがん」と「つき」について、それぞれ解説します。

「のがん」はツル目ノガン科の鳥のこと

鴇(のがん)」は「野雁」とも表記し、ツル目ノガン科の鳥の名前で、「鴇(とき)」とは全く別の鳥を指します。全長約1メートルの大きく太った鳥で、太くて短いくちばしを持ちます。赤みを帯びた褐色の背中には黒っぽいまだらがあり、首と顔、お腹は薄いグレーがかった白色です。

オスはあごの両側にひげのような羽毛が生えており、6歳くらいまで毎年伸びていきます。シベリアや中国、朝鮮などの広い平原や農耕地に生息し、冬になるとごくまれに日本に渡来してくることがあります。

【野雁/鴇:のがん】ツル目ノガン科の鳥。全長約1メートル。首は灰色、背は黒斑のある黄褐色、腹は白い。繁殖期の雄は、のどの両側にひげのような飾り羽がある。ユーラシア大陸に分布。

「鴇(つき)」は「鴇」の異名

つき」は「鴇」の異名です。「鴇」は大昔から日本に生息しており、奈良時代には「つきやつく」と呼ばれ、当時の『日本書紀』や『万葉集』には、「桃花鳥」という表記で鴇の歌などが書かれていました。「桃花鳥」は、「鴇」の羽の内側の綺麗なピンク色が関係していると考えられています。

平安時代に入ると、「つきやたう」といった呼び名が使われるようになりました。「鴇」を「とき」と呼ぶようになったのは、江戸時代に入ってからと言われています。

「鴇」を含む言葉

「鴇」を含む言葉は、「鴇色」や「黒鴇」などいくつか存在します。いずれも「鴇」に関係する言葉です。「鴇色」は「鴇」の羽の内側の色のような、薄桃色を指します。紅花で染色された色とされ、今でも人気があります。「黒鴇」は脚とくちばしのほか、胸から上が黒色の、鴇とは異なる種の鳥の名前です。

ここからは、鴇を含む言葉である「鴇色」、「黒鴇」について解説していきます。

鴇

1.鴇色

「鴇色」は朱鷺色とも表記し、「鴇」の羽の内側のような薄桃色を指します。「鴇」は全体的にはやや紅がかった白色ですが、飛ぶときに見える羽の内側の、桜色より少し濃く桃色より薄いこの色を指して「鴇色」と呼びます。

鴇」がカニやザリガニなどの甲殻類を食べ、体内にカロテノイドという色素を取り込むことで、美しい「鴇色」の羽になるようです。「鴇」の羽が生え変わってすぐの秋から冬頃が、「鴇色」がもっとも目立つ季節です。

鴇色」は江戸時代に登場した、紅花で染色したとされる色名であり、現在でも根強い人気があります。鴇色という言葉は知らなくても、色自体は見たことがある人がほとんどでしょう。

そのほか、「鴇」に関連した色としては、「鴇色」以外に「鴇茶」や「鴇唐茶(ときがらちゃ)」などがあります。

【鴇色:ときいろ】トキの羽のような色。うすもも色。淡紅色。

2.黒鴇

鴇

「黒鴇」は「くろとき」と読み、全身は白色で、首から上が黒色の全長約85センチメートルの鳥の名前です。首や顔が羽毛に覆われず、黒い皮膚がむき出しになっていることが名前の由来とされます。

インド、東南アジア、中国、マレー諸島などに分布しています。かつては日本にも生息していたようですが、現在は迷鳥としてごくまれに見られる程度です。沼や川岸に生息し、小魚や水生動物を食べます。

「鴇」の意味を理解し知識の幅を広げよう

鴇」とは、ペリカン目トキ科の鳥の名前です。昔は日本各地に生息していましたが、野生絶滅の状態に陥るほど減少しました。現在は人工繁殖を経て自然繁殖が見られるまで回復してきています。

鴇

とても身近な鳥だったため、鴇のほかにも朱鷺、桃花鳥、鵇といったように表記がいくつも存在し、つきなどの異名もありました。

鴇の羽の内側の薄桃色は鴇色として、江戸時代から今日に至るまで人気がある色です。鴇や鴇に関連する言葉について理解を深めることで、知識の幅を広げましょう。

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写真・イラスト/(C) shutterstock.com

(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

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