「我田引水」とは自分の都合のいいように解釈すること
「我田引水」とは他人の都合を考えずに、自分の都合のいいように物事を解釈することです。
【我田引水:がでんいんすい】
物事を、自分に都合のいいように言ったりしたりすること。
我が田へ水を引く。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
自分の都合だけを考えて物事を進めるような自己中心的な行動に対して、批判的に使われる言葉であり、いい意味はありません。「我田引水」という漢字からもわかるように、自分の田んぼだけに水を引いてくるということから、この言葉が生まれました。語源は次の文章で説明します。
「我田引水」の語源
「我田引水」の語源となっているのは、自分の田んぼだけに水を引き、他の人の田んぼのことを考えない自己中心的な行為です。日本では縄文時代の後期より稲作が行われており、田んぼは生活の中で重要な位置を占めるものでした。田んぼにとって欠かせないのは水です。
自分の田んぼにだけ水を引いて水路を変更してしまったり水を堰き止めたりする行為は、下流で稲作をしている人にとっては死活問題となります。つまり「我田引水」とはかなり強い批判の意味を込めた言葉といえるでしょう。
「我田引水」の使い方と例文
「我田引水」は批判の意味のある言葉なので、使う時には注意が必要です。特にビジネスシーンでは一定の配慮が求められます。
【例文】
・自社製品を人に勧める場合には、客観的なデータを引用するなどして、【我田引水】にならないように注意しなければならない。
・私の選挙区の候補者たちはみんな、自分のおかげで地域の暮らしが良くなっているかのように宣伝していて、【我田引水】もはなはだしい。
「我田引水」の類義語
「我田引水」には数多くの類義語があります。それは人というものが基本的には自己中心的な行動をしてしまう可能性があるため、そしてそうした行為に物申したくなるからかもしれません。
ここでは「牽強付会」「得手勝手」「唯我独尊」という三つの類義語と例文を紹介します。いずれもよく使われている四字熟語であり、ビジネスのシーンでも登場するので、「我田引水」とセットで覚えておくと良いでしょう。