「笑止千万」の読み方や意味とは?
「笑止千万」という言葉は、なんとなくふわっと理解できていても、説明しろと言われると難しいのではないでしょうか。ここでは「笑止千万」を深く理解するために、その意味と、語源・由来などを見ていきましょう。
読み⽅と意味
「笑止千万」は「しょうしせんばん」と読み、「大変おかしいこと」、「非常にばかばかしいこと」、「非常に滑稽なこと」など、「笑」という漢字から想像できるような意味を持ちます。
その一方で「笑止千万」は、「たいそう気の毒なさま」という、「笑」という漢字からは想像できない意味も持っています。一般的には、最初に説明した「大変おかしいこと」、「非常にばかばかしいこと」という意味で使われることがほどんどであるという点は、覚えておくといいでしょう。
語源・由来
「笑止千万」の語源や由来はどのようなものでしょうか。「笑止千万」を、「笑止」と「千万」に分けて考えてみましょう。
「笑止」は、「ばかばかしいこと」、「おかしいこと」、「笑いが止まらないこと」という意味です。もともとは、「めったに見られないほど素晴らしい」という意味の「勝事(しょうし)」の当て字であったといわれています。また「千万」は、「はなはだ」、「まったく」を、強調する意味で使われている言葉です。
この「笑止」と「千万」が合わさった「笑止千万」は、「おかしいことはなはだしい」、「まったくばかばかしい」という意味の四字熟語として使われています。
アニメ『鬼滅の刃』でも
プライベートでもビジネスシーンでも、普段の生活で「笑止千万」という言葉を使うことは、あまりなさそうですね。「笑止千万」という言葉を耳にするのは、時代劇などのセリフが多いのではないでしょうか。
ところが最近、子どもが「笑止千万!」などと言って遊んでいるのを見かけることがあります。実は、アニメ『鬼滅の刃』で、この「笑止千万」という言葉が登場するのです。「心を燃やせ」は、炎柱(えんばしら)・煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)の名セリフですが、「笑止千万」の言葉で知られるのは水柱(みずばしら)・富岡義勇(とみおかぎゆう)。もちろん、富岡義勇と言えば、「生殺与奪(せいさつよだつ)の権」が有名ですが、ここでは「笑止千万」に関して解説しましょう。
富岡義勇は、鬼を狩る鬼殺隊の柱(最高位)のひとりです。主人公の炭治郎(たんじろう)とは、炭治郎の家族が鬼に惨殺され、妹の禰豆子が鬼にされてしまった直後に出会っています。この出会いをきっかけに、後に炭治郎は鬼殺隊に入隊することになるのです。
鬼になってしまった禰豆子を富岡義勇から守るために反撃した際、「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」というセリフと共に、「笑止千万!」という言葉が登場します。他人に、自分と大事な妹の命(ここでは、生殺与奪の権)を任せ、その上で「妹を守る」、「仇を見つける」などと夢物語を口にする炭治郎を、「笑止千万」という言葉を使って叱責するシーンです。
『鬼滅の刃』では、この「笑止千万」の他に、猪突猛進(ちょとつもうしん)、武運長久(ぶうんちょうきゅう)、生生流転(せいせいるてん・しょうじょうるてん)、杓子定規(しゃくしじょうぎ)など、さまざまな四字熟語が登場しますので、意外と大人よりも子どものほうが、これらの四字熟語に詳しいかもしれませんね。
使い⽅を例⽂でチェック
時代劇やアニメなどで耳にする「笑止千万」ですが、普段の生活ではどのように使われるのでしょうか。例文でチェックしていきましょう。
1:そんな低レベルなことで競い合うなんて「笑止千万」だ
あまりにもレベルの低いことで競い合っている2人に対して、「非常にばかばかしい」という意味で発した「笑止千万」です。
2:こんな営業成績で全国トップ賞を目指すなんて、「笑止千万」だ
目標にも達成しないような営業成績で、「全国トップ賞」などと大きなことを言うと、非常に滑稽で「笑止千万」と言われてしまうかもしれません。
3「笑止千万」と思われるかもしれませんが、私は本気です
他人の言動を「笑止千万」とするのではなく、自分に対して使っている例えで、「あなたはばかばかしいと思うかもしれないが、私は本気で考えている」という意味です。
これらの例文のように、「笑止千万」は、バカげた言動に対して使うことができます。
「笑止千万」の類語や⾔い換え表現は?
「笑止千万」の類語や、よく似た表現についても確認しておきましょう。