「朝三暮四」の意味や読み⽅とは?
「朝三暮四」は「朝四暮三」と、数字を入れ替えても同じ意味の四字熟語として使われる言葉です。基本的には「朝三暮四」を使います。どちらも故事成語に出てくる言葉で、漢文の試験問題で、書き下し文、現代語訳、口語など様々な観点から出題されるとても有名なお話です。
それはどんな話なのか。あらすじの他、例文・類語・英語表現を含めて紹介しますので、確認しましょう。
読み⽅と意味
「朝三暮四」は「ちょうさんぼし」と読みます。意味は2つあり、1つは「目先の違いにとらわれて、結果が同じことに気がつかない」「上手い方法や巧みな言葉で人を騙すこと」。もう1つは「生きていけるだけの生計」のことです。
朝三暮四の由来
《中国、宋の狙公 (そこう) が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという「荘子」斉物論などに見える故事から》
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
実際に一日に与えるトチの実の数は同じなのに、朝に三つが四つに変化しただけで、数が増えたと猿は勘違いし、喜んで受け入れます。このことから 「目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと」や狙公のように「うまい言葉や方法で人をだますこと」指す意味になりました。
ビジネス等で使う時の注意点
ビジネスシーンで使うのであれば、意味が2つあるので、誤解を招かないようにすることが大切です。基本的には、「目先の違い」はあるけれど、「結果は同じ」という場面で使用するのがベターでしょう。
ですが、どちらにしても皮肉のニュアンスが込められているため、使う相手やシーンには気を付ける必要があります。
使い⽅を例⽂でチェック
それでは、使い方を例文で紹介しますので、見ていきましょう。
「あの政治家の新政策は、先代の政策の朝三暮四のようだ」
この例文のように、2つのことを比べても小手先だけ変化したような物事を、皮肉で言う時に「朝三暮四」を使います。また、「何が変わったのかわからない」「どっちもどっち」といったニュアンスでも使用可能です。
「まるで、朝三暮四のような欺き方だ」
こちらの例文は、由来となった故事成語の、騙した側である老人目線の意味で使っています。「言葉巧みに」「詐欺師のように」といった意味ですね。
また第三者目線で、騙された相手に対しても「どうしてこんな簡単なことで騙されるのか」とあきれる文脈でも使用可能です。