「枇杷」とは「倒卵形の実がなる植物」
「枇杷」とは、倒卵形の実がなる植物のことを指します。読み方は「ビワ」です。辞書では以下のように解説されています。
【枇杷】
バラ科の常緑高木。四国・九州の一部に自生し、高さ約10メートル。葉は大形の長楕円形で、表面はつやがあり、裏面に灰褐色の毛が密生。秋から冬、黄色がかった白い花を密につける。夏、倒卵形の実が黄橙色に熟し、食用とされる。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
日本に渡ってきたの 生していた種類もありましたが、果肉が少なかったことから食用で流通することはありませんでした。品種改良が重ねられて、現在の形になっています。
12〜2月に小さな白い花を咲かせ、6月頃に収穫時期を迎える植物です。食べると酸味が少なく渋みがあります。
「枇杷」の由来は葉っぱから来ている
「枇杷」の由来は、葉っぱの形から来ています。「枇杷」の大きな葉っぱの形が楽器の琵琶に似ている様子から名付けられました。他には、葉っぱではなく実が楽器の琵琶に似ていることから「枇杷」と名付けられたとされる説もあります。
「枇杷」の語源になった琵琶は、2世紀ごろに書かれた中国の語学書『釈名』に初めて載りました。そこには「推手前日批、引手却日把」と書かれており、楽器の琵琶に付いての演奏方法が書かれていたのです。最初は「批把」と書かれていたようです。
「枇杷」の花言葉
「枇杷」にも以下のような花言葉があります。
・治癒
・あなたに打ち明ける
・密かな告白
・愛の記憶
「枇杷」の花言葉である「治癒」は、古くから葉っぱが薬として利用されていたことから付きました。「密かな告白」は、「枇杷」の花が咲いていることに気づかれないほど小さい花であることから付けられています。恋人や好きな人にぴったりの花言葉ではないでしょうか。
「枇杷」の種子には有害物質が含まれている
「枇杷」の種子には、アミグダリンという有害物質が含まれています。一時期はがんに効果があると言われて食べる方もいました。しかし現在は効果が否定されているため、食べないようにしましょう。
農林水産省からも、以下のように注意喚起がされています。
平成29年、ビワの種子を粉末にした食品から、天然の有害物質(シアン化合物)が高い濃度で検出され、製品が回収される事案が複数ありました。ビワの種子が健康に良いという噂(うわさ)を信用して、シアン化合物を高濃度に含む食品を多量に摂取すると、健康を害する場合があります。
(引用:ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう|農林水産省)
「枇杷」の種子を大量に摂取することで、青酸に変化します。変化した青酸は人に悪影響を及ぼし、頭痛やめまい、悪心、嘔吐などの中毒症状が発生することも。特に粉末にした場合、多量に摂取してしまうリスクが上がります。種子は食べてはいけません。
「枇杷」の代表的な品種3つ
ここからは、「枇杷」の代表的な品種3つを解説します。
・栽培の起源が江戸時代まで遡る「茂木」
・植物学者の名前が品種名の「田中」
・交配してできた品種「長崎早生」
「枇杷」は種類によって特徴が異なります。「枇杷」にどのような種類があるのか気になる方は、以下の3つの種類を参考にしてみてください。それぞれ詳しく解説します。
栽培の起源が江戸時代まで遡る「茂木」
「茂木」は、栽培の起源が江戸時代まで遡る、古くからある品種です。江戸時代に長崎の代官屋敷に奉公していた女性の三浦シヲさんが、自宅の庭にまいて育てたのがきっかけとされています。中国の唐枇杷からの派生です。
酸味が少なく甘さが際立っており、品質も申し分ないため日本で最も多く栽培されています。出回っている時期は、5月中旬〜6月中旬。主な生産地は、長崎県や鹿児島県、香川県とされています。