ビジネスや日常生活で、しばしば特定の状況やパターンが繰り返されることがあるかもしれません。そのようなことを表すために使われる表現が、「往々にして」です。この記事では、その意味や使い方、また具体的な例を通じて詳しく解説します。
「往々にして」の基礎知識
「往々にして」の読み方は、「おうおうにして」です。「往々」とは物事がしばしばあるさまを指しています。また、「往々にして」の形だけではなく、「往往」や「往往に」、「往往にして」という形で書かれることもありますが、意味は同様です。
はじめに、「往々にして」の詳しい意味や語源、由来、類語、対義語はどのようなものなのか、チェックしていきましょう。
「往々にして」とは物事がしばしばあるさま
【往往にして】
連語「往往」に同じ。「そういった間違いは―あるものだ」
『デジタル大辞泉』（小学館）より引用
「往々にして」とは、該当する物事がしばしばあり、多く起こる傾向にあるさまを指します。何度も繰り返していることを表しているものの頻度は定まっていないため、頻度がそれほど高くない場合にも使われるケースがあることに注意が必要です。
「往々にして」の語源・由来
「往々にして」という言葉の語源は、諸説あります。「往々にして」とは、「往」という漢字を重ねて作られている言葉です。
「往」という漢字には、目的地に向かっていくという意味と、過ぎ去っていく・過去という意味の2つがあります。時間に関連する意味を持っている往の字を重ねて使うことにより、「あの時もこの時も」という意味を表現しているという説や、「いく先いく先」という意味を表すという説がある言葉です。
「往々にして」の類語
「往々にして」の類語は以下のとおりです。
・たびたび
・しばしば
・よく
・ひんぱんに
・得てして
・時々
・ややもすると
類語をチェックすると「ひんぱんに」と「時々」などが含まれており、「往々にして」の頻度は定まっていないことがわかります。言い換えで使いたい場合には、その時に伝えたい内容のニュアンスにあわせてどの言葉を使うかを決めましょう。
「往々にして」の対義語
対義語もあわせて覚えることで、ビジネスシーンなどで表現できる言葉を増やせます。「往々にして」の対義語は以下のとおりです。
(c) Adobe Stock
・まれに、ごくまれに
・珍しく
・滅多にない
・たまに
・一度もない
・レア
・稀有
このように、物事が起こる頻度が低いことを表す言葉が対義語だといえます。
「往々にして」の使い方・例文
「往々にして」の使い方や例文についてもチェックしていきましょう。先述のとおり、「往々にして」という言葉の意味は幅広く、その時の話のニュアンスや言葉を使う人、状況などによって表現している頻度が異なります。「往々にしてあります」や「往々にして失敗しやすい」、「往々にしてある」などがありますね。
「往々にしてあります」などと使う
「往々にして」を使う際には、以下のように使うことができます。
・失敗は【往々にして】ある。
・【往々にして】あります。
・【往々にして】間違う。
「往々にしてあります」という言葉は、「往々にしてある」を敬語表現にした形です。ビジネスなどで取引先や上司などの目上の人に対して使いたい場合には、さらに「あります」を「ございます」に変えて、より丁寧な表現である「往々にしてございます」を使うとよいでしょう。
