絵本の基本的な選び方
子どもに絵本を読ませたいと思っても、どのような内容を選べばよいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。子どもが喜ぶ絵本の選び方を見ていきましょう。
年齢に合わせた内容
絵本選びでは、内容が子どもの年齢に合っているかどうかが大切です。絵本に記載されている「対象年齢の目安」を参考にするとよいでしょう。
文字を読むのが難しい年齢であれば、絵にインパクトがあったり、色彩がはっきりしていたりすると目で見て楽しめます。言葉を話そうとするようになってきたら、「とんとん」「ワンワン」といった同じ言葉が繰り返されているものがおすすめです。
また、文字数やページ数が多い絵本は集中力が身に付き、メッセージ性のある絵本は想像力が育めます。子どもの成長に合わせて、絵や文字、物語の構成を選びましょう。
読み聞かせなら「言葉の響き」がポイントに
子どもに絵本を読み聞かせると、書かれている言葉を耳で聞いて感じることになります。絵本を選ぶときは、声に出したときの響きやリズムにも注目しましょう。
言葉の韻を意識して作られた絵本なら、リズムに乗せて生き生きと読むことができます。子どもの印象に残りやすく、読み聞かせの中で自然と言葉を覚えたり、声に出したりするようになるでしょう。
まだ文字が読めない年齢でも、きれいな響きの言葉は子どもの興味を引きつけます。読み聞かせをする際は、親も響きやリズムを楽しみながら読みましょう。
キャラクターがかわいい絵本
キュートなキャラクターが描かれた絵本は、見ているだけでも楽しめるのが魅力です。個性豊かなキャラクターが登場する絵本を紹介します。
「しましまぐるぐる」柏原晃夫(絵)
赤ちゃんの特性を意識して作られた「いっしょにあそぼ」シリーズの1冊です。赤ちゃんがよく反応するといわれている「しましま」と「ぐるぐる」がページいっぱいに描かれ、華やかな色合いが目を引きます。
コントラストの強い配色にこだわっているため、6カ月未満の赤ちゃんでも絵を認識しやすいのが特徴です。カラフルなしま模様や顔の付いた渦巻き模様が繰り返し登場し、しっかり興味を引きつけます。
渦巻きキャンディーの横に描き込まれた小さなアリなど、読み返すたびに新たな発見があるでしょう。赤ちゃんに初めて見せる絵本としてもぴったりです。
商品名:「しましまぐるぐる」
柏原晃夫(絵)/学研プラス
「きんぎょがにげた」五味 太郎
40年以上にわたって愛されている、金魚鉢から飛び出した金魚を探す絵本です。さまざまな場所に隠れている金魚を見つけ出す、探し遊びとしても楽しめます。
かわいらしい赤い金魚の姿はもちろん、カラフルな色彩で描かれた部屋も魅力です。カーテンの柄やキャンディーが入った瓶の中など、金魚を追いかけていると、どんどんページをめくりたくなるでしょう。
まだ文字が読めない年齢の子どもでも、金魚を見つけると指をさして喜びます。何度読んでも夢中になれる、子どもと一緒に遊べる絵本です。
商品名:「きんぎょがにげた」五味 太郎 /福音館書店
「コんガらガっち どっちにすすむ?の本」ユーフラテス
テレビ番組「ピタゴラスイッチ」を製作している、ユーフラテスが手がけた絵本です。いるかともぐらがこんがらがって誕生した「いぐら」が旅をするストーリーになっています。
分かれ道を指さしながら読んでいくと、いぐらと一緒に冒険しているような気分が味わえるのがポイントです。楽しみながら論理的な考え方が身に付けられるのも、ユーフラテスならではの魅力といえるでしょう。
キャラクターはあえて黒一色で描かれており、二つの生き物がこんがらがったシルエットが際立っています。子どもの思考力を育てたいときにもおすすめの絵本です。
商品名:「コんガらガっち どっちにすすむ?の本」ユーフラテス /小学館
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動物モチーフのかわいい絵本
子どもに好まれているモチーフといえば、うさぎやくまなどの動物です。思わず笑顔になるような、かわいらしい動物が出てくる絵本を紹介します。
「ぞうくんのさんぽ」なかの ひろたか(作・絵)なかの まさたか(レタリング)
子どもが好きな「積み木遊び」のエッセンスが詰まった絵本です。ぞうくんの背中には、散歩の途中で出会った動物たちが次々と乗っていきます。
一番小さなかめくんが最後に乗ったところで転んでしまうという、ストーリーの展開も特徴的です。子どもが積み木を重ねて最後は崩して遊ぶように、ぞうくんたちが転ぶ場面も喜んで読んでくれるでしょう。
デフォルメされた動物たちの、ユーモラスな見た目も魅力的な1冊です。
商品名:「ぞうくんのさんぽ」
なかの ひろたか(作・絵)なかの まさたか(レタリング) /福音館書店
「ハグミーシリーズ おいで!こぐまくん」小学館
フェルトで作られた両腕に指を入れて、パペットとして遊べる仕掛け絵本です。各ページに穴が開いているため、こぐまくんの腕を自由に動かすことができます。
読み聞かせをしながら両腕を動かせば、キャラクターと一緒に遊んでいるような気分が味わえるでしょう。柔らかなフェルト生地を使っているため、ぬいぐるみのような触り心地になっていることもポイントです。
パペット仕掛けになった「ハグミーシリーズ」には、うさぎちゃんと遊べる絵本もあります。かわいい動物になりきることで、読み聞かせの時間がさらに楽しくなるでしょう。
商品名:「ハグミーシリーズ おいで!こぐまくん」小学館
「どうぞのいす」香山美子(文)柿本幸造(絵)
うさぎさんが手作りしたいすをきっかけに、動物たちがとりかえっこを繰り広げるほのぼのとした作品です。相手を思いやる心がつながっていく心温まるストーリーなので、読み終えたときには大人もやさしい気持ちになれるでしょう。
「なんて しんせつな いすだろう」「つかれて いたから いいきもち」のような、リズミカルな言葉使いが特徴的です。テンポよく読み聞かせることができ、キュートな絵とともに言葉の持つ美しさを味わえます。
対象年齢は3~4歳ですが、それより小さな子どもでも素朴な絵を見て楽しめるでしょう。思いやりや親切について教えたいときにもぴったりです。
商品名:「どうぞのいす」香山美子(文)柿本幸造(絵) / ひさかたチャイルド
人気作家のかわいい絵本
絵本選びに迷ったときは、絵本を手がけた作家にも目を向けてみましょう。数々の作品を発表してきた、有名な作家の絵本を3点紹介します。
「だるまさんが」かがくい ひろし
2008年に刊行されて以来、10年以上にわたって人気を誇る「だるまさん」シリーズの第1弾です。丸い形のだるまさんが、左右に揺れたり縦にぐーんと伸びたり、さまざまな動きを見せてくれます。
子どもにおなじみの遊び「だるまさんがころんだ」をイメージした作りで、「だ・る・ま・さ・ん・が」というフレーズを見るとページをめくりたくなるでしょう。次のページではだるまさんがころんと転んでいるなど、くすっと笑える展開が魅力です。
文字が少なく分かりやすいイラストなので、赤ちゃんでも面白さを感じられるでしょう。だるまさんが気に入ったら、続編となる第2弾を読んでみるのもおすすめです。
商品名:「だるまさんが」かがくい ひろし /ブロンズ新社
「バムとケロのおかいもの」島田ゆか
犬のバムとかえるのケロが登場する絵本「バムとケロ」シリーズの第4弾です。2人が買い物に出かける様子が、ユーモアたっぷりに描かれています。
キャラクターはもちろん、背景や店内の小物までが丁寧に描かれ、じっくり眺めたくなるような絵が特徴です。何度も読み返した後は、絵の細部を見て楽しむこともできるでしょう。
「バムとケロ」シリーズは、やさしいバムと自由奔放なケロの1日を描いた、ゆったりとしたストーリーが魅力。これまでに全5冊が刊行されているため、好きなエピソードを見つけてみましょう。
商品名:「バムとケロのおかいもの」島田ゆか /文溪堂
「もう ぬげない」ヨシタケシンスケ
独特な発想とシンプルな絵柄で、大人からも支持されている絵本です。洋服が体に引っかかって脱げなくなった男の子が、「ずっと脱げないままだったらどうしよう」とあれこれ考え続けます。
主人公である男の子の顔は洋服で見えなくなっており、おなかが出ている姿も笑いを誘います。「洋服が脱げなくなる」という日常にありそうな設定なので、子どもも興味を持ちやすいでしょう。
洋服が引っかかったままジュースを飲んだり虫取りをしたり、シュールな絵を見ているだけでも楽しめます。子どもならではの発想の数々に、読んでいる大人も楽しい気分になれる作品です。
商品名:「もう ぬげない」ヨシタケシンスケ /ブロンズ新社
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おしゃれでかわいい海外の絵本
海外の絵本の中にも、長年親しまれている名作は数多く存在します。おしゃれな色彩感覚が楽しめる、海外の絵本を見ていきましょう。
「はらぺこあおむし」エリック・カール
世界中で愛読されている「はらぺこあおむし」を、めくりやすいボードブック判に仕上げた一冊。ページが破れにくいため、繰り返し読んでも本が傷つきにくいのがうれしいポイントです。
おなかを空かせたあおむしがきれいなチョウになるまでを描いたストーリーで、ページに開いた小さな穴に指を入れて遊べます。小さな子どもでも絵本に興味を持ちやすいでしょう。
果物やキャンディーなどの食べ物が、色鮮やかに描かれた美しい絵も特徴です。ページをめくると「1このりんご、2このなし、3このプラム」と果物が一つずつ増えていくので、数字や数え方を覚えるときにも役立ちます。
商品名:「はらぺこあおむし」エリック・カール(作)もりひさし(訳) /偕成社
「ゆすってごらん りんごの木」ニコ・シュテルンバウム
ドイツの子どもたちに親しまれてきた絵本が、日本でも刊行されました。絵本をゆすったり息を吹きかけたり、子どもが自らアクションを起こして楽しめる「参加型」の一冊です。
絵本の中には、頭のりんごが重いと感じているりんごの木など、困ったことを抱えているキャラクターたちが登場します。絵の横に「ぐるぐる回して」などの指示が書かれているため、キャラクターを助けるために本を動かしましょう。
直接触ったり傾けてみたり、夢中になって遊べるのが魅力的な絵本です。子どもに読み聞かせる場合は、親子で一緒に動かしてみるのもよいでしょう。
商品名:「ゆすってごらん りんごの木」ニコ・シュテルンバウム(作)中村 智子(訳) /サンマーク出版
「スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし」レオ・レオニ
小さな黒い魚・スイミーが主人公として活躍する絵本です。小学校の国語の教科書にも掲載されているため、子どもの頃に読んだ経験がある人も多いでしょう。
兄弟たちを飲み込んでしまった大きな魚から1人逃れたスイミーは、海の底を泳ぎながら成長していきます。そして小さな魚の群れに出会い、力を合わせて大きな魚に立ち向かうのです。
詩人の谷川俊太郎氏が翻訳を担当しており、物語の筋だけでなく言葉の美しい響きも味わえます。繊細な色使いで海の中が描かれており、絵を見ているだけでも満足感のある芸術性の高い一冊です。
商品名:「スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし」レオ・レオニ(作)谷川 俊太郎(訳) /好学社
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