「竹馬の友」の読み方や意味は?
「竹馬の友」とは「ちくばのとも」と読みます。幼い頃からの親しい友人という意味です。中国の故事が由来とされている言葉で、幼なじみで親しい人を誰かに紹介するときなどに使われます。
【竹馬の友】
幼いころに、ともに竹馬に乗って遊んだ友。幼ともだち。幼なじみ。
(引用〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)
「竹馬」は遊具のひとつですが、「たけうま」とは異なります。読みを「たけうま」と間違えないよう、注意しましょう。ここでは、「竹馬の友」の意味や言葉の由来、「竹馬」の意味についてご紹介します。
中国の故事が由来
「竹馬の友」は中国の故事を由来とする言葉です。4世紀の中国、晋(しん)王朝の時代に著された史書『晋書』にあるエピソードが由来となっています。
武将である桓温(かんおん)は、幼なじみで学者の殷浩(いんこう)と並び称されることに不満を抱き、殷浩を見下していました。そのため、「幼いころ、自分たちは竹馬に乗って一緒によく遊んだが、彼は私が棄てた竹馬をよく使っていた」と述べたということです。
由来は敵対するライバルという意味が強いエピソードですが、現在はそのようなニュアンスはなく、「親しい幼なじみ」という意味合いで使われています。
「たけうま」とは異なる
「竹馬」は遊具のことですが、現在でも遊ばれている遊具の「たけうま」とは異なります。
竹馬は「春駒(はるごま)」とも呼ばれ、竹の先端に馬のたてがみ、あるいは頭部を付け、 末端に車をつけた遊具です。馬に見立て、乗馬するようにまたがって遊びます。中国から日本にも伝えられており、江戸時代から明治時代にかけて流行しました。現在は郷土玩具として、各地に残されています。
ちなみに、「たけうま」とは2本の竹竿の途中に横木を取り付けたもので、そこに足を乗せて上部を握りながら歩く遊具です。平安時代、すでに子供の遊びとして使われていたとされ、江戸時代により玩具化されて広まったとされています。
「竹馬の友」の例文
「竹馬の友」を使った例文をいくつかご紹介します。「竹馬の友」がどのような場面やニュアンスで使われるのか、文章の中で確認してみてください。
・彼とは小学校の頃から【竹馬の友】で、今でも連絡を取り合っている
・【竹馬の友】と久しぶりに再会し、しばらく思い出話をして過ごした
・彼は長年【竹馬の友】だと思っていたが、このような裏切りを受けるとは思わなかった
・彼らは【竹馬の友】として、お互いを高め合っている
・彼女とは幼い頃からの付き合いで、【竹馬の友】というべき存在だ
「竹馬の友」の類語
「竹馬の友」には、いくつか似たような表現があります。「竹馬の友」と同じく中国の故事を由来とする「水魚の交わり」もそのひとつです。
ほかにも、より関係性を具体的に表す「幼なじみ」や、「竹馬の友」よりも幅のある関係性を示す「旧知の仲」などがあげられます。「竹馬の友」とともに類語を一緒に覚えておけば、より会話の表現が豊かになるでしょう。
ここでは、「竹馬の友」の類語をご紹介します。
幼なじみ(おさななじみ)
「幼なじみ」とは、子供のころから親しくしている人のことです。「竹馬の友」にはライバルという意味合いもありますが、幼なじみにはそのような意味はありません。
例文をご紹介します。
・彼女とは小さい頃に家が隣同士だった【幼なじみ】で、なんでも相談できる間柄だ
・【幼なじみ】の〇〇君に10年ぶりに会い、仲良く遊んだことを思い出した