「異彩を放つ」とは?
まずは言葉の意味や読み方、語源・由来を解説します。
意味や読み方
「異彩を放つ」は「いさいをはなつ」と読みます。辞書を引くと、下記の通り意味が記載されています。
【異彩を放つ】(いさいをはなつ)
1. 普通とは違った色彩や光を出す。
「渠かれの眼色めざしは、顰ひそめる眉の下より―・てり」〈鏡花・義血侠血〉
2. 多くの中できわだって見える。「画壇の中で―・つ新人」
(引用:小学館『デジタル大辞泉』)
語源・由来
「異彩を放つ」という言葉をさらに深く学ぶために、この「異彩を放つ」を、「異」、「彩」、「放つ」と、細かく分けて見ていきましょう。
「異」は異なるという意味、「彩」は彩り、色のことです。ここではそのまま「色」を意味しているわけではなく、特徴や才能・技量、感性、価値観を表しています。「放つ」は、ここでは「光や音などを出す」という意味で使われています。したがって「異彩を放つ」は、「他とは異なる才能、感性、価値観などを出す」つまり「多くの中できわだって見える」という意味で使われるのです。言い換えれば、「他にはない特徴を持つ」、「抜きんでた才能を見せる」とも表現できるでしょう。
「異彩を放つ」は誉め言葉?
「異彩を放つ」というのは、人を評価する際に使われることがある言葉です。評価には、良い評価と悪い評価がありますが、「異彩を放つ」は、良い評価なのでしょうか?
「異彩を放つ」は、他とは異なる優れた点がある場合に使われる、褒め言葉です。悪い意味で使われることはありません。
「異彩を放つ」使い⽅を例⽂でチェック
それでは具体的に、「異彩を放つ」がどのようなシーンで使われるのか、例文を交えて確認していきましょう。
あの子は小学校の頃から異彩を放っていた
社会に出て大きな成功を収めた人は、幼い頃からどこか他の人とは違うものです。成功した人物の幼馴染や学校の担任を探してインタビューをするテレビ番組では、成功を収めた人は「子供の頃から他の子とは違っていた」という話が多く聞かれます。そのような場合に、「あの子は小学校の頃から異彩を放っていた」と表現します。
オーディションで異彩を放つ
オーディションなどの選考の場で、他の人とは明らかに違う雰囲気や佇まい、能力などを見せる人物に対して使える表現です。そのような人物は目立つので、自然と目がいきます。将来有望と見られて、合格する可能性が高いでしょう。
ひときわ異彩を放つ彼女のドレスは、有名デザイナーの新作だった
他にはないデザインのドレスは、唯一無二で独創的です。ドレスそのものも独創的ですが、そんなドレスを作ったデザイナーも他にはない感性の持ち主だと推測されます。デザイナーも「異彩を放つ」人だと言えるでしょう。
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「異彩を放つ」人の特徴は?
上で、「異彩を放つ」デザイナーに触れましたが、「異彩を放つ」人には、他にどのような特徴があるのでしょうか。
オーラがある
自信に満ち溢れて堂々としている人は、「オーラがある」と言われることも。ずば抜けた才能や、独自の感性・価値観を持った揺るぎない佇まいは、「異彩を放つ」人の特徴です。
独特の価値観を持っている
人の意見に左右されず、自分の価値観をしっかりと持っている人にも、「異彩を放つ」人が多く見られます。
なぜか目がいく
「異彩を放つ」という言葉が、他とは異なる色を出すという意味であるように、「異彩を放つ」人には、自然と目がいきます。常に注目されるのも特徴です。
人と違う視点を持っている
「異彩を放つ」人は、着眼点や考え方が人と違うことが多いでしょう。また、柔軟な発想で従来のやり方を踏襲せず、独自のアプローチをするため「人とは違う」ことから異彩を放っていると思われがちです。
堂々としている
「異彩を放つ」人は、自分に自信があるため、堂々としています。その堂々とした姿や、どんな相手にも臆することのない姿勢が、目を引く佇まいを作ります。
ミステリアス
「異彩を放つ」人の人間離れした様子が、ミステリアスだと感じる人も多いでしょう。また、「異彩を放つ」人の多くは謙虚で自らの成功をひけらかすことがないため、余計にミステリアスなイメージを高めます。
説得力がある
「異彩を放つ」人は、その実績に裏付けられた説得力のある話し方が得意です。また、独自の発想やワードセンスを持っていることも多いため、ここぞというタイミングで心に刺さる言葉を投げかけることができるでしょう。
「異彩を放つ」類語や⾔い換え表現は?
「異彩を放つ」の類語や言い換え表現も確認して、理解を深めましょう。