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2022.05.08

子どもが火傷や突き指したらどうする?昔と今で対処法が異なる「傷ケア」を小児看護師が解説

 

夏に向けてキャンプに出かけたり、BBQを計画中! という方も多いですよね。そんなとき気をつけたいのが火傷や突き指といった怪我。気温が上がると熱中症にも注意が必要。そこで今回は、昔と今で対処法が異なる身近な怪我について、小児看護師の野村さちいさんに聞きました。

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keiko kido
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昔の記憶に頼っていない? 火傷や突き指の正しい対処法を知ろう

怪我は初期対応がとにかく大切! 毎日たくさんの子どもとその保護者に接している、「つながる ひろがる 子どもの救急」代表/竜美ヶ丘小児科 小児救急看護認定看護師の野村さちいさんによると、来院される方の話を聞いて「最初に正しいケアをしていれば傷が残らなかったのにな」とか「違う結果になっていたのでは」と感じることが多いそう。また、火傷や突き指といった子どもに多い怪我の中には、ケア方法が昔と変わってきているものもあるんです!

昔と今で対処法が異なる場合があるので、知識のアップデートが必要

【靴ずれの対処法】

「靴ずれは痛みが起きてきたタイミングで早くケアすることが早い治りに繋がります。出先で靴ずれができた場合、傷口にティッシュを当てるという方もいますよね。確かにティッシュはクッショ ンにはなりますが、傷口にくっついてしまい取るときに傷を悪化させる場合もあります。

靴ずれで起きやすい水ぶくれが傷つき、開いてしまった場合は、下記の手順で対処しましょう。
1. 石鹸とお湯で25秒間手を洗い、清潔にする
2. 水ぶくれの部位の皮がめくれている場合は、引っ張って取らず、患部の上を覆うようにする
3. モイストヒーリングができる治癒タイプの絆創膏を貼る

靴ずれが治りかけているときにまた靴ずれを起こすと、生まれ変わりかけていた肌がまた傷つけられてしまいます。色素沈着によって黒ずみも悪化していくので、一度靴ずれができたら、完全に傷が治るまではなるべく新しい靴を履かないようにしましょう。パッドやインソールで足と靴の摩擦が起きない環境をつくるといった心がけも大切です」(野村さん)

【打撲の対処法】

「コールドスプレーでは冷却が足りない場合があるため、アイスパックや氷で患部をしっかり冷却してください。打撲だと思っても骨折していることもあるので、腫れが強い場合や痛みが持続する場合は整形外科などの医療機関を受診しましょう。また小児は若木骨折といって、大人のようにボキッとではなく、竹がしなるように骨折している場合があります。そのため、腫脹がなくても痛みが軽減してこない時は受診しましょう」(野村さん)

【火傷の対処法】

「顔や頭に火傷を負った場合は、濡れたタオルやタオルで巻いた保冷剤や氷を当てるようにしましょう。子どもは大人と比べて体表面積が小さく、冷やし続けると体温低下を引き起こしやすいため、クーリングは15分以内とし冷やし過ぎないよう注意が必要です。熱傷は程度が重要なので、広さと深さで受診を判断してください」(野村さん)

【捻挫の対処法】

「テーピングは腫脹してくることがあり、あまりキツく固定してしまうと循環障害のリスクがあるため、テーピング固定よりも添え木などで固定するようにしましょう。骨折が疑われる場合は、早めに医療機関を受診してください」(野村さん)

【熱中症の対処法】

「熱中症はなによりも予防が大切。熱中症指数などもうまく活用しながら、早めに対策をとりましょう。めまいや吐き気、頭痛、食欲不振などが起きた時点で軽い熱中症になっているため対処が必要です。涼しい場所 へ移動し身体を冷やし、水分を速やかに補給します。熱中症が疑われる環境下で発熱した場合は、救急要請も考えましょう。熱中症も重症化すると生命に影響をきたすことがあり、早め早めの対策と熱中症の進行を防ぐことが重要。搬送先では冷やした点滴で全身冷却するという処置をすることもあります。体内の熱を放出することと、水分摂取が何より必要です。

子どもにはきちんと水分を摂らせていても、一緒に遊んでいる保護者が自分のことを後回しにして水分を摂っていなかったり、無理をして熱中症にかかってしまうケースも多いので、大人も体力を過信せず十分気をつけてくださいね」(野村さん)

【突き指の対処法】

「整形外科医は、診断をつけた後で骨折や脱臼を整復するために指を引っ張ることがありますが、X線撮影も行わずに正確な診断を行わないまま、一般の方が整復操作を行うことは、さらに新たな損傷を加えることになり極めて危険です。骨折、脱臼などが起きていることもあるので、洗面器やボールなどに氷水をいれ、直接指を入れて冷やします。入れ物がないときは、ビニール袋に氷を入れて、指を挟むように冷やしましょう。そして、突き指した部分を動かさないよう添え木などで部位の安静をはかってください。テーピング固定は腫脹してくることも予測され、循環障害などのリスクがあるので添え木固定が望ましいです」(野村さん)

正しいケア方法を理解し「もしもの場合」に備えておけば、外遊びも思いっきり楽しめそうですね!

常備しておくと便利な傷ケアアイテム

傷口が空気に触れず、受ける刺激が少なくなり、痛みがやわらぐ。衝撃を吸収するクッション素材&水やシャワーに強い360°完全防水仕様。ジョンソン・エンド・ジョンソン バンドエイド® キズパワーパッド™  靴ずれ用 6枚入 (オープン価格)

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「つながる ひろがる 子どもの救急」代表/竜美ヶ丘小児科 小児救急看護認定看護師

野村さちい

1998年看護師免許取得、小児看護歴20年以上。2013年に小児救急看護認定看護師を取得後はクリニック、地域で勤務。NHK「すくすく子育て」出演や小学館ベビーブック掲載等、保護者へ正しい情報を伝えることを目標に活動中。地域に出て行き保護者とのコミュニケーションの中で伝えることをモットーにしている。

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