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【目次】
「白砂青松」の正しい意味と読み方
白砂青松とは、“白い砂浜と青い松の美しいコントラストを表す言葉”です。海岸の美しさを表現する言葉として親しまれていますが、日常生活では使ったことがない方もいるかもしれません。
今回は、白砂青松の正しい意味と読み方をご紹介します。いざという時に間違えることなく使えるように、しっかりマスターしておきましょう。
■白い砂浜と青い松のある風景を描写する言葉
白い砂と青い松、字面を見ただけでもある程度意味が推測できるでしょう。白砂青松とは、白い砂浜と青い松林がある、美しい海岸の景色を意味する言葉です。
デジタル大辞泉での解説も参考にしてみてください。
【白砂青松】はくしゃせいしょう
白い砂浜と青々とした松原。美しい海岸の景色をいう。はくさせいしょう。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
普段の生活ではあまり耳にすることがないかもしれませんが、旅行ガイドブックや観光名所のホームページ、自然保護活動のプロジェクトなどでもよく用いられる言葉です。
■白砂青松の正しい読み方
白砂青松の正しい読み方は……「はくしゃせいしょう」です!「砂」の字を「さ」と読み、「はくさせいしょう」と読まれる場合もあります。
読みの難易度が高いため、正しい読み方を知らないと、自信を持って白砂青松を使いこなせないかもしれません。この機会にしっかり覚えてしまいましょう。
「白砂青松」の使い方のポイントと例文
白砂青松は普段あまり耳慣れない言葉であるため、使い方のポイントを知っておくことが大切です。日常の会話やビジネスシーン、スピーチなどで美しい海岸の景色について話す際に、白砂青松を使って表現することができます。
白砂青松を使った例文もご紹介するので、利用シーンをイメージしながら内容をチェックしてみてくださいね。
■美しい海岸の景色を指して使う
白い砂浜に青々とした松の林が続く、美しい海岸の景色を表現する際に、白砂青松を使ってみましょう。白砂青松は、日本の海岸の美しさを描写する言葉として、古くから使われている言葉です。
少しかしこまったスピーチなど、赴きのある言葉選びが求められるシーンで使ってみるのもよいでしょう。
■白砂青松を使った例文
使用シーンがイメージしづらいという方のために、白砂青松を使った例文をご紹介します。
【例文】
・今は工業地帯となってしまったこの辺りも、昔は白砂青松の美しい浜辺が広がっていたのです。
・この観光地の良さは、白砂青松の美しさを楽しめると同時に、連なる山々の雄大さを感じられる所です。
・この列車は白砂青松の景色を存分に味わえるため、地元の人からも愛されています。
「白砂青松」の由来は『土佐日記』
大阪にある「二色浜」という地名は、砂浜の白と松林の青が綺麗である様子に由来しています。二色浜海岸の美しさは、紀貫之が記した『土佐日記』の中で紹介されました。
白砂青松の風景が登場するのが「松の色は青く、磯の波は雪のごとくに白く、貝の色は蘇芳にて…」の一節です。白砂青松のコントラストが美しい二色浜海水浴場は、現在まで長く愛されています。
「白砂青松」のように日本の美しさを表す4つの言葉
美しい海岸を意味する白砂青松のように、日本には自然の美しさを表現する時に使える言葉が多く存在します。今回は、次の4つの表現をご紹介します。
・花鳥風月(かちょうふうげつ)
・風光明媚(ふうこうめいび)
・山容水態(さんようすいたい)
・山紫水明(さんしすいめい)
それぞれの言葉が表す情景をイメージしながら、日本の美しさを表す表現を確認していきましょう。
1.「花鳥風月」
花鳥風月とは、自然の美しい風物を意味する言葉です。また、自然の美しさを鑑賞して、風雅な趣を楽しむという意味でも使われます。
景色を象徴する「花」と「月」と、景色の中に存在する「花」と「鳥」を組み合わせた表現です。自然の景色やそこに存在するものの美しさ、それらを利用した風情ある創作活動の良さが強調されています。
2.「風光明媚」
風光明媚は、自然の景色が澄んでいて、あでやかで美しいことを意味します。いくら美しい景色であっても、建物や街並みなどの人工物を指しては使えない点には注意しましょう。
爽やかな風が吹き明るい光が差し込むシーンで、自然の美しさ全般を表現するのに使えるのが風光明媚です。山や海など特定のキーワードがないため、白砂青松な海岸も風光明媚を使って表現できます。
3.「山容水態」
山容水態とは、山の形と水の様子、山水の美しさを表現した言葉です。人工的に引いた川などではなく、自然に山中に存在する水の様子を指して使われます。
「ここから見える山容水態は、毎日見ていても飽きが来ない」のように、名詞として用いることができます。山容水態に惹かれて、山を訪れる人々も多いでしょう。
4.「山紫水明」
美しい自然を意味する言葉として、山紫水明が挙げられます。山紫水明も風光明媚と同じで自然の風景の美しさを表すため、人工的な美しさを指して使うことはできません。
山紫水明には清らかで美しい自然の風景と、そうした自然の美しさを感じられる心という意味が含まれています。日本に多くある、山紫水明な場所を実際に訪ねてみるのもいいですね。
各地の「白砂青松」を守る取り組み
日本三景に数えられる天橋立も、白砂青松が楽しめる場所として有名です。天橋立は真っ白で綺麗な砂浜と、約5千本のクロ松の並木でできています。
天橋立の美しい景観を守るために行われているのが、害虫対策やゴミの処理、エリア内での活動の管理などです。その他の地域でも白砂青松を守るプロジェクトが実施され、自然の美しさを保護する取り組みが進んでいます。
日本の美しい「白砂青松」を大切にしよう!
白砂青松は、美しい白い砂浜と青々とした松林を意味する言葉です。昔から日本に馴染みが深く、観光地マップやガイド本にも登場しています。
白砂青松と同じように、日本には自然の美しさを表す言葉が多く存在します。それぞれの言葉の意味を知り、自然の美しさに風情を感じられるといいですね。
美しい白砂青松の情景を保護する取り組みも、各地で行われています。白い砂と青い松のコントラストを目にしたときは、白砂青松を思い出して使ってみましょう!