子作りが終わってもまだ口うるさい義母
美香子さん(仮名)は43歳で、10歳の娘を育てながら忙しくしているワーキングマザー。夫は10歳年上の53歳で、義母はもう80歳を超えています。結婚当初から口うるさい義母に悩まされてきましたが、義実家とは車で30分の距離に住んでいることから、今でも何かと口を出す義母の存在に憂いています。
「義母はデリカシーに欠ける人で、嫁になら何を言ってもいいという考え方の人。年齢が年齢なので、ジェネレーションギャップかなと諦めてきた部分もあります。
第二子には恵まれなかったことから、もう子作りは卒業した私たち夫婦ですが、義母は私が40代になった今も、前ほどではないけれど、口出しをしてきて…。『最近では40代でもみんな子どもを作っているから、早く二人目を産みなさいよ』とうるさいんです」
子作り目的ではなく下品なだけ?
そんな義母に対し、美香子さんは最近になって「義母は子作りしてもらいたいんじゃなく、単に下品なだけなんじゃないか…」という疑念が湧いてきているそう。80代の義母は芸能人のゴシップ話も大好きで、その延長で息子夫婦の夜の生活にも介入したがっているように見えるのだそうです。
「歳をとってきて、さらに遠慮がなくなってきたと言うか、頭に浮かんだことを何でも言っているように見えますね。昔よりも言葉もきつく、表現も露骨。そんな義母の言葉を“流せばいい”という人もいますが、けっこうインパクトがあるので、毎回浴びている私はそろそろ流すのも限界で。
『ちゃんと息子に、体を触らせてるの?』『あなたの体がたるんできたから、息子がかわいそう』『色気のある下着を買って、こうやって息子を誘いなさいよ』などの下品な会話に身振りまで交えることもあり、聞いているこちらがウンザリすることを連発するんですよね」
夫は義母の言いなり。子作り以外にも口うるさい義実家
「子作り以外にも義母はあれこれと口うるさいのですが、夫は義母の言いなり。言い返しているのは見たことがないし、私が夫に『なんとかしてほしい』と伝えても、非協力的です。
子どもが小さかったうちは離婚すると経済的な不安がありましたが、今ならもう夫と別々に暮らしても、子育てしていけそうな自信もあります。近い将来に義母が同居を望んでいるのもあって離婚を考え始めていますが、義母が理由で離婚というのも悔しくて。夫がもうちょっと嫁姑問題を真剣に扱ってくれればいいのですが、おそらくうちの夫は無理。
この先、義母と同居をしなくてはいけないくらいなら、ぼちぼち離婚するしかないのかな…って悩んでいます」
離婚を考える理由が夫婦の問題ではなく、義実家など親族の関係である場合には「夫にはさほどの問題があるわけじゃないし」など、現状に我慢を重ねる女性も多いでしょう。しかし実際に離婚に至った人たちの理由を見ていくと「親族との不仲」は意外に多く、「“2020年の離婚”に関する調査(エン婚活エージェント)」では第7位になっています。
結婚は当人同士だけでなくお互いの実家も深く関わってくるため、親族に問題があると結婚生活そのものにも大きな影響を与えます。義実家との問題では、夫がどのくらい妻の味方になり実家との間を取り持つ努力をするのかによっても、環境は左右されるでしょう。義母の言いなりになっている夫に対して妻が落胆しているケースの果てが「親族との不仲による離婚」に至っていると考えられます。
離婚への引き金が引かれる前に、夫が今よりも事態を重く受け止め、妻の意見に耳を傾け、アクションを起こしてくれれば、まだ改善の余地が見込めるかもしれません。
取材・文/並木まき