女には、色の数だけ物語がある。目にしたり、身にまとったり、食したり。
どんな色を愛するかは、そのまま、どんな女なのかを語ることであり、
同じ色を見ていても、まるで違う夢を見ることだってある。
元ファッションエディターとして活躍。現在はスピリチュアルビューティコンサルタントとして、見える部分も見えない部分も「キレイ」を提案していると話題のふたりのマイ。同じ名前、同じ身長、同じ会社、同じ小学校…運命的ともいえる出会いながら、色の好みはまったく異なるらしい。
ベーシックカラーをこよなく愛するマイ・田中麻以と
あざやかな色に囲まれて生きていたいマイ・秦野真衣。
アラフォーの対照的なふたりが往復書簡で紡ぐ、それぞれの色と人生。
おしゃれで、スピリチュアルで、ちょっと“変わってる”、ふたつでひとつの“my”カラーストーリー。
今回はまず、ひとりめのマイから、もうひとりのマイへ。今月のカラーについて語り始めます。
今月のカラー:”White”
人生を通して大切にしたい“マイベーシック”はどれも「白」
From Mai Tanaka
「白」って、特別な存在。
白を色として認識するのは日本人だけだと言われていて。欧米では、色といえば青や赤で白を色とはみなさないそう。
神社の清らかさ、お米や濁り酒、和紙、白無垢…。ファッションでも、シャツやTシャツ、デニム…。日本人はホワイト基調のコーディネートが大好き。これほど「白」に特別な思いを抱く民族は、他にないかもしれない。
スピリチュアル的にいうと、とても「神聖」な色。
純粋さ、清らかさ、原初のエネルギー。静かで、穏やかな日本人そのもの。要するに、日本人のソウルカラーって感じかな。
わたしにとっても、大切な存在。
食器もリネンも真っ白にこだわったり、寒い冬に、あえてオールホワイトのコーディネートをするのも大好き。白シャツなど定番ものは、毎シーズン買い足しています。
Photo by Takuto Tagashira
クリーンな純白、優しい生成り、シルバーがかったプラチナホワイト…同じようで全然違う、多彩なトーンの奥深さにも惹かれるし、自分の好みが年齢とともに変わっていくのも面白い。
最近は、クリーンな白をモノトーンで着るのが定番に。光と影、陰と陽、女と男——私の中にも存在する“二極”を表現するように、あえてモノトーンで着る。いろいろと試したあげくにたどり着いた、私の中の定番。
結婚、妊娠、出産…人生のステージが変わって、時が移ろい年齢を重ねても変わらない「マイベーシックカラー」である白。その中でも、変わらず世代を超えて受け継げるアイテムを、大切にしたい。
祖母から譲られたパール、母から誕生日毎に少しずつ手渡される白い食器。大切に手入れされた白いシャツ。できれば私から娘へと、繋げていきたい。それは人生をシンプルに、丁寧に、優しく生きることを伝えることーそして、愛を受け継ぐことだと思うから。
おばあちゃんになって、この世を去るとき、きっと私はたくさんの「白」に包まれるにちがいない。もしも“しあわせ”に色があるとしたら・・・私にとってはこれなんだと思うの。昔も今もこれからも。
そういえば、自分の“オーラ”を以前撮影したら「白」だったなあ(オーラ写真を撮影出来る特別な機械がある)。オーラが白い人って、珍しいし、ぶっ飛んでるっていわれたけれど…(笑)しかも、インド占星術で開運カラーを見てもらったら、私の一番の“パワーアップカラー”だって。知らずのうちに白に囲まれた生活をしていたのも本能的に自分が選んでいたのかも?私の人生のテーマカラーでよかったんだ!やっぱり!って、すごく嬉しくなった。
マイちゃんはあまり白い服のイメージがないけれど、天然のパールのような艶やかな白い素肌で…本当に羨ましいな。そしてなんでもピュアに受け止めるその感性も、本当に、どこまでも透明に近いホワイト。少しぶっ飛んでいるところも…笑 私と同じく、白のオーラをまとっているんじゃないかな?と実は思っている。
…マイちゃんにとっての「白」ってどんなもの、ですか?
次回のマイちゃんにとっての「白」を楽しみにしています。
【白の食器たち】誕生日、結婚など人生の節目に母から贈られる食器。もちろん自分でもよく買い足します。特に写真左の“ノリタケ”の白は上品で大好き。オーバル型は何を盛っても様になって重宝。スクエアの食器は日常使い。1枚割れてしまって3枚に(泣)。奥の小鉢はリピ買いしている“ナチュラルキッチン”のもの。プチプラだけど本当に優秀!
【白のパール】大粒のもの、淡水パール、どちらも祖母から受け継いだもの。祖母があえて凛とカッコよくつけこなしていたのが子供心に印象的で…私もそうありたい。コットンパールのピアスは最近ヘビロテ。ネットで見つけたプチプラものだけど、ヒトデとパールを両面使いできるエラいコ。
【白シャツ】数ある白シャツの中で、最近のお気に入りの1枚はこれ。毎シーズンチェックしている「ドゥーズィエムクラス」で購入したビッグシャツ。襟を抜いて、ラフにこなれたムードで着こなしたいと思って。かといってあえてデニムには合わせず、あくまで綺麗めなパンツやタイトスカートに合わせ、着方だけ崩すのが私流。
田中麻以
元ファッションエディター。現在は、同じ編集部の後輩だったもう一人のマイ(秦野真衣)とスピリチュアルビューティコンサルタント”mailove“として活動。編集者時代から自身の特集を組まれるほど、そのベーシックかつ華やかなファッションセンスには定評が。小学生の娘を持つ40代ママでもある。おひつじ座・A型。