「倅」の意味とは?基礎知識を解説
「倅」は、主に「自分の息子」のことなどを指して使う言葉です。意味が似ていて言い換えできる類義語が複数あるものの、ニュアンスが異なる部分があるため、改めてそれぞれチェックしてみましょう。
はじめに、倅の読み方や詳しい意味、類義語との使い分け、例文をそれぞれ確認していきます。
■倅の読み方
倅は身近なものを表す漢字で、知っている人が多い言葉です。しかし常用漢字ではないため、響きは知っていても漢字での書き方はわからない場合や、漢字表記だと読めないという場合もあるでしょう。
倅の読み方は「せがれ」です。せがれは倅の字訓・訓読みのひとつで、ほかにも〈たすけ〉〈にわか〉という読み方も。また、字音・音読みには〈サイ〉〈ソツ〉があります。
■倅(せがれ)は息子のことを意味する言葉
せがれ【倅/悴】
1.自分の息子をへりくだっていう語。「―をよろしく願います」
2.他人の息子をくだけていう語。また、子供や若輩の者をさしていう語。「高校生の―がいるそうだ」
3.陰茎の俗称。
1・2は、古くは女子にも用いた。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
倅は、自分の息子のことを相手に伝える際などに使うほか、他人の息子のことや、俗称として陰茎を指す場合もある言葉です。相手に対して自分の息子のことを表現する場合には、謙遜して伝えるような、ややへりくだったニュアンスがあります。
他人の息子を倅という場合には、くだけていうようなニュアンスに。また、少年や若い男性を指して使う場合もあります。ただし、これらの使い方の場合にはやや軽んじた意味合いを含むため、使い方には注意しましょう。
また自分や他人の子供を指す場合として、古くは女子に対しても使われていました。
■倅の類義語
息子のことを意味する倅の類義語として、以下のような言葉が挙げられます。
・息子〈むす‐こ〉……親からみて、男性の子供。
・子息〈し‐そく〉……他人の子供。男の子。
・ジュニア……息子。
・息男〈そく‐なん〉……息子。子息。
・令息〈れい‐そく〉……他人の子息。相手を敬ってその子供に対して使う。
このうち、ジュニアには「二代目」「年少」「下級生」などの意味も。また、アメリカやイギリスなどでは、父と子が同名のときに姓名の下にJr.〈ジュニア〉などとつけて、子供だと表します。
■倅の類義語との使い分け方
「倅」と表現するとき、自分の息子のことを指す場合にはややへりくだったニュアンスになります。また、他人の息子のことを指す場合には、やや軽んじたような表現です。
「息子」や「子息」などの類義語には、へりくだったり軽んじたりするようなニュアンスは特にありません。なかでも「令息」は、相手を敬って使う言葉です。
■倅や類義語の例文
さらに理解しやすくなるように、倅や類義語の使い方を例文でチェックしておきましょう。
・倅をよろしくお願いします。
・ようやく倅に仕事を任せられるようになった。
・彼の倅はだいぶやんちゃをしていると聞いている。
・最近、息子がスマートフォンを気にしている。どうやら恋人ができたようだ。
・先日はありがとうございました。御子息はお元気ですか?
・彼のジュニアが生まれた。
倅と関連して知りたい言葉・漢字
倅〈せがれ〉は、「悴」「伜」とも書きます。なお、倅は漢字検定1級レベルだといわれています。
ここでは、倅と関連する言葉として挙げられる「こせがれ」について、その意味をチェックしていきましょう。
■「こせがれ」の意味とは?
「こせがれ」は、倅よりもさらに使い方に注意が必要な言葉です。漢字は「小倅」で、「小悴」「小伜」の表記もされます。
倅と同じく、こせがれも自分の息子を表現する際に使えます。ただしこせがれは、倅よりもさらにへりくだったり、軽んじたりするニュアンスのある言い方です。
さらに、若い人を侮った言い方として、「こせがれのくせに……」などと表現します。こせがれを使う際は、軽んじるニュアンスが倅よりもさらに強いことに気をつけましょう。
倅の意味を理解しよう
倅は、自分の息子のことを表現する場合にはややへりくだった意味合いがあり、他人の息子を指す場合にはやや軽んじたようなニュアンスがあります。使う際はその点に注意しましょう。
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