【目次】
持続可能なダイエットには「モチベーションに頼らない仕組み」が不可欠
5日間ダイエットをがんばって結果が出たとしても、元の食生活に戻した途端、捨てたはずの脂肪が秒で戻ってくるのが現実。どんなダイエットでも、やめたら元に戻ってしまいます。20kgのダイエットに成功したにーよんさんでも、「この生活を一生続けなければいけないの?」と思うとモチベーションが下がり、リバウンドしてしたことがあるそう。だからこそ、モチベ0%でも続けられる仕組みが必要なのだとか。
▼にーよん流ダイエットの「下準備編」と「ランチのコツ」を読む
習慣的に続けられる仕組みに頼るほうが楽
「モチベに頼るより、習慣化した方がダイエットが続くからです。モチベって『意欲』とか『やる気』のことで、すべて感情でできていますよね。だから、逆に言うと感情ですぐ吹き飛んでしまうということ。『めんどくさい』とか『楽したい』といった感情は1日に何回もきます。その度に自分のモチベと戦わせなくちゃいけない。葛藤したり、『がんばらなきゃ』『また負けた』『ほんと、できないな』って。そのうちにダイエットしてることすら忘れてしまったり。相当の意思や理由がないと続かないと思うんです。だったら、モチベがなくても習慣的に毎日やっている“ハミガキ”みたいに、“やること”として生活に組み入れ、勝手に続くような仕組みに頼ったほうが続きます」(にーよんさん 以下「」同)
「全自動ダイエット」を叶える5つのポイント
にーよんさんが提唱する「全自動ダイエット」とは、がんばらなくても勝手に続くダイエットのこと。「ただ生きているだけで太らない環境」をつくれば、どんなに忙しくても消耗することなくダイエットを続けられます。
Point1 太らない冷蔵庫を構築する
「太らない冷蔵庫」とは、「ちょっとお腹すいたな」というときに、「野菜か豆腐を食べるしかない」というような冷蔵庫のこと。つまみ食いをしたとしても太る食材を入れておかないということです。
「ダイエットに失敗するのは、たいてい疲れているとき。お腹がすいて『とにかく近くにあるものを食べろ!』という凶暴なコマンドが脳から出たとしても、冷蔵庫にヘルシーな食材しかなければ、その中から選んで食べるしかありませんよね。だから、冷蔵庫をヘルシーで包囲しておけば、強靭な意志で食欲をねじ伏せなくても自動的にヘルシーなものを食べるようになります」
Point2 やせストックをつくっておく
ヘルシーな食材を「すぐに食べられる状態」で保存したものが「やせストック」。野菜を切ってレンチンするだけでできる、お手軽「やせストック」をご紹介します。
「なす」のやせストック
材料
なす 2本、ポン酢しょうゆ 大さじ2
【つくり方】
なすはヘタを切り落とし、1.5㎝幅の輪切りにする。耐熱容器に入れてポン酢しょうゆをかけ、ラップをして600Wの電子レンジで3分程度、なすがしんなりするまで加熱する。お好みでしょうがを加えるのもおすすめ!
「高野豆腐」のやせストック
材料
高野豆腐(カットタイプ) 30g、ブロッコリー 30g、水 150mL、白だし 大さじ1、みりん 大さじ1
【つくり方】
耐熱容器にすべての材料を入れて、よく混ぜる。容器の2/3にラップをかけ、600Wの電子レンジで4分加熱する。
Point3 究極のお昼ごはん「レタス袋弁当」
時間もかからないし、頭も使わない。食の楽しみとは真逆の方向性ですが、「ヘルシーなものを食べなくちゃ」と悩む必要はなし。そんな究極のシンプルランチがこちら!
用意するもの
レタス、保存袋、ツナ缶の3点セットに玄米おにぎりをプラス。「家を出る前にレタスをちぎって保存袋に入れ、ツナは缶ごと持って出かけます」
ランチタイムにシャカシャカ
お昼になったらツナ缶の汁をきり、袋に入れてシャカシャカ振るだけ。「コンビニに行くまでもなく、大量のツナサラダが完成。玄米おにぎりと一緒にいただきましょう。物足りないときは、もう1品ヘルシーなものを追加してもOK」
Point4 朝食または昼食を固定化してみる
毎日、献立を考えるだけでも大変。そんなときは、1食か2食、メニューを固定化するのも手。「たとえば、朝は毎日『脂肪ちぎり丼』。ランチはコンビニで買ったサラダ、豆腐バーのようなたんぱく質、おにぎり1個の3点セット。こんなふうに大まかなルールを決めておくと、ゼロから考えるより楽ですよ」
脂肪ちぎり丼
ごはんの上に納豆やキムチ、海藻などをのせるだけ。その日の気分でトッピングするものを変えればマンネリ化を防げる。
Point5 調味料を減らす
家にあるから使うし食べてしまうもの。だったら太りそうな調味料も思いきって消してしまいましょう!「にーよん宅から消えたのは、砂糖、サラダ油、ドレッシング(ノンオイル以外)の3つ。“おデブ脳”だったころは、こってり料理や濃い味つけが大好きでしたが、ダイエットをはじめてからは、ドレッシングはノンオイル、調理は基本油カット、ついでに砂糖もカット。マヨネーズはカロリーハーフにチェンジしました。すると、徐々に味の好みも変わってきて、ヘルシーな味つけでも満足できるようになります」
砂糖はほかの甘味で代替
砂糖の代わりに、ハチミツやみりん、砂糖のおよそ300倍の甘さがあるといわれるウリ科の植物「羅漢果」などを少量づつ使うのもおすすめ。
ダイエットが辛くなったりリバウンドしたときの対処法
頭ではわかっていても、なかなか思うようにいかないのがダイエット。がんばってやせたのにリバウンドしてしまうこともありますよね。そんなときはどうすればよいのでしょうか。
心と体が満足する食事に変えてみる
「3年以上ダイエットに向きあってきて、本当に何度も『ダイエットしたくないな』という気持ちやリバウンドと戦ってきました。そんな私の見解が以下のとおりです」
【ダイエットとしていて辛いと感じるとき】
・続けられないダイエット法でやっている
・健康的な食事をしていない
「ダイエットが辛いと感じたら、次の食事を心と体の両方が満足する食事にしてみてください。そうすると、辛い気持ちやがまんから抜けられます。たとえば、お刺身定食やステーキサラダ…など! 食べたいものとヘルシーが合致した食事をすると、現実と理想が重なるので辛さがなくなりますよ」
【リバウンドしてしまったとき】
「実生活がキャパオーバーしていたり、脳内がちらかっているときにリバウンドは起こります。小さいリバウンドのときは、日中、5時間何も食べない時間を1回つくると、メンタルも落ち着き、体型も戻りやすくなります。
大きいリバウンドの場合は、本当にやりたいことが思うようにできてない可能性があります。子育てに時間を使いたいとか、丁寧な暮らしをしたいとか、認められたいとか。まずはそういった“自分にとっての幸せ”を優先して解決してください。すると、自然に体の管理の大切さに気づき、リバウンドした自分を責めることなくダイエット生活に戻ることができます」
新書『ダイエット母さん、最強5日間ダイエットでもっと脂肪をちぎり捨ててみた。』の見どころは?
にーよんさんのダイエットにまつわるすべてが集約された今回の著書。1冊目のダイエット本との違いや、注目ポイントについて聞きました。
モチベ0%でも続けられるような環境を整える
「1冊目との違いは、ちぎり捨て度はそのままに、レシピが簡単になっていること。そして、家族にもごはんをつくりながらおいしくできるベーシックコースと、極力時間を使わない自炊少なめコースの2種類ご用意しました。1冊目は、家族がいてもダイエットを成功させるテクニックや、5日間プログラム後の続け方について書いていましたが、今回のメインテーマはダイエットの“自動化”です。
ただでさえ忙しい中、ダイエットというタスクを増やすのは大変。それでも強い意思をもってダイエットを成功させるなんて超人しか成し得ない技。だからこそ、モチベ0%でもできるように環境を整えて『全自動ダイエットをしようぞ!』という本になっています」
自分の体験を元に考案されたレシピや運動、マインドの整え方などは、どれも説得力があって「私でもできそう」と思えるものばかり! ひたすらがまんするダイエットではなく、体によいものを食べるダイエットなので、消耗せずに継続できそうです。ダイエットに苦戦している方は、ぜひ手に取ってみてください。
ダイエット母さん、最強5日間プログラムでもっと脂肪をちぎり捨ててみた。レシピ倍増編
累計5万部の売り上げを記録した第1弾から約1年、満を持して第2弾が発売に。第1弾で好評だった「5日間痩せプログラム」のレシピを、さらに簡単につくれるメニューに改良。自炊が苦手な方やひとり暮らしの方向けに、同じ5日間でできる「自炊少なめ時短コース」もご用意。また、この1年でにーよんさんがさらにラクに痩せる方法を多数考案。オートモードでやせスイッチが入る「やせストック」「やせる調味料の話」など盛りだくさん! ¥1,540(KADOKAWA)
ダイエット母さん
にーよん
4男1女、5児のダイエット母さん。27歳から妊娠、出産を繰り返し20kg増。銀行のATMで、画面にものを置かないでください。とエラーが出たため、見てみると自分の脂肪だった、という衝撃からダイエットを決意。約100日で、見事脂肪をちぎり捨てた。その後リバウンドも経験し、試行錯誤の結果をInstagramで公開したところ大反響。フォロワー全員でダイエットする「によ部」企画では毎回ダイエット成功者が続出している。著書に『ダイエット母さん、20kgの脂肪をちぎり捨ててみた。マネするだけ5日間痩せプログラム』(KADOKAWA)、『35歳からの人生最後のダイエット』(ベネッセコーポレーション)がある。
Instagramアカウントは@sango_diet24
取材・文/木戸恵子