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2024.01.17

「いけず」とはどういう意味? 使い方や類語、英語表現を解説

関西地方で使われている「いけず」とは、「意地が悪いこと。また、そういう人のこと」。相手からからかわれたり、ちょっかいを出された時に使われます。本記事では、「いけず」の意味や使い方、類語、英語表現を解説します。

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ドラマや映画などで時々聞かれる、「いけず」という言葉。女性が男の人を軽く叩きながら、「ほんま、いけずな人やわぁ」と言っているのは、ほんのり大人の色香が漂う場面でもありますね。関西地方で使われる言葉、というイメージがありますが、具体的にどのような意味を持つのでしょうか?

そこで本記事では、「いけず」の意味や使い方、類語、英語表現を解説します。

いけずとは?

「いけず」という言葉は、辞書にどのように載っているのでしょうか? 一緒にチェックしていきましょう。

[名・形動]
1 (関西地方で)意地が悪いこと。また、そういう人や、そのさま。
「―なことばかり言う」
2 《近世上方語》悪人。ならず者。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「いけず」とは、「意地が悪いこと」。意地悪なことをされた時に、「〇〇さんって、いけずやわぁ〜」というように言いますね。また、意地悪な人そのものを「いけず」と呼ぶことも。

また、主に歌舞伎や文学で用いられる言葉ではあるようですが、「憎たらしい言葉」のことを「いけずぐち」、「たちの悪い人」のことを「いけずもの」と言うこともあるようです。

着物の女性

(c) Adobe Stock

使い方を例文でチェック

「いけず」は、意地悪なことをされた時に使われる言葉です。しかし、本当に嫌がっている場合もあれば、そうでないパターンも? 「いけず」が持つ複雑なニュアンスを深掘りしていきましょう。

1:そんなことばっかり言いはって、ほんまいけずやわぁ。

親しい人にからかわれた時に、「〇〇さんって、ほんまいけずやわぁ〜」と言ったりしますね。恋人や友達からちょっかいを出されたり、悪ふざけをされている状況で、このように言うことが多いです。本当に迷惑しているというよりは、ちょっぴり困っているという時に使う傾向があるようです。

特に好きな人から、からかわれている時は、迷惑しているふうに見せて内心嬉しいと思っていることもあるでしょう。標準語だと、「そんなことばかり言って、本当に意地悪だわ」という意味になりますね。関西弁だと、ほんのり色っぽさが漂います。

恋人同士

(c) Adobe Stock

2:〇〇さんはいけずな人やね。

「いけずな人やね」と言うことで、迷惑していることを遠回しに伝えようとしていることもあるようです。方言を使うことで、標準語で「嫌です、やめてください」と言うよりも、角が立たず嫌がっていることを伝えることができますね。

3:上司に告げ口するなんて、Aさんは本当にいけずよね。

「いけず」は、他人の意地悪な態度を非難する時にも使われます。先述したように、好きな人にちょっかいを出されて、まんざらでもない時に使われますが、本気で嫌がっている時にも使われる表現なのです。相手がどちらの意味で使っているのか注意したいですね。

類語や言い換え表現

「いけず」のように、性格や態度が悪いということを伝えたい場合、「底意地が悪い」「ひねくれる」「いやみ」などが言い換え表現として挙げられます。1つずつ意味をチェックしていきましょう。

1:底意地が悪い

「底意地(そこいじ)が悪い」の意味は、以下の通りです。

表面的には見えないが、心の奥底に意地の悪いところがある。
「―・いやり方」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「底意地が悪い」は、心の奥深くに意地悪な部分があること。見るからに悪いことをしているのではなく、隠れたところでズルをしていたり、嘘をついている場合に用いられる傾向があるようです。

(例文)
・人の見ていないところで悪口を言うなんて、彼は底意地の悪い男だ。
・そういう底意地の悪いやり方は好きではない。

2:ひねくれる

性質や考え方がゆがんでいて、素直ではないさまを「ひねくれる」と言います。ひねくれていると、好きな人に対して素直になれなかったり、気を引くためにわざと悪口を言うことも。本心と裏腹なことを言って、相手を困らせることも日常茶飯事です。

(例文)
・兄は照れ屋なので、ひねくれたものの言い方しかできないようだ。
・彼は性格がひねくれているので、なかなか好きな人に告白ができない。

悪意のある男性

(c) Adobe Stock

3:いやみ

「いやみ」の意味は、以下の通りです。

[名・形動]
1 人に不快な思いを与える言動。あてつけや皮肉。また、それによって不快感を与えるさま。
「―を言う」「―たっぷりな口ぶり」
2ことさらに気どっていて、いやらしいさま。
「二枚目ぶって―な男」「凝りすぎて―な装飾」[補説]「嫌味」「厭味」と当てても書く。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

人が嫌がることを言ったり、嫌な態度をとることを「いやみ」と言います。また、大声で自慢話をしたり、上から目線で話してくる人を見て、「あの人は、なんていやみな男なんだろう」と言ったりしますね。

「いけず」は、内心うれしい場合にも使われることがありますが、「いやみ」は不快に思っている時にしか使わないところが違いと言えるでしょう。

(例文)
・「Aさんは海外旅行ばかり行っていいわねぇ」といやみたっぷりに言われた。
・たまには、いやみの1つでも言ってやりなさいよ。

英語表現

「いけず」とはわかりやすく言えば、「意地悪なこと」。英語で「意地悪なこと」を表す言葉は「unkind」「nasty」「unpleasant」があり、不愉快な度合いにより使い分けられています。ここでは、意地悪の程度が低い単語から順に説明していきますね。

1:unkind

「unkind」とは、「不親切な」「思いやりのない」などの意味があります。不親切な人や、言葉や態度に思いやりがない場合に使われることがポイントです。「(態度が)つれない」と言う意味も含まれているため、「いけず」と同じようなニュアンスで使うことができるでしょう。次に紹介する「nasty」よりソフトな表現です。

(例文)
・It would be unkind to go without him.(彼を連れて行かないというのは薄情だろう)
・He is unkind to her.(彼は彼女に対してつれない態度をとる)

2:nasty

「nasty」は、発言が意地の悪い場合に用いることがポイントです。相手が悪口や嫌味を言っている場合は、こちらの単語を選ぶといいでしょう。特に話し言葉で用いられます。

(例文)
・She’s always making nasty remarks about people.(彼女はいつも人の悪口ばかり言っている)
・He has a nasty temper.(彼には意地悪なところがある)

3:unpleasant

「unpleasant」は、「不親切な」「無礼な」という意味。態度が無礼であることや発言が侮辱的な場合に使われます。「unkind」や「nasty」よりも、程度がひどいことが特徴です。

(例文)
・He was very unpleasant to me.(彼は私にとても感じが悪かった)
・She said some very unpleasant things about you.(彼女は君のことを、すごく悪く言っていたよ)

最後に

「いけず」とは、関西地方の方言で「意地の悪いこと」を表します。角が立たずに嫌がっていることを伝えられるメリットがある一方で、相手が本当に嫌がっているのか真意が掴みづらいという難点も。

相手の女性が内心嬉しがっていると勘違いして、からかっていたら本当に嫌がられていた… なんて可能性もありえます。「いけず」が持つ両方の意味をしっかり頭に入れておきたいですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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