真夏に着るモノが春夏物でない時代
こんにちは。ブランディングコーチの大島文子です。北陸、東北地方を除いて梅雨明け宣言も出た昨今(7/23現在)、今年も本当に暑い夏がやってきました。
ファッション業界で働いて30年余、今までの常識が通用しないと痛感しています。
常識とは「春夏」「秋冬」と大雑把に分けられたファッションの四季のこと。プレ スプリングや盛夏物など、今までも季節を細分化した商品はありました。でも春物は2〜3月、秋物は8月以降に季節がスタートし、大きなセールは年に2回。今が春夏セールの真っ最中なことに違和感を覚えます。
そんな常識は、30度を超えた真夏日を暑いと感じていた時代の話ではないでしょうか。関東以西は毎日、35度以上の猛暑日が続いています。
7月の始め、百貨店の婦人服売り場で私が探していたのはセールの春夏物ではなく、猛暑日でも羽織れるジャケットや一枚でサマに見えるトップスでした。セールでなくていいからと、猛暑対策のアイテムを探し回りました。春夏物ではなく、夏を少しでも涼やかに過ごせる真夏物を探していたのです。
購入したのは「シースルージャケット」「ウォッシャブルシルクのトップス」「麻のジレ」や「ロゴTシャツ」など。シンプルなスタイリングでも普段着にはならないと思えたアイテムたちです。
秋冬は良いのです。コートや巻物を足していけば良いのですから。
真夏コーデはアイテムを引くだけ引いても限界があり、ドマーニ世代以上に肌見せは通用しません。となると、涼し気な素材やデザイン+だらしなくならないキレイ目アイテムが必須。
これからのファッションの四季は3月からの春物、5月からの夏物、梅雨明けからの真夏物、10月からの秋物、12月からの冬物といった、5つの季節を念頭に置くべきだと考えています。
酷暑対策は「夏の衣替え」
そんな真夏対策でお勧めしたいのが「真夏の衣替え」です。梅雨明けから約2カ月続く猛暑日対策として、クローゼットの中身を今一度整理してみませんか。
たぶん4月前後に春夏の衣料品に衣替えしている方が多いと思いますが、4月と今では20℃近く気温が違います。もしかしたらの「冷える日対策」に、たくさんの長袖シャツやジャケットはいりません。私は夏になるとほぼ素足なので、ソックスが必要なシューズもいりません。
これから2カ月間着ないと思える衣料品やシューズをクローゼットや棚の一番奥にしまって、本当に着そうなものだけを手前に揃え直すことで、クローゼットのラックはすっきり真夏仕様に変わります。
私の真夏物トップスのラックです。ジャケットはシースルージャケットだけ、カーディガンは極薄ニットと半袖コットン、Gジャン、後は薄手ブラウスとカットソーだけが残りました。
キレイ目のお出かけもカジュアルな日もトップスはこの着回しで過ごします。告白すると、整理した春物はこの倍の量ありまして…真夏物だけになったクローゼットはすっきり、今日着るものに悩まなくなりました。
真夏のシンプルコーディネート
この夏の私の基本スタイルはこんな感じです。右側はロゴTシャツやプリントTシャツにふんわり軽いマーメイドマキシスカート。真ん中はトップスをウォッシャブルシルクTシャツ+麻ベストに変えています。左側は前述したシースルージャケットにウォッシャブルシルクTシャツ、デニムのコーデです。
これらの足元をビーチサンダルにするか、フラットにするかキレイ目バックベルトにするかで印象は変わります。
この夏はキャップとサングラスも買い足して、グッズで楽しみたいと思っています。
忙しい毎日、クローゼットの整理はなかなかハードルが高い案件でした。思い切って「真夏の衣替え」をしてみたら、今の季節に必要な服やグッズの棚卸ができました。
皆さんもぜひ、猛暑対策の「真夏の衣替え」にトライしてみてください。
ブランディング コーチ
大島文子
ファッションや百貨店、化粧品、ライフスタイル雑貨などのブランディング支援、PRや販促を中心に活動している。8年前に(株)ブルーム&グローという会社を起業。Oggi.jpにて連載していた「ブランディング仕事術」はこちら