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EDUCATION 子供の習い事

2019.03.26

実験の楽しさからものの見方、考え方を学ぶ麻布科学実験教室【頭が良くなる子どもの習い事】

 

科学教室の草分け的存在の麻布科学実験教室を訪問。子どもたちの理科離れが心配されている昨今、室長さんの教育論も伺えた、充実の取材となりました。未来の科学者、研究者になるのは、あなたのお子さんかもしれません・・・!!

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構成・文/渡邊和泉
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体験したことから、何を見つけ考えるか、それが大切

白衣を身に付け、顕微鏡を覗く子どもたち。隣の教室では、乾電池に豆電球をたくさんつなぎ、「あ、光ってる!」「たくさんつけると暗くなるね」と話しながら、楽しそうに作業をする子どもたち。今回伺ったのは、今年で42年目を迎える、麻布科学実験教室。子ども達に科学の面白さを伝えたいと、教育評論家の阿部進先生が立ち上げた教室で、科学教室の草分け的存在です。
「最初は、山梨県で野生学園という学習施設を設けて、自然体験教室を行っていました。それを都内でも日常的に教室として学ぶ場所を作ろうということで設立したのがこの教室です」と話してくれたのは、現在の室長阿部昌浩先生。

                    

▲クラスは年少〜6年生まで。小学生は毎週1回60分の授業が年間36回行われます。写真は低学年のシャボン玉実験より。子どもは実験が大好き!

小学生のカリキュラムを見せていただくと、低学年ではシャボン玉を作ろう、ロウソクの不思議、風船自転車、石けん・べっこう飴を作ろう、食塩水と真水の重さ比べなど、大人でも何だかわくわくするような内容が。そして、高学年では二酸化炭素の作成、水溶液、化学反応熱や中和反応、電磁気、交流電気などより科学者の研究に近いような高度な内容にまで発展していく(正直、文系の私には既に付いていけない専門的な内容まで!)、充実したプログラム。

でも、ここで私には一つの疑問が……。
公立小学校の理科の授業は一般的に3年生からですよね?
幼稚園児や低学年でも実験はできるんでしょうか……?

「幼児期、低学年の子どもの方が、自然観察や理科実験に適していると思いますよ。低学年時代の方が、体験で得られる感動や驚きが素直に出るんです。だんだん大きくなるに従って、知識や体験が増え、インターネットや書物でまず知っているというところから始まってしまう。知ることは悪いことではないけれど、それは体験している訳ではないですよね。実際に自分で体験してみて、そこから考え、結論を導く、それが大切で、幼児期から1、2年生くらいのほうがかえって吸収が早いくらいです」と阿部先生。

          
▲実験機材を一人一台使って取り組むことで、体験がより身近に。

ひとクラス6名までで、全員が自分の実験機材を使って、実験に取り組めるのも麻布科学実験教室の魅力の一つ。小学校のクラスでは生徒数も30人前後。理科の授業でも座学もあり、全員が十分に機材を使って、実験する時間はそう多くはないと考えると、とても恵まれた環境です。
「最近の小学校では、安全重視で火を使うなどの危険が伴う実験は減少傾向なんです。アルコールランプやマッチなどを使わなくなっているし、教科書にも出てこない。ここでは、マッチのすり方から始まり、アルコールランプはもちろん、高学年ではガスバーナーを使ったりします。ちゃんと器具を使えるようになってから、実験に取り組みます」

                     
火を使うなどちょっぴりドキドキするような実験も、子供たちが惹かれる要素の一つだけれど、そもそもそんな実験の機会が減っていることも、昨今の理科離れが進んでいることの理由なのかもしれませんね…。 

実際、今の子ども達は、家庭もオール電化でガスコンロがない家庭も増え、火を見る機会が少ないという。そうして火=熱い、やけどするという体験がないまま、大きくなってしまう子もいるのだそう。
「火は便利なだけではなく、怖さも知らないと、より危険ですよね。自分がやったこと、学んだこと、体験したことから、どんなことを発見して、考えていくか、それがいちばん大事だと思います。ここで学んだ子どもたちがみんな科学者になる訳じゃありません。でもどんな世界に行っても、ものの見方、どういう側面で考えるか、多面的に見られるか、そういった能力が科学の実験を通して、身につくと思います」

授業では、実験が終わるときに毎回必ずレポートを書くという。
「自分が授業でやったことを自由にまとめて書けばいいのですが、毎回書くのは結構難しいんです。実際に自分がやったこと、結果がどうだったのか、それをまとめることで、基本的なレポートの書き方を学べますし、他の人への伝え方を学習することにもつながります」
確かに、毎週書くということは国語の力にもなるし、何が分かっていてわかっていないのか整理することにもつながりそう。実際、教室で身につけた、ものの見方や考え方、多面的に物事を捉える能力などが受験勉強に役立ったという保護者からの声も少なくないそう。

さらに、こちらの教室では、課外授業として、週末に干潟を散策するイベントが開催されたり、夏休みには海や山で合宿が行われています。海の生物を捕まえたり、貝殻標本を作ったり、昆虫採集をしたりとフィールド体験ができる機会があるのも、都会育ちの子どもを持つ親としてはとても魅力的。

       

「干潟の観察では、カニや貝の種類によって巣穴の形がどう違うか実際に観察したり、海の合宿では、実際に漁を行って、生物の生態を観察したり、貝殻標本を作ったりします」
自然学校に出かけたとき、子どもが何かに気づいたり、発見した際に、そこに知識の豊富な先生が一緒にいてくれて、疑問に答えてくれたり、一緒にさらに掘り下げてくれる…子どもにとっても貴重な体験になるはず!

阿部先生のお話を伺っていて、昔の子どもの方が野山で遊び、実体験に基づいて成長していた、今の子どもの方が実体験が少なくなっている分、このような教室での体験がより必要ではないか、と考えさせられる時間となりました。

麻布科学実験教室
東京都港区芝公園3-6-23 光輪会館2階
03-6402-5726
http://www.azabu-cec.com/azabukagaku/

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