Q:夕方になるとふくらはぎがパンパン。どうしたらいい?
答える人/細川モモ(予防医療/栄養コンサルタント)
A:塩分のとりすぎから改善してみよう
働く女性の悩みの上位にいつもランクインしてくる「むくみ」。背景に腎臓機能の低下などが隠れている場合もありますので、軽く見ることはできませんが、食事面の要因ではナトリウムの過剰摂取があげられます。外食や加工食品は腐敗防止と旨味アップのために、どうしても塩分が濃くなりがち。
現代女性の1日の摂取エネルギーは終戦直後以下で、ほとんどの栄養素がマイナス状態なのですが、塩分だけは例外です。塩分対策に有効なのは、体内の過剰な塩分を体外に排出するカリウムをとることです。働く女性のカリウムの不足率は51%、ふたりにひとりというデータもあります(※1)。
原因は、カリウムを豊富に含む海藻・野菜・果物の摂取不足。メニューでは塩分をチェックしつつ、トマトジュース・豆乳・グレープフルーツジュース・ドライイチヂク・ドライバナナ・アーモンドなどでカリウムを摂取することがおすすめです。ただし、過剰な塩分を尿で排出するため、こまめにお手洗いに行くことも大切です。
※1「「Will Conscious Marunouchi「まるのうち保健室」調査」Copyright© 2015 三菱地所株式会社・一般社団法人ラフデリAll Rights Reserved. 」
さらに、足がむくみやすい人に多いのが下半身の筋肉量の不足です。20~30代であっても約3割が、下半身の運動機能が低下する「ロコモティブ・シンドローム」に該当しており、特にデスクワークの女性において顕著です。人は起床してから夜にかけて重力の影響で水分が下に下がっていき、余分な水分は足にたまります。
このとき、重力に逆らって血液や水分を上へと押し上げるのがふくらはぎの“筋ポンプ”であり、このことからふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれます。30歳を過ぎると下半身の筋肉量は減少していくので、できるだけそれを予防する習慣が大切です。
筋ポンプを活用して足に水分がたまるのを防ぐには、ふくらはぎを効果的に動かすよう、あえて階段を使うことがおすすめ。電車に乗るときは進行方向を向いて足を肩幅ほど広げ、つり革を持たずに揺れに耐えるなど、日常で脚の筋肉を使うことを意識しましょう。
予防医療/栄養コンサルタント
細川モモ(ほそかわ もも)
社団法人ラブテリ トーキョー&ニューヨーク代表理事、元ミス・ユニバース・ジャパン オフィシャルトレーナー。親のガン闘病をきっかけに予防医学に関心をもち、米国にて栄養疫学に出会う。米国認定資格を取得後、2009年に日米の専門家を集めて母子健康増進PJ「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足し、共同研究を複数手がける。2014年に三菱地所(株)とともに働く女性のための「まるのうち保健室」をオープンし、「働き女子1,000名白書」を発表。連載/日経WOMAN Online・日経DUAL他。著書「成功する子は食べ物が9割」(主婦の友社)が7万部突破中。Instagramで食生活(献立)を公開中! AGEsが測れる初の妊活講座も開催。
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