見た目でいうと、経膣分娩と帝王切開の差は、下腹部よりもウエストラインに出ます。よく産後は骨盤が開いているといわれていますが、そもそもそれがどういう状態なのかというと、正常な骨盤よりも骨盤の下側が広がり、全体的に四角っぽい形になっている状態。骨盤が開いているとウエストのくびれがなく寸胴で、お尻は四角く垂れ下がり、ガニ股になります。出産したほとんどの女性に骨盤の歪みが生じているという研究結果もあるので、どういった出産であってもすべての産後ママに骨盤のケアは必須です。骨盤は体の土台。産後は忙しさから自分のケアを怠りがちですが、きちんとケアし、体をリセットしましょう」(碓田さん)
お腹のたるみを改善するにはどうすれば…?
「妊娠によるお腹の膨らみは、風船のようなイメージ。一度パンパンに膨らんだ風船は、しぼむとハリがなくなります。妊娠によってある程度皮膚が伸びてしまうのは仕方がありませんが、お腹のたるみは皮膚の肌サイクルが正常に働けばある程度元に戻っていきます。この肌サイクルをコントロールしているのが、自律神経。自律神経は背骨の中を通っていて、実は、たるみと姿勢はまったく無関係にみえて関連性があるんです。姿勢を整えることで体の負担が減り、肌の代謝もよくなります。実際、当院にいらしていた患者さんの中に、背骨の調整と姿勢の改善によって、二重あごが目立たなくなった、という方がいました。つまり、姿勢の改善によってたるみは軽減できるんです。ただし、背骨を自分で正すのは難しいので、やはりそこはプロの力を借りるべき。姿勢改善も自己流ではなかなか良くならないので、こちらも専門家のアドバイスを受けた方が早く改善できます。背骨の良い状態をキープするには姿勢習慣が欠かせないので、授乳姿勢や座り姿勢など、毎日の姿勢に気をつけ、腹筋を鍛えるなどのエクササイズはご自身も意識してやっていきましょう!」(碓田さん)
ぽっこりお腹よ、さらば!お腹を引き締める簡単エクササイズ
ぽっこりお腹をへこませるには、やはり腹筋を鍛えるのが手っ取り早く効果的。ジムに通ったりきついトレーニングをしたり…というのはなかなかハードルが高いですが、自宅でテレビを観ながらはもちろん、デスクワーク中にもできてしまうエクササイズなら、ワーママにもできそう! ということで、とっても簡単&ラクなお腹に効くエクササイズ、今日からスタートしましょう!
⑴椅子に座り、お腹に手を当てる。
▲手を当てるのは意識するためなので、手を当てなくでもOK。
⑵鼻からゆっくり息を吸い、息を「ふ〜っ」と吐きながらお腹をへこませていき、これ以上吐けないところまで吐ききって、お腹をへこませる。そこからさらにひと息「ふっ!!」と吐き、お腹をへこませる。
▲最後息を吐ききるときは、お腹と背中がくっつくのではないかというくらい薄く、硬くするイメージで。これを5〜10回行うだけで十分腹筋は鍛えられます。妊娠中や産後すぐでもOK。
出産は体をリセットする絶好のチャンス。体の変化を嘆くのではなく、自分の体と向き合い、しっかりケアをし、さらなる健康&キレイを目指しましょう!
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食事制限も激しい運動もいらない!「姿勢習慣を見直す」「出産後、ゆがんだ骨盤を元に戻す」「妊娠中に衰えた筋肉を元に戻す」の3つを軸に、妊娠初期からでも安全にできる、効果抜群の産後ダイエット方を提案。忙しい子育てママでも簡単に実践でき、「妊娠前よりキレイで健康的な体になれる!」と産後ママたちから大きな反響を得ている。
カイロプラクター 姿勢教育指導士
碓田紗由里(うすださゆり)
虎ノ門カイロプラクティック院副院長。これまで女性を中心に、のべ1万人の施術をしてきた経緯と自身の妊娠・出産の体験から、出産前後の女性がかかえる体型の変化や体調不良を改善するためのオリジナルプログラムを開発、提案。自身もこのプログラムにより元の体型に戻すだけでなく、妊娠前の体重よりマイナス7キロをキープをしている。虎ノ門カイロプラクティック院
撮影/黒石あみ トップ画像/(C)Shutterstock.com 取材・文/村井 絢
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