【目次】
・首すわりとはどんな状態?
・首すわりが完成する時期は?
・練習方法と注意点
・首がすわる前の正しい抱っことは
・首がすわったら抱っこはどう変わる?
・知っておきたいお風呂のポイント
・首がすわる前に注意すること
首すわりとはどんな状態?
赤ちゃんの首がすわると、抱っこや日々のお世話がぐっとしやすくなります。では、首すわりとは具体的にどのような状態なのでしょうか?
首がしっかりと安定すること
大人が支えなくても「赤ちゃんの首が安定した状態」のことを首すわりといいます。首すわり前の赤ちゃんは頭部を自力で支えられず、首がグラグラして不安定です。首がすわると、赤ちゃんは自分で頭を動かせるようになります。興味のある方向へ首を動かすことも可能です。
運動機能は上から下へ、中心部から末端へと発達すると言われています。首すわりは頭に近い部分の運動機能です。しっかり首がすわることは、赤ちゃんの運動機能が発達するための第一歩といえます。
見分けるときの指標
首すわりの時期は赤ちゃんによってさまざまです。そのため、1人ずつ発達の段階を見て判断します。首すわりの基準は、自分で頭を持ち上げられるかどうかです。うつ伏せにしたときに、自分で持ち上げようとするなら、首がすわっていると考えられます。また、縦抱きにしたときに頭を支えていられるかどうかでも判断が可能です。体を傾けても赤ちゃんが自分で首を支えていられるようなら、首すわりしています。
赤ちゃんを仰向けに寝かせた状態から、両手を持って起こしたときの状態でも、首すわりしたかどうかをチェックできます。頭がついてくるようであれば首が安定しています。
いずれの場合も、無理には行わず優しくゆっくり行うようにしましょう。
専門家に判断してもらおう
自宅で簡単にチェックできそうな首すわりですが、意外と判断が難しいケースもあります。そんなときは、医師や保健師などの専門家に確認してもらいましょう。
首の状態は3~4カ月健診でも必ず確認する項目です。もし健診のときに首すわりがまだのようであれば、医師の指示に従って経過観察のための健診をすることがあります。
赤ちゃんの日常の様子を見ていて、首すわりについて疑問や不安がある場合には、かかりつけの医師に相談してみましょう。自己判断せず、専門家に見てもらうことが大切です。
首すわりが完成する時期は?
発達のスピードは赤ちゃんごとにそれぞれ違います。首すわりも同様で、早い赤ちゃんもいれば、遅い赤ちゃんもいるのが普通です。どのくらいの時期に完成することが多いのか、その時期について紹介します。
早い子だと生後2ヵ月頃から
頭から順に運動能力が発達する赤ちゃんは、数カ月で首がしっかりしてきます。
首すわりが早い赤ちゃんの場合、生後2カ月頃から頭を動かします。うつ伏せのまま頭を持ち上げたり、縦抱っこでも安定した姿勢を保てたりするようなら、首がすわり始めているサインです。自分の意思で見たい方向を向くこともできるようになります。

多くの子が5ヵ月頃には完成する
3~4カ月頃に完成することが多い首すわりですが、約90%の赤ちゃんは遅くても生後5カ月の終わり頃までに首すわりが完成しています。特に、発育がゆっくりの場合や、早産だった場合、頭が大きく重いといったケースでは、首すわりまで時間がかかりがちです。赤ちゃんそれぞれで状況が違うため、個々の体格や状態をよく観察します。
目安としては5カ月までに首すわりすることが多いですが、個人差があるため、平均的なタイミングで必ず首すわりするとは限りません。あくまでも目安として考えておくとよいでしょう。
参考:乳幼児身体発育調査:結果の概要 4 一般調査による乳幼児の運動・言語機能について|厚生労働省

遅いと感じたら専門家に相談を
首すわりできるようになる時期は、赤ちゃんによって全く違います。生後1カ月頃からしっかりしてきたというケースもあれば、生後6カ月までかかったというケースもあり、さまざまです。
もしも、首すわりが遅いと感じるなら、医師や保健師など専門家に相談しましょう。生後5カ月を過ぎても首すわりをする様子が見られない場合には、精密検査が必要なこともあるからです。
ただし、平均はあくまでも基準として覚えておき、個人差が大きいということも心に留めましょう。あせり過ぎず、ゆったりした気持ちで赤ちゃんの成長を見守る気持ちも大切です。
その上で専門家に相談できると、気持ちに余裕を持って対応しやすいでしょう。
練習方法と注意点
日常生活の中で少し工夫すると、首すわりのための練習ができます。注意すべきポイントを押さえて、安全に気をつけながら練習させてあげましょう。遊びや授乳をしながら、首の周りの筋肉を鍛えられます。
うつ伏せにしてあげる
赤ちゃんをうつ伏せにして、ひじを肩より下で立ててあげましょう。すると、自分で頭を持ち上げる練習ができます。興味のあるものが目の前にあると積極的に頭をあげやすくなるので、おもちゃを使ったり声掛けをしたりしながら遊び感覚で取り組むのがおすすめです。
最初は1回につき1~2分から始めて、慣れてきたら5~15分を目安にします。1日に4~5回程実施すれば、充分な練習になります。注意したいのは、授乳後すぐにやらないことです。うつ伏せはお腹が圧迫される姿勢なので、授乳後は吐いてしまう可能性があります。
縦抱きにしてみる
抱っこを縦抱きにするのも、首すわりの練習につながります。片手を赤ちゃんの膝下に入れ、反対の手で体を支えるように抱っこするだけです。慣れてきたら、少し前傾姿勢になるようにしてみてましょう。
縦抱きのまま授乳するのもおすすめの方法です。授乳中の赤ちゃんは、ママの顔を見上げようと頭を持ち上げます。そのため、自然と首すわりのための筋力が鍛えられます。授乳しながらであれば、わざわざ練習の時間を取らなくても、毎日の生活習慣の中で自然にできるのもポイントです。
必ず安全な場所で行おう
練習をするときには、安全を確認した上で行うことが大切です。必ず、大人の目がある状況で実施します。特に、うつ伏せは「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の誘因ともいわれているので注意が必要です。
赤ちゃんのコンディションも確認します。きちんと起きているときで、空腹でも満腹でもない機嫌のよいタイミングを選ぶことが大切です。
周りに危険なものがないか、赤ちゃんが誤って落ちてしまうような段差はないか、といった点にも気を付けて、安全な場所を確保します。
無理し過ぎないことにも注意しましょう。たくさん練習したからといって、その分早く首すわりが完成するとは限りません。少しずつできる範囲で練習することが大切です。
首がすわる前の正しい抱っことは
まだ首が安定しない赤ちゃんを抱っこするときには、どこに注意して抱くとよいのでしょうか?安全に抱っこをするためのポイントを解説します。
必ず首と体をしっかり支える
ポイントになるのは、「常に首を支えておく」ことです。安定しない首筋は、手でしっかり支えてグラつかないようにします。また、抱っこの仕方は横抱きが基本です。首すわり前の縦抱きは赤ちゃんの負担になるだけでなく、お母さんも常に首回りを支えていなければなりません。
横抱きは、ひじの内側に赤ちゃんの頭を乗せ、体と首をしっかり支えて抱っこする方法です。このとき、赤ちゃんの体を自分に密着させると、しっかり支えやすくなります。
安定した状態で抱っこできれば、首すわり前でも安全にお世話が可能です。
赤ちゃんに合った抱っこ紐を使う
抱っこ紐を使って抱っこすることもありますが、必ず「赤ちゃんの発達に合ったものを選ぶ」ことが大切です。首すわり前の赤ちゃんであれば、横抱きをすることが多いため、横抱き用のものを使います。
首すわり前でも縦抱きができる抱っこ紐もあります。ただし、長時間の使用は赤ちゃんの負担になる可能性がありますし、ぐずってしまうこともあるでしょう。そのため、使用は短時間に抑え、たまに姿勢を変えてあげるのがポイントです。また、どの抱っこ紐を使う場合でも、必ず説明書通りに使うことが大切です。正しく使うことで、不意の事故を防ぐことができます。
首がすわる前に縦抱きしてもいい?
縦抱きは首すわりが完了してからでなければできないと思っている人もいるかもしれませんが、実際には、首すわり前から可能です。
首と頭をしっかり支え、肩にもたれさせるようにして抱っこすれば、安全に縦抱きできます。この姿勢なら、授乳後のげっぷをさせるのにもラクですし、横抱きで腕が疲れたときにも便利です。ただし、赤ちゃんの負担にならないように、あまり長時間の縦抱きはせず、基本は横抱きで抱っこして、授乳後の数分だけなど、決まったタイミングで縦抱きするのがおすすめです。
首がすわったら抱っこはどう変わる?
しっかり安定して首がグラグラしなくなってからは、抱っこの仕方はどのようにするのがよいのでしょうか?安定する抱っこの仕方を紹介します。
首すわり後の基本の抱き方
基本的には縦抱きで抱っこすることが増えます。横抱きだと機嫌が悪くなる赤ちゃんも増えるため、縦抱きせざるを得ないことがあります。
縦抱きのときには、胸から肩くらいの高さで抱っこすることを意識します。片腕をおしり全体にあて、もう片腕をわきの下にあてて支えるようにする抱っこです。
抱っこの仕方で迷ったら、まずは赤ちゃんの様子を観察しましょう。赤ちゃんが喜んでいるようなら、その抱き方でOKです。表情や機嫌をよく見て決めます。

おんぶもできるようになる
しっかり首すわりができると、おんぶ紐を使ったおんぶも可能です。ただし、最初から長時間おんぶし続けるのはやめましょう。赤ちゃんの負担にならないよう、まずは短時間から始めます。また、おんぶしたときの高さに、赤ちゃんに取られたくないものや危険なものがないか確認することも忘れないでください。思わぬけがや事故の原因になる可能性があります。
おんぶしていると赤ちゃんの様子を直接見られません。そのため、定期的に鏡でチェックすると安心です。危険なものを持っていないか、様子が変ではないかなどを観察します。

スリングを使うときは?
赤ちゃんを抱っこする道具の一つスリングを使うと、さまざまな抱っこができます。発達段階に合わせた抱き方ができるアイテムです。赤ちゃんが喜ぶ抱っこの仕方を見つけましょう。
首すわりの頃からできる代表的な抱っこには、赤ちゃんを開脚させて抱く「寄り添い抱き」、ママと同じ前方を向くように抱く「カンガルー抱き」、腰の辺りで抱く「腰椅子抱き」などがあります。
どの抱き方にも共通しているのは、赤ちゃんのひざをおしりよりも高くした姿勢で、赤ちゃんが丸まった状態で抱っこすることです。ポイントを押さえておくと、家事や買い物する場合などで、抱き分けができて便利です。
知っておきたいお風呂のポイント
お風呂に入るのは、赤ちゃんと一緒だと大変な仕事です。ママが1人で入れるときでも、無理なくスムーズに進めるには、どのようにすればよいのでしょうか?
首すわり前と後のポイントを知ることで、赤ちゃんとの入浴がラクにできるはずです。

首すわり前は脱衣所に寝かせておく
まだ首が安定していない赤ちゃんとお風呂に入るときには、ママが先に体や髪を洗って用意します。その間、「赤ちゃんには脱衣所で待っていてもらう」とスムーズです。バスタオルを敷いて寝かせておいたり、バウンサーに寝かせておいたりするとよいでしょう。服を脱がせて、上にタオルをかけてあげると、お風呂に入れるときの手間が最小限になります。
ママが見える場所だと、赤ちゃんが安心していられるのでベストです。寒い季節には、脱衣所を暖かくする暖房も忘れずに使用します。 寝かせて待っている間に、赤ちゃんがおしっこをしてしまう可能性もあります。バウンサーや床を汚さないために、防水シートを敷いておくのがおすすめです。

首すわり後はバスチェアを使おう
バスチェアの使用は、首がすわってからです。バスチェアを使えるようになると、一緒にお風呂に入れるので、首すわり前ほどの手間がかかりません。同じ浴室にいれば、常に見える場所に赤ちゃんがいるので、ママも急いで体を洗ったり、浴室を開け放して寒い思いをせずにすむので助かりますね。
リクライニング機能があるタイプのバスチェアなら、首すわり直後でも使えます。寝かせておけるので、まだ座れない赤ちゃんでも使えるアイテムです。首すわり後から2歳くらいまで使えるものを選ぶと、長く活用できます。
バスチェアに座っている赤ちゃんを洗うには、まずはそのまま洗える部分を洗います。その後、持ち上げなければ洗えない背中部分を洗って完了です。
首がすわる前に注意すること
グラグラと頭が揺れてしまい不安定な首すわり前は、特に注意すべきことがたくさんあります。安心して育児ができるように、常に細心の注意を払いましょう。

強く揺さぶらない
不安定で揺れやすい首すわり前の赤ちゃんの頭は、強く揺さぶると「乳幼児揺さぶられ症候群」になる可能性があります。頭が揺れることで、血管や神経を傷つけてしまうというものです。赤ちゃんは揺さぶる刺激に弱いので、首をしっかり支えて揺れないようにします。
あやすときや寝かしつけのときにする程度の揺さぶり方であれば、乳幼児揺さぶられ症候群になる恐れはまずありません。ただし、どんなときでも赤ちゃんの様子をチェックしましょう。
赤ちゃんの機嫌がよければ大丈夫ですが、不機嫌そうな様子や具合が悪そうな状態の場合、bを調整して、心地よい揺れ方ができるようにします。

外出する際はベビーカーを使う
首すわり前の赤ちゃんと出かけるときには、ベビーカーを使うのが便利です。赤ちゃんの重さが気にならないので、ラクに移動できます。また、荷物をたくさん積めるのもベビーカーの魅力です。買い物に行くときにベビーカーを利用すれば、ママ1人でも少ない負担で荷物を運べます。
ただし、段差や階段があると思うように動けなくなる点に注意が必要です。近くにエレベーターやスロープがあるかどうかを事前に調べておくとまごつきません。
また、車で出かける際には、チャイルドシートの使用が義務付けられています。これは法律で定められている決まりです。6歳未満の子どもや赤ちゃんは必須なので、車移動では必ず装備するようにしましょう。
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窒息のリスクがない環境をつくる
生後1カ月を経過した頃から、うつ伏せにして遊ばせることも出てきます。首すわりの練習にもぴったりですが、安全に充分気を付けることが必要です。
特に、ふわふわした柔らかいものを遠ざけておきます。大人には快適な柔らかい布団やクッションも、赤ちゃんにとっては窒息の原因になりかねません。ぬいぐるみやポリ袋も窒息の危険があるものなので、赤ちゃんの手の届かないところへ閉まっておきましょう。
うつ伏せで遊ばせていると、赤ちゃんが吐いていても気付かないことがあるので、いつもより注意深く目を離さないようにします。また、そのまま寝かせてしまうと寝返りが打てない赤ちゃんは、窒息の危険や「乳幼児突然死症候群」の危険が高まります。寝そうになったら必ず仰向けにするように気を付けましょう。
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