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LIFESTYLE子育て

2019.09.07

親子のコミュニケーションツールはガンプラ!?【しまおまほのおしえてコドモNOW!】

エッセイストのしまおまほさんが、今を生きるバラエティに富んだ子どもたちに出会い、話を聞き、限られた時間で彼らの本音を引っ張り出す。コドモ連載の第14回が始まります~。

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第14回:さいくん(7歳)

お父さんはアウトドア系カメラマン、お母さんはヨガの先生というさいくん。インタビューを申し込んだところ、お父さんから、「本人は渋ってますが、 とりあえず承諾しました」との返事。少しの不安を感じつつお宅にお邪魔すると、通された二階の居間の襖を開けて隣の部屋に隠れたり、階段を下りてしまったり。さいくん、やはりなかなか落ち着きません。

父:さいくん、座んなよー。

さい:えー(隠れる)。

父:(襖を開けて)ホラ、そうやってるといつまでも始まらないからさあ。

さい:うー(しぶしぶ部屋に入る)。

父:ちゃっちゃと終わらせ……は、始めちゃおうよ。ね。

お父さんに促され、さいくんは座布団に腰を下ろしてお茶を飲みました。お父さんが淹れているお茶はいろんな種類の茶葉が混じったようなもので、ハーブの香りがします。

さい:あ! ねっとふりっくす!

インタビューの様子を録音するため、テーブルの上に置いたiPhoneを見て、さいくんが飛びつきました。アプリのアイコンを見つけ、思わずテンションが上がったようです。

まほ:やっぱりこういうの好きなんだね。

父:Netflix 、Amazonプライム、YouTube世代だよね。

さい:せめてゴブリンソードやらせて~。

まほ:グリーンソウル?

さい:ゴブリン!

まほ:ゴブリンソウルか。

さい:ソード!

まほ:お父さんもアプリのゲームやYouTubeには詳しくなりましたか?

父:いや……それより最近はもっぱらガンプラですね。

まほ:それはさいくんと一緒に?

父:まあ、2人でやってはいるんですけど……。もともとは、さいくんの一番最初のオモチャをどうしようかって悩んで、レゴにしたんです。

まほ:それはいつ頃?

父:2歳くらいの頃ですね。そのうち自分がレゴにハマってしまって……。夜中の間に作って、朝起きたさいくんがその作品を見て驚く……という。

まほ:わたしも家に息子のレゴがありますけど、オリジナルで何かを作るってすごく難しくありません?

父:それがだんだんわかってきて、楽しくなってくるんですよ……。

まほ:本当にお父さんの方が楽しんでる(笑)。

ガンプラは親子のコミュニケーションツール。

父:で、さいくんが大きくなって共通の話題がレゴからガンプラになった……って感じですね。

さい:屋根裏にいっぱいある!

まほ:すでにコレクションがあるんだ。

父:僕が昔買って、作ってないのがあって。「小学生になったらやらせてあげるよ」って言ってる間に小学生になっちゃって。

まほ:さいくん、ガンプラ作れるの?

父:作れないですよ。

さい:つくれる!

まほ:おもちゃ屋さんに行ったら、まっさきに行くのは……。

さい:プラモコーナー!

まほ:そっかー。テンション上がるのね。

父:プラモを前にして、ああだこうだ、買うの買わないの、話してるのが楽しいんですよね。

まほ:欲しくなって駄々こねたりしないの?

さい:ううん。「欲しい!」って思ってることが楽しい。

まほ:お~。7歳にして、その境地。

まほ:じゃあ、さいくんの好きな場所はどこ?

さい:うーん、お台場!

まほ:へー、お台場に何があるの?

さい:ユニコーンガンダム。

まほ:あ、たしかにあるね。

さい:「行くぞ!」ってなると、こーふんする。

まほ:こーふん(笑)。

さい:前にいった時に、とーさんが携帯なくして2時間くらい大幅になった(遅れた)という……。

まほ:それは大変(笑)。見つかった?

さい:意外な場所にあったという!

まほ:どこにあったの?

さい:あのねー、その近くであいどる系のイベントやっててー、そこで見つかった。

父:通りがかりの人にiPhone借りて「iPhoneを探す」を立ち上げて……大変だったよね。

まほ:それで、アイドル系のところに行き着いたのね。

さい:めちゃくちゃ意外な場所だった!

最初は恥ずかしがっていたさいくんですが、だんだん調子が出てきて元気にしゃべってくれるようになりました。さいくんの声、とても張りのある高い声で、東南アジアなどの楽器の音のよう。とても心地が良いのです。

親の仕事についての悩みとは……!?

まほ:(お茶をすする様子を見て)さいくん、こういうハーブティーも飲めるんだね。

さい:うん、ママによく飲まされてる。

まほ:ヨガの先生だっけ?

さい:うん、マッサージもやってる。とーさんもそうだけど、本業はよくわからない。

まほ:親の本業って、ハッキリ知りたい?

さい:うーん、知りたいっていうか……、自分の親の本業がわからないと……心配になる。

まほ:はははは! あー、そっか。心配かー。

さい:とーさんが、実際になにやってるかは気になる。

まほ:有名人がお父さんっていう子を羨ましいなあ、とか思ったりする?

さい:うーん、ちょっとだけ。街に名前が伝わってたりしたら、グッとくるけど……。

「街に伝わる」「グッとくる」。さいくんの繰り出すフレーズにいちいちこちらも「グッと」きてしまいます。

父:さいくん、正夢とかデジャブとかよくあるよね。

まほ:え!?  そうなんですか?

さい:時々「あれ? なんでこんなこと頭に入ってたんだろう?」って思うことがある。

まほ:へー。

さい:最近あったのはー、この間のゴールデンウィークに行ったおもちゃの博物館みたいなところでー。古い家みたいなところの窓から景色をのぞいたら「あれ? これなんか見たことあるな?」ってなってー、それが2年前くらいに見た夢で……。

まほ:2年前の夢を覚えてるの?

さい:そう。

父:それさー、3ヵ月くらい前の夢なんじゃないの?

さい:ちがう! 5歳か6歳くらいで見た夢!

まほ:そんなこと覚えてるの、スゴイね。

さい:景色みて、急におもいだした。

父:この間車に乗っている時は、助手席で寝てると思ったらいきなりガバって起きて。

まほ:ふんふん。

父:「あー今、玉の世界に行ってたよー」って。

まほ:玉(笑)?

さい:たくさんの玉がグルグルしてる世界。

父:「このまま寝てたらヤバかったよー」って言ってて(笑)。

さい:4歳の時に見た夢は、廊下を歩いて、階段を降りる夢で、目が覚めて「夢か……」と思ってまた階段を降りるとまたそれが夢で……っていうのを10回くらい繰り返した。

まほ:『インセプション』じゃん!

さい:でー、また起きて、階段降りたら、それは本当(現実)だった。

まほ:こわ。

さい:それで、その夢は、ほんと1秒くらいの間に見てた夢だった。

まほ:それ、本当に『インセプション』じゃん!

さい:???

友達は、“おちつきたい系”です。

まほ:どんな友達がいるの?

さい:僕の友達はー、ほとんどが“おちつきたい系”。

まほ:“おちつきたい系”。いいね(笑)、気持ちわかるわ。

さい:学校の男の子はー、みんなサッカー部入っててー。

まほ:みんな?

父:半分以上ですね。

まほ:そうなんだー。さいくんは?

さい:空手習ってる。

まほ:そうなんだ! いつから?

さい:4歳から……いや、5歳くらいにはじめてー。

父:去年だよ。6歳から。

さい:おもしろいしー、ちょっと辛いこともある。足がめちゃくちゃ疲れる。

まほ:どんなことやるの?

さい:ステップとかー、基本の立ち幅とかー、組手とかー、型とかー、最後の腕立てとか。

父:さいくんは根がおっとりしてるから、空手とかいいんじゃないかな、と。

まほ:“おちつきたい系”以外の子ってどんな感じなの?

さい:普通ならちょっと嫌だなーって思ってることでも、強い子は「えー!」って大げさでー。

まほ:それもわかるなぁ。引いちゃうよね。

父:空手を習うようになって、昔はへにゃへにゃだったパンチも、今じゃ「オッ」って思うくらいになってて。そうなると、逆に手加減もできるんじゃないかな、と。気持ちにも余裕がでて。

まほ:わたしもそういう理由で、息子に空手はどうかなって思うことはあります。

さい:よく見ると、あいつのパンチ、ぷにょぽにょぽにょ~。

まほ:さいくんが一番怖いものは?

さい:宇宙人(即答)。

まほ:信じてるんだ。

さい:うん、いると思ってる。地球外生物。最近UFO2回くらい見て、それが2回あったからー。

まほ:見たんだ。

さい:空手の帰りに。

まほ:侵略されるかも? って?

さい:うん。かもって。

父:基本的に怖がりですね。ウルトラマンも仮面ライダーも一話も見れてないもんな。

さい:いっこ見れたよ。

まほ:でもさー、妹いるから、守らないと。

さい:うーん、そう。それがさー、そうなるといちばんこまっちゃう……。

まほ:もしかしたら、気づかないだけで、さいくん自身が宇宙人ってこともあるかもしれないよ。

さい:うーん、まあ、ここが宇宙でもあるから、そういう意味では僕も宇宙人……だから、怖いのは地球外生物。

まほ:すごいねえ。宇宙人と地球外生物の区別がついてるんだねえ。

父:スゴイな。

さい:僕の友達でー『スター・ウォーズ』の世界に生きてる子いるよ。

まほ:さいくんは興味ないの?

さい:興味ない。でもー、観たことはあってー、いっこわかんないのがー。

まほ:うん、何?

さい:ルークが、昔はハン・ソロより若かったのに、今の映画観ると、ハン・ソロより歳とってる。

まほ:あーそれはしょうがないね(笑)。苦労したんじゃない?

父:『フォースの覚醒』を2人で観に行って、後日まだ観てない母親とDVDで観ることになったんですけど、さいくん、観る前に「ママ、言っておくと、ハン・ソロが息子に殺される話だよ」って。

さい:とーさんにめちゃくちゃ怒られた。

まほ:そりゃ台無しだ(笑)。

さい:いちおう、息子に殺されるよって。

まほ:いちおう(笑)。

「よし、じゃあインタビューは終わり!」と言うと、さいくんはすぐにお母さんのいる一階へ降りていき、なにやら報告しているようでした。玄関で挨拶をしている時、お父さんから「照れてたわりに、ずいぶん気持ち良さそうに話してたじゃん」と声をかけられ、恥ずかしそうにお母さんのお尻に顔を隠したさいくんでした。

つづく

「しまおまほの教えてコドモNOW!」連載一覧はこちら

文・絵:しまおまほ 編集:小川知子  デザイン:根本真路

エッセイスト、イラストレーター

しまおまほ

1978 年生まれ。主な著書に『ガールフレンド』『マイ・リトル・世田谷』(共にスペースシャワーブックス)などがある。

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