声が大きい
たとえば、骨格のしっかりしている人や体格が大きい人など、ルックスで迫力を感じるのと同様に、声が大きいことで聞いた人に威圧感を与えることがあります。これまでに述べたような、断定的な話し方や荒い言葉遣いではなくても、大きい声で話せば威圧感を与えてしまうことも。大きな声は相手を黙らせ、自分が主導権を握れるという心理が働いている場合があり、「声を大にして言う」という表現があるように、強い気持ちを表すという意味合いも含んでいます。
コミュニケーション能力の低さから、自然と声が大きくなるという考え方もあります。適切な人間関係に声の大小は左右されませんが、自分の言い分をとにかく主張したい場合、声を大きくすることで押し通そうという心理が働いているのかもしれません。
威圧感を与える人の心理とは
これまで解説してきたような態度や話し方は、そのほとんどが共通の心理に基づいて外に表れたものと考えられます。威圧感を与える人の心理を理解しましょう。
人の上に立ちたい
威圧感を与える人は、何においても自分が一番でありたいと思っている可能性が。人から見下されることを極端に嫌い、自分の立場や主張を常に上位に置きたがります。相手より自分を優位な立場にするためには、相手に物を言わせず萎縮させることが、何よりも手っ取り早い方法です。そのための手段として、威圧的な態度をとっているとも考えられます。
人の上に立ちたいと思う理由は、生まれつきの性格である場合と、過去のトラウマやコンプレックスなどの場合が挙げられるでしょう。しかし、威圧感だけで作り上げた立場は、本質的な上下関係に基づいたものとは言えません。そのため、周りからの賞賛や尊敬が集まりにくくなることもありえます。
思い通りにしたい
威圧感を与える人は、常に自分の意見を通そうとするために、威圧的な態度をとる場合もあります。決して自分の主張に自信があるわけではなく、反論を封じ込めるか恐れているケースがほとんどです。周囲が自分勝手な意見だと思っていたとしても反論を許さないため、必然的にその人の意見が統一見解として落ち着いてしまうなんてことも。
間違いを認めたがらないことも、高圧的な人の特徴です。立場が失われることを恐れて、自分のミスを人に押し付けようとすることもありえます。組織において威圧感を与える人がトップに立っている場合は、組織が目指すべき方向とは違う道を進んでいく危険性を多分にはらんでいると言えます。
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上手に付き合っていくために
威圧感を与える人が身近に存在する場合は、付き合い方に気を付ける必要があります。上手に付き合っていくためのヒントを紹介します。
距離間を考える
威圧感を与える人の近くにいるだけで、ストレスを感じることがあります。そういった場合は、可能な限り物理的に距離を置くことが、自分の身を守る第一歩です。接する必要がある場合でも、まずは相手の様子をうかがいましょう。何かに怒っているような状態であれば、近くにいるだけで火の粉が飛んでくる恐れがあります。怒りが収まるのを待ち、落ち着いた状態になってから接するようにしてみてください。
相手が怒っている最中に、なだめようとしたり話を聞こうとしたりするのはあまりおすすめしません。高圧的な人は、上から目線でなだめられることを何よりも嫌うことがあるからです。
本心を考える
前述のとおり、威圧感を与える人は、自分のコンプレックスを隠すために高圧的な態度をとっている可能性があります。芯から怖い人であるとは限りません。中には、自分の威圧感を自覚しており、周囲が距離を置いていることに複雑な思いを抱いている人も。
相手の話をよく聞き、相手の本心を理解できれば、良好な関係を築ける可能性もあります。相手が無自覚な威圧感を持っているなら、高圧的な態度を緩和できるような助言をするのも手かもしれません。威圧感があるだけで怖い人だと決め付けず、ほかの人と同様に接してみるのも一つの方法です。
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冷静に対応する
威圧感を与える人は、声が大きいことや主張が自分勝手なことなどにより、場の雰囲気を乱しがちです。しかし、反論を述べるなどして対抗するのはあまりいい方法とは言えません。高圧的な相手に意見をすれば、さらにその上からねじ伏せようとしてくるため、状況は混乱する一方…なんてことも。
威圧感を与える人に対しては、常に冷静な対応を意識してみてください。イエスマンになる必要はありませんが、状況によっては静かに身を引くことが正解となるケースもあります。また、こちらが冷静に振る舞い続けることで、相手の高圧的な態度が軟化する可能性もあります。心を乱したり萎縮したりせず、あくまでも冷静に対応することがポイントです。
適度な距離を保って冷静な対応を心がけて
威圧感を与える人の特徴や心理、うまく付き合うための方法をご紹介しました。職場など身近に威圧感を与える人がいるとストレスを感じることもありますが、適度に距離を置いたり、冷静に対応することが自分の身を守るための近道。特徴や心理を理解して、上手に対処していきましょう。
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