スランプとは?
最近何をやってもうまくいかないと感じている人は、いつの間にかスランプに陥ってしまっているのかも。「スランプ」とは具体的にどんな状況を指すのでしょうか?
一時的に心身の状態が不調になること
スランプとは、自分のコンディションが悪くなっている状態のこと。語源は英単語の「slump」であり、「はまり込む」「落ちる」というニュアンスを持っています。今までできていたことが突如として全くできなくなった、という意味合いで使われることも多いですが、正確には質の低下や成長の停滞など、パフォーマンスのレベルが下がったときに使用します。
仕事でスランプに陥るのはなぜ?
仕事でスランプに陥ってしまった経験はありませんか?仕事においてスランプになる場合、どんな原因が考えられるのでしょうか。心理カウンセラーの吉野麻衣子さんに聞きました。
計画的に進み過ぎている
「スランプ」というと、物事がうまくいかなくなってしまったときに使う言葉。しかし、むしろうまくいきすぎているがゆえに、スランプ状態になってしまうこともあるのだとか。
「人はうまくいっていると、変化を避けてそこに留まりたくなるものです。ですが、そのせいで現状維持しようとして向上や努力することから逃げてしまうと、ちょっとした変化にも心で蓋をしてしまい、歯車が合わなくなって物事がうまくいかなくなります」(吉野さん)
今現在順調だと、その状況に満足して新しい挑戦や環境の変化を避けてしまうことってありますよね。その現状維持がうまくいかず、結果的にスランプに陥ってしまうことがあるようです。
状況に慣れすぎてマンネリ化している
今の状況に慣れきっていて、マンネリを感じてしまうことはありませんか?吉野さんによると、新しいものや変化に触れることがないために、スランプに陥ってしまうこともあるそう。
「カエルを入れた鍋を加熱していくと、熱くなっていることに気づかず茹であがるという話があります。人も同じで、今の状況に慣れてしまうと状況が変わってしまっても気づかず、感覚が鈍くなったり視野が狭くなってうまくいかなくなります」(吉野さん)
結果に執着しすぎて、精神的に負荷がかかっている
大きなプレッシャーを感じて追い詰められてしまい、うまくいかなくなってしまった経験がある人は多いのでは?結果を求めるあまり精神的にゆとりが持てなくなることも、スランプの原因になり得るようです。
「精神的に強い負荷がかかると、自律神経や体の様々な部分に悪影響を及ぼして緊張状態が続き、思考にゆとりが持てず筋肉もこわばります。それによってリラックスした状態で取り組むことができなくなるため失敗してしまい、ますます負のスパイラルに陥ります」(吉野さん)
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どんな人がスランプになりやすい?
誰でもスランプになる可能性はありますが、とくににスランプに陥りやすい人にはどのような傾向があるのでしょうか?
完璧主義でストイックな人
吉野さんによると、自尊心が高く何事もストイックに完璧にこなそうとする人、それに加え傷つきやすい繊細な部分がある人はスランプに陥りやすいと言います。
「完璧を求めすぎる上に自尊心が高いことで、少しでも成果が出せないと一人で頭を悩ませ落ち込んでしまいます。さらに繊細でちょっとしたことでも傷ついてしまうと、それをはねのけるようにストイックにがむしゃらになり、悪循環を繰り返してしまうことに」(吉野さん)
何でもとことん完璧にやり遂げないと気が済まない人は、その分うまくいかなかったときに悩んでしまうことも多く、スランプになりやすい傾向があるようです。