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2020.04.19

陽気なオランダ人「コロナで世界が変わった」【孤独のウイルス】との戦い方

 

強制的な制限はないものの、国民の自主的な「人と触れ合わない」政策でコロナ封じ込めに取り組んでいるオランダ。現地の様子と人々の変化を在蘭ジャーナリストの稲葉かおるさんに聞きました。

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「コロナウイルス? 大丈夫でしょ」

今年2月下旬のこと。「コロナ肺炎?どこの国で流行っているの?」 「中国?じゃ、オランダは関係ないでしょ」 など、呑気なことを言い、中国やアジア地域でのコロナウイルス感染報道をあくまでも〝対岸の火事〟と思っていたオランダ人たち。彼らはもともと陽気な国民性で、「最新医学の力をもってすればたとえ感染しても、どうにかなるさ!」と、かなり楽観的でした。 ところが国内にも感染者が出始め、その数が日々増えていく中、さすがに誰もがニュースにおびえるようになりました。

3月20日、オランダ国王・ウィレム・アレキサンダーがテレビに特別出演し、「この稀に見る非常事態を、一致団結して乗り越えましょう!」と訴えて以来、人びとのライフスタイルに変化が現れています。

ホームパーティもお預け

基本的には、とても陽気で社交的なオランダ人たちにとって、コロナウイルスはまさに大敵!感染予防のため、「人と人との間隔を1.5メートル以上あけること」「握手やハグのあいさつをしないこと」「むやみに訪問しないこと」などの「コロナ感染予防規則」が政府および厚生省から発布され、国民は自粛せざるを得なくなりました。

週末になると、ホームパーティを催し、気心の知れた友人を自宅に招いてワイワイ騒ぐのが大好きなオランダ人たちにとって、「人との接触」を禁じられるとは、まさに晴天の霹靂です。それだけではありません。年老いた家族など高齢者の訪問も徹底的に避けるよう強いられているため、まさにコロナは「人間を孤独にするウイルス」と人々は嘆いています。

特に、この孤独をひしひしと感じているのが高齢者たちです。感染すれば重症化するケースが多いため外出もままならず、家族とはビデオチャットのみ。このような孤独感を解決させるべく、老人ホームでは歌手やコメディアンなどを招待し、ホームの中庭などでミニ・コンサートや余興を催し、入居者から大好評を得ています。コンサートや喜劇を窓から眺めて楽しそうに笑うお年寄りたち。これならば、孤独感を紛らわせてくれるに違いありません。

▲老人ホームの中庭で音楽を演奏する女性たち。入居者は窓から鑑賞する。

在宅でのさまざまな楽しみ方

▲人通りもまばらな首都アムステルダムのショッピング街。

3月中旬から現在まで、完全なロックダウン(都市閉鎖)は行われていないオランダですが、学校は閉鎖され、レストランやカフェ、美容室、会場、映画館、スポーツジムなども閉店したままです。書店やアパレルも、店によっては開けているところもありますが営業時間は短縮されています。政府からのお達しである「用事以外の外出禁止」を守りながら、人びとは在宅ワークで仕事を頑張り、合間には家の中でできる事を楽しむ努力をしています。

▲1.5メートルの距離をあけ、レジに並ばせるためにテープが張ってあるスーパー内部。

楽しみ方もいろいろ。大手通信会社では3月中旬から無料で映画の放映を開始したので、家の中でシネマ感覚を楽しむ人たちも増えています。また、オンライン講座で新しい趣味を見つけたり、YouTubeを活用し、見よう見まねで家族のために散髪やネイルを施したり、老人ホームにいるおじいちゃんやおばあちゃんとオンラインで会話したりゲームで遊んだり、この期間でしかできないことを「災い転じて福となせ」の精神を以て、毎日頑張って過ごしています。

edit/保坂宏美

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ジャーナリスト・ライター

稲葉かおる

1996年よりアムステルダム在。オランダの地方紙の翻訳・編集者を経てフリーに。日本の各媒体に欧州事情を発信している。在外ジャーナリスト協会会員。

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