【目次】
・器用貧乏の意味とは?
・器用貧乏の特徴
・器用貧乏の長所
・器用貧乏の短所
・器用貧乏な自分を変えるには
器用貧乏の意味とは?
「器用貧乏」という言葉が使われることがあります。一見すると褒め言葉のようにも見えますが、実際はネガティブな意味で使われることがほとんどです。器用貧乏の意味や使われ方をチェックしておきましょう。
器用であるため中途半端
器用貧乏とは、器用にさまざまなことができる一方で、一つのことを集中して極められず、どれも中途半端になってしまうという意味の言葉です。どのような分野も平均的にこなせますが、突出した結果を残すことにはなかなかつながりません。一つのことに特化した職人気質の人と同じフィールドでは、強みを活かせず中途半端な結果に終わってしまうことが多いようです。
器用であるがゆえに、他人から都合よく使われてしまいがちです。結果として自分では何かを成し遂げることができなかったり、優れた成績を残せなかったりと損な役回りばかりになってしまうこともめずらしくありません。
ネガティブな意味で使われる
残念ながら器用貧乏は、ネガティブな意味で使われることが大半です。器用という言葉には「要領がいい」というポジティブな意味がありますが、貧乏には「収入が少ない」「生活が苦しい」などのネガティブな意味があります。
器用貧乏という言葉が当てはまる人は、器用であるがゆえに「何でも屋」を任されがちです。あっちこっちから頼みごとを引き受けて忙しいわりには、自分の結果や収入に繋がらないという残念な結果を招くことが多々あります。何かを任されるのは能力を認められている証拠ですが、何もかもを引き受けていると自分がやりたいことや夢から遠ざかってしまいます。
器用貧乏の特徴
器用貧乏な人は、どんなことでもそつなくこなせますが、際立って得意なものがありません。あなたの周りに器用貧乏が当てはまる人はいるでしょうか?もしかするとあなた自身が器用貧乏な人かもしれません。器用貧乏な人に共通する特徴をチェックしておきましょう。
何でもそつなくこなす
器用貧乏な人は、とても要領がよいため、何でもそつなくこなせます。幅広い分野の知識やスキルを持っており、どんなことでも平均点以上の結果を出すことが可能です。しかし、大きな弱点がないという長所は、反面大きな強みがないという短所があるとも言えます。
一芸に秀でた人は一つの分野で100点を出すことがありますが、器用貧乏な人は満点とはいかずとも複数の分野で70点以上の結果を出します。理解力の高さも十分で、自分がやるべきことを即座に理解し、スムーズに作業に取り掛かれます。ただし、最低限の結果さえ出せればよいと考えているところがあり、必要以上の努力をしない傾向が強いようです。
柔軟性がある
器用貧乏な人は、他人や物事に対して好き嫌いが少なく、どんなことでも柔軟に対応できる世渡り上手です。子どもを介した人付き合いやビジネスシーンでは、人によっては面倒だと感じる作業・仕事なども存在します。しかし、器用貧乏な人は、持ち前の要領のよさと器用さで嫌がらずに対応可能です。
想定外の事態が起きたときは、いつもとは違ったやり方で対応しなければならないこともあります。器用貧乏な人は、柔軟性を活かしてトラブルを臨機応変に切り抜ける力も持ち合わせています。さらに、人の好き嫌いが少ないことから、敵を作りにくいというメリットもあります。どんな人ともそれなりに打ち解けられるため、人間関係のトラブルに巻き込まれることが少ない傾向にあるからです。
周りに頼られる
器用貧乏な人は、特別に何かを嫌がったり断ったりすることもないため、周囲から頼みごとをされがちです。他人から重宝されやすい存在ですが、結果として「あの人は何でもやってくれるから」といいように使われてしまうことも少なくありません。
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お人好しなところがあり、たとえ自分が損をしたとしても「頼られているから」「必要なことだから」と頑張りすぎてしまうところがあります。他人の頼みごとを引き受ける一方で、自分は頼みごとをすることが苦手です。自分でどんなことでもできてしまうために、他人に任せる手間や気苦労を考えると、1人で抱え込んでしまう傾向があります。
器用貧乏の長所
器用貧乏な性格に悩んでいる人もいるかもしれません。しかし、器用貧乏な人は基本的には高いスキルを持ち合わせており、オールラウンドに活躍できるという長所があります。器用貧乏な人ならではの長所を活かして、自己PRしてみましょう。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーションは、相手が伝えたいことを理解する能力が大切です。器用貧乏な人は、対人関係にも器用なところがあり、相手が考えていることや伝えたいことを即座に理解して円滑なコミュニケーションを取れます。
想定外の会話の流れになったり、相手と意見が食い違ったりしても、柔軟性を活かして対応することが可能です。広く浅く知識を持ち合わせているため、どんな場面での会話にも対応できる器用さもあります。仕事をそつなくこなし、他人や物事に対しての好き嫌いも少ないため、良好な人間関係を築きやすい傾向です。
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視野が広く気配り上手
他人が気付かないことに誰よりも早く気付けることも器用貧乏な人の長所の一つです。気付いたことは人知れずフォローし、自分の判断だけで失敗しそうなことはしないため、勝手に行動して周りに迷惑をかけるようなこともほとんどありません。
縁の下の力持ちとして、誰にも気付かれないところで周囲のメリットになる行動を取れることは、器用貧乏な人の美点といえます。結果として他人のフォロー役ばかりを担当していたり、自分の負担ばかりが増えてしまったりと損な役回りを担当することも少なくありません。自分が頑張っていることをアピールすることはありませんが、気付いてくれる人は器用貧乏な人の頑張りを認め、評価しています。
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器用貧乏の短所
器用貧乏な人は、広く浅い知識やスキルを持つ存在です。しかし、一つのことに専念することが苦手で、中途半端な結果に終わってしまうことも多々あります。どのような性格にも長所と短所はつきものです。器用貧乏ならではの短所をチェックして、改善方法を考えてみましょう。
飽きっぽい
器用貧乏な人は、努力しなくても基本的なことはすぐに習得できてしまいます。そのため、できるようになるまで頑張ったり、上達できるまで努力したりする必要がありません。
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物事への執着心が薄いため、できるようになったことはすぐに飽きてしまう傾向があります。次から次へと興味の対象が移動してしまい、継続して取り組むことが苦手です。同じことの繰り返しや一度習得したことに対して、モチベーションを保てない人が多いのです。でも一つのことを極めるのは苦手ですが、新しいことに臆せずチャレンジしていきます。たくさんのことを経験できるという意味では長所にもなり得ます。
強みがない
器用貧乏な人は、どんなことでも平均以上にできますが、いざ得意なものを問われると悩んでしまいがちです。ある程度できるようになると急に冷めてしまい、取り組むのをやめてしまうところがあります。結果としてどれも中途半端になってしまい、本気で取り組んでいる人の一歩後ろを行くことになってしまうのです。
改善するには、自分ができることのなかで特に伸ばしたいものを見つけましょう。基本的にスキルが高いため、継続してやり込めばさらに伸びる可能性が高いはずです。現状に満足せずにワンランク上を目指す向上心を持つことで、器用貧乏から脱却する道が開けます。
努力をしない
どんなことでも一定のライン以上にできるため「これでいいか」と妥協してしまうところがあります。現状の自分や他人を超えたいと思う向上心や、スキルアップのために努力しようという姿勢があまり見られない傾向にあります。
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社会のなかで成功を収めるためには、ときには周囲のライバルを蹴落とす必要もあります。しかし、器用貧乏な人は、競争心が薄めのため、出世や昇進の話から遠ざかりがちです。結果としてスキルの高さを持ち合わせているにも関わらず、周囲の人から「何でも屋扱い」されてしまうなんてことも。「誰でもできる」ことではなく「自分にしかできないこと」で頼られる人を目指しましょう。
器用貧乏な自分を変えるには
器用貧乏な人は、器用さゆえに損な役回りを担当することも少なくありません。器用貧乏な性格を変えるためには、どのようなことを意識するとよいのでしょうか?具体的な改善方法をご紹介します。
目標を決める
器用貧乏な人は、器用であるがゆえに物事を「こなしてしまう」傾向があります。しかし、なんとなく物事に取り組んでいるため、飽きがきたり、モチベーションが低下しやすいところがあります。モチベーションを高いまま維持するためには、目標を決めて取り組むことが大切です。どんなことでも器用にこなせるタイプのため、目標や目的が定まれば達成するためにひたむきに取り組むことができます。暇なときにできること。退屈な時間から得られるものとは?
ポイントは「少し難しい目標を設けること」です。難しすぎると断念してしまう恐れがあり、簡単すぎるとただこなすだけになってしまいます。少し難しい目標にすることで、他に意識を奪われることなく取り組めるはずです。
一つのことを継続する
何でもできる一方で、これといって得意な分野がないことが器用貧乏な人の悩みの一つです。器用貧乏な人は、基本的にはどんなことでもできる人です。自分ができることのなかから、得意なことや好きなことを一つ見つけて継続してみましょう。努力や挑戦をしていないだけで、実は改善や能力向上の余地があるかもしれません。
器用貧乏な人は、飽き性なところがあるため、いくつものことを平行して取り組んでしまうと、興味を失ってしまうことがあります。一つのことに絞った上で「ここまで目指す」という目標を決めるとよいかもしれません。
向いている仕事に就く
器用貧乏な人は、幅広い知識やスキルを活かせる仕事が向いています。反対に一つのことに特化した能力が求められる仕事では、本来の力を活かせないかもしれません。
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例えば、カウンセラーやコンサルティングの仕事は、器用貧乏な人が持つ柔軟性や幅広い知識を活かせます。また、営業職ならコミュニケーション能力の高さやスキルの高さを活かせるはずです。さまざまなことに対応する力が求められる事務職は、器用貧乏な人の持ち味を活かせる職業です。自分に向いている仕事に就くことで、今よりも活き活きとした生活が送れるかもしれません。
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