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スキンシップをとる心理とは?
「スキンシップをとる」といっても、誰とでもというわけではありませんよね。意識して触れる場合もあれば、無意識の間に触れていることもあります。これは、どのような心理の働きによって引き起こされる行動なのでしょうか? 人が、スキンシップをとるときの心理について考えてみましょう。
愛情表現をしたい
多くの人が「好きな人と手をつなぎたい」と思うことでしょう。また、抱きしめ合うことで、言葉以上に互いの愛情を強く感じることができます。このことからも、スキンシップは愛情表現において効果的な方法と言えるでしょう。
幸福感を得たい
嬉しい時、楽しい時には、一緒にいる人と自然にスキンシップをとります。気づくと“抱き合っていた”なんてことも。そのことで、親しい人や身近な人と喜びや嬉しさを、分かち合いたいという気分になるのでしょうね。喜びの気持ちを共有することで、幸福感を増幅させる効果もあるのかもしれません。
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安心感を得たい
危険なことや恐ろしい場面に遭遇すると、人は不安な気持ちになります。その不安感を和らげる行為として、身近な人とスキンシップをとったりしますよ。そのことで、人は安心感や安らぎ感を得ることができるのでしょうね。特に、幼少期においては親や保護者からのスキンシップは、精神的な安定にも役立つといわれています。
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癒されたい
身体的な接触は、ストレス反応を減少させる効果が期待できるとされています。具体的な例としては、仕事や家事などで疲れを感じてくると、「マッサージへ行こうかしら?」、「ヘッドスパでリラックスしたい」なんて思ったりしますよね。こうしたことからも、スキンシップには癒し効果があることを感じさせます。
結びつきを強めたい
人間関係に目を向けてみますと、親密度に応じて接する距離は縮まりスキンシップも多くなるようです。人は社会的な生き物であり、一人で生きることはできないものです。そのため、グループ内での結びつきや帰属意識を重視する傾向がありますね。スキンシップは、友情や家族間の絆を強化する効果があります。
夫婦間でスキンシップをとらなくなる原因
一口に人間関係といっても様々。なかでも夫婦は、特殊な人間関係と言ってよいでしょう。かつては、他人であった二人が共同生活をしはじめて、新たな家庭を築いていきます。そんな夫婦生活、家庭生活においてスキンシップは、二人の関係性を示すバロメーターにもなります。
年月の経過や生活環境によっても変化する、夫婦間のスキンシップについて考えてみましょう。
生活環境の変化が、夫婦間のスキンシップを遠ざける
出会いから恋愛関係を深め、やがて結婚して二人の共同生活が始まります。結婚から「新婚さん」と呼ばれる期間は、二人だけで過ごす時間も長く、スキンシップをとる頻度も多くなるでしょう。しかし、新婚期を過ぎると、徐々に生活のサイクルやスタイルにも変化が生じてきます。例えば、妊娠や出産、あるいは転職による職場環境の変化など。こうした生活の変化は、夫婦間のスキンシップへ微妙な影響を与えることになります。
特に出産は、夫婦中心から育児・子育て中心の生活へ変わらざるを得なくなり、自ずと夫婦間のスキンシップは減少するでしょう。しかし、そのことで夫婦関係が希薄になるわけではなく、新たな夫婦関係のステージが始まると考えるべきではないでしょうか?
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感情の変移がスキンシップに及ぼす影響
結婚によって、二人の生活は大きく変わります。別々に暮らしていた二人は、もっとも身近な共同生活者となります。そのことで、恋人同士のようなトキメキ感や胸の高鳴りは無くなり、スキンシップの頻度も減ってくるのかも…。「恋人の時と変わらない」とおっしゃる方にしても、スキンシップをとる意味合いは変化しているのではないでしょうか?
例えば、恋愛期間中のスキンシップは主に愛情表現の手段や方法であったものが、「安心感を得たい」とか「幸福の実感」へと変わっているのでは? 夫婦生活が長くなればなるほど二人の関係にも変化が生じ、それに伴い思いも変移してゆきスキンシップの頻度や形に影響を及ぼすと考えられます。
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スキンシップは、夫婦仲のバロメーター?
夫婦関係のスキンシップのとり方は様々。具体的な例をみると、二人で歩く際に手をつなぐカップルもいれば、手をつながないカップルもいます。このように個々の習慣からみても、スキンシップが夫婦仲の良し悪しを表すバロメーターとは言い切れないようです。でも、普段スキンシップを頻繁にとっている夫妻であれば、スキンシップは夫婦仲の良し悪しを示すバロメーターともいえます。
ところが、喧嘩をしたりパートナーに対して愛情が感じられなくなると事情は違ってきます。夫婦仲が険悪になれば、触れられることはもちろんのこと、会話をすることさえ嫌になるでしょう。
こうして考えてみると、単純にスキンシップを軸に夫婦仲の良し悪しを論じるのは無理があるようですね。その夫婦がどのようにスキンシップを価値づけ、関係性の中でどのような役割を果たしているかに依存します。夫婦仲を測るには、スキンシップの頻度や質だけでなく、コミュニケーションの質、お互いの満足度、共有される価値観など、複数の要素を考慮することが重要です。
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スキンシップをとることで得られる効果
対人関係において、相手の体に触れるスキンシップは、関係構築に好ましい効果が期待できるとされています。では、どのような効果が期待できるのか考えてみましょう。
関係を良好にする効果
スキンシップは、相手への愛情表現の有効な方法の一つです。スキンシップの頻度が多くなれば、互いの信頼関係や絆も深まることが大いに期待できます。ところが、仕事や子育て、家事に追われる毎日ですとパートナーや家族とのスキンシップやコミュニケーションが、ついつい疎かになりがち。そんな時こそ、小まめなスキンシップで愛情や信頼を伝えれば、相手を安心させられるのではないでしょうか。
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気持ちが安定する
好きだったり大切に思っていたりする相手と触れあっていると、自然に心が満たされます。イライラや落ち込みを感じていたとしても、相手のぬくもりがそれを和らげてくれるのです。特にハグは体の密着度が高く、相手の体温や鼓動をリアルに感じられます。「好きな人がそばにいてくれる」「一人ではない」と強く感じられるため、不安なときの効果は抜群です。
子どもにもよい影響がある?
「強く抱きしめられれば安心する」というのは、子どもも同じです。頻繁にハグしたり手をつないだりすることで、子どもは「ママがそばにいること」、「守られていること」を実感できます。親子の絆はさらに強まり、常にお互いに対する強い愛情を感じることができそうです。
家族の絆を深めるなら、パパとママも意識的にスキンシップをとりましょう。スキンシップが夫婦間の信頼を高め、円満な夫婦関係を保ってくれる鍵となります。「子どもの前で恥ずかしい」と感じるママもいるかもしれませんが、両親が仲良くしている姿は子どもにとってうれしいもの。きっと家庭内の雰囲気はさらによくなり、家族みんなが居心地よく過ごせるようになるのではないでしょうか?
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スキンシップを取るのが苦手な人も
私たち日本人が、スキンシップに苦手意識や抵抗感を持つのは、文化的背景や教育が大きく影響しているように思います。また、個人的な性格や価値観など、幾つかの要因が考えられます。主だった理由を挙げてみました。
文化的な理由
日本人の文化として、他者とある程度の距離を保とうとする傾向があります。公の場でも個人の空間を尊重し、身体的な接触はできるだけ避けることが礼儀とされることが多いです。そうした社会的な環境で生活していると、日常生活において他者とスキンシップとる習慣が身につくことはなく、苦手意識を持つようになると考えられます。
コミュニケーションのスタイル
日本人のコミュニケーションにおいて、非言語的(視線、間合い、表情の変化、沈黙など)な要素が、言葉以上に重要視される傾向があります。感情や気分を伝達手段として、派手な身振り手振り、スキンシップを用いる文化圏の人と比較すると、日本人はどうしても身体的接触が少なくなることが考えられます。
個人の性格や価値観
スキンシップに関する捉え方は、個人の性格や価値観にも大きく左右されるでしょう。内向的な性格の人やプライバシーを重視する人は、他人とのスキンシップも控えめな傾向になるのでは? また、潔癖症な人などは、他者とのスキンシップを不快と感じて、自然と距離を取るようにして場合もあるでしょう。
日本人が、スキンシップをとることへの苦手意識を持つ背景的な要素を考えてみました。当然のことながら、スキンシップに対して抱く感情や反応は個人の経験や文化的背景によって、かなり異なると思われます。
夫婦間のスキンシップの機会を増やすには
スキンシップが愛情表現の有効な方法でありことは理解していても、普段からスキンシップの習慣を持たない夫婦にとっては、難しさを感じるかもしれませんね。ここでは、パートナーとの自然でスムーズなスキンシップのとり方について考えてみましょう。