Contents
自分たちの夫婦関係を客観視して、「仮面夫婦かも…」と思っている人も少なからずいるようです。そもそも「仮面夫婦」とはどんな夫婦関係のことを指すのでしょうか? 本記事では、「仮面夫婦」の意味やアンケートを紹介します。
【目次】
仮面夫婦とはどんな状態?
「仮面夫婦」とは、「他人から見たら普通の夫婦」でも、実際には愛情や夫婦としてのつながりがなくなってしまった夫婦のこと。「仮面をかぶった…」という意味で芸能人のゴシップやウワサ話にはよく登場するけれど、実は一般の家庭でもあることのようです。その実態を調査しました。
【質問】自分たちは仮面夫婦だと思いますか?
ふだんは「関心がない」「会話が少ない」くらいに思っていても、改めて考えてみると、「もしかして、うちも仮面夫婦?」と思う人もいるようです。「はい」と答えた人が約2割という結果に。
・はい……20.2%
・いいえ…79.8%
※アンケートは30〜45歳の日本全国の既婚女性(働いている・子どもがいる親)を対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数110名。
以下では、「はい」と答えた2割の妻に聞いた、それぞれの夫婦実態に迫ります。
【体験談】仮面夫婦としてのエピソードを暴露…!
「一歩外に出れば、普通の夫婦」というのが仮面夫婦に多いパターン。そこには、少しずつ蓄積した妻から夫への不満が垣間見えます。それぞれの家庭に起きたエピソードを見てみましょう。
会話がないのは、家の中だけ!?
・家では最低限の話しかしませんが、夫は外ではそんな素振りを見せません(40代・東京都・子ども1人)
・家ではあまり会話しません。必要な事は、LINEのやりとりで十分(30代・福岡県・子ども3人)
・子どもを介してしか、会話しない(40代・奈良県・子ども2人)
・私から話しかけても、夫は「うん」しか言いません。もう慣れてしまいました(30代・宮城県・子ども1人)
家では話さないけれど、一歩外に出れば…
・家にいるときはほとんど会話もないし、同じ空間にいないけれど、実家に行けば普通に会話もする (40代・埼玉県・子ども2人)
・家の中ではお互いに嫌味みたいなことしか喋らないけれど、外ではまだ少しマシ(30代・愛知県・子ども1人)
・普段はそこまで会話はないが、友達などの前だと会話が増えます(30代・岡山県・子ども2人)
夫を好きじゃないみたい?
・シンプルに好きじゃない。かといって新婚のときは好きだったのかというと、それも自信がありません(40代・東京都・子ども1人)
・本当に一緒にいたいわけではない。 離婚条件を公正証書に記してあり不利だから離婚しない(30代・兵庫県・子ども2人)
・話が噛み合わない。あまり一緒にいたくない。ご飯を食べたらすぐスマホをしている(40代・香川県・子ども2人)
▼あわせて読みたい
子どもがいるから一緒にいるだけ
・子どもがいなかったら、すぐに離婚すると思います(30代・埼玉県・子ども4人)
・仲が悪くても子どもの前では、仲がいいふりをしているから(30代・山口県・子ども1人)
義務感で一緒にいるだけ…
・夫のことをまったく信用できず、義務感だけで一緒にいるから(40代・神奈川県・子ども2人)
単身赴任で離れてから
・単身赴任をしているため一緒に暮らしていないが、相手がどんな生活をしているのか知ろうとも思わない(40代・新潟県・子ども2人)
浮気の恨みが晴れない
・夫が過去に浮気した恨みがあるから(40代・岐阜県・子ども2人)
男女の関係ではもはやない…
・恋愛結婚でしたが、1年もしないうちに気持ちは冷めましたね。そして子どもができてからは、男女という感じではなく、かといって仲のいい男友達は別にいます。多かれ少なかれ、どこの家庭も仮面夫婦の要素はあるんじゃないでしょうか(40代・東京都・子ども1人)
仲が悪い
・仲が良くないし、すぐ喧嘩します(30代・東京都・子ども1人)
夫婦の実例をよくよく見ると、お見合い婚や授かり婚で入籍したものの「愛情がついてこなかった」という人と、「徐々に冷めてきた」という人がいる模様。それでも、仮面夫婦になった「きっかけ」はなんだったのでしょうか。また、解決策はあるのか探ってみましょう。
【体験談】仮面夫婦となってしまったきっかけ・心当たりは?
冷めるきっかけで多かったのは「子ども」の存在。妊娠・出産によって、あるいは育児の過程や子どもの成長にともなって、どんな気持ちの変化が起こっているのでしょう?
子どもが生まれてから
・子どもが産まれてから、ケンカが増えた(40代・奈良県・子ども2人)
・子育てで、ゆっくり話す機会が減った(30代・岡山県・子ども2人)
・子どもができても夫がなにも変わらないことから、喧嘩が増えました(30代・愛知県・子ども1人)
生活のすれ違い
・お互い働いていて、時間のすれ違いから(40代・埼玉県・子ども2人)
夫への不満
・何か大きな原因があったわけではなくても、小さな相手への不満が募って(30代・宮城県・子ども2人)
・私がして欲しいことを、夫がしてくれないから (30代・山口県・子ども1人)
家事育児に協力してくれない
・家事、育児の協力がまったくないから(30代・福岡県・子ども3人)
・夫が子育てに非協力的、当事者意識がありません (40代・京都府・子ども1人)
浮気
・夫が勤務先でダブル不倫をしていことが発覚してから (40代・兵庫県・子ども2人)
・夫が私の妊娠中に出会い系サイトに登録していたのを発見したから(40代・東京都・子ども1人)
▼あわせて読みたい
教育方針
・子どもの教育方針が完全に分かれてから。教育費を出す夫には口も出さないが、話すこともない(40代・東京都・子ども1人)
▼あわせて読みたい
子供が成長して
・子どもが大きくなってからは、夫婦で話し合うことも必要なく、そのまま… (40代・高知県・子ども2人)
価値観の違い
・人が大事にしているものを大事にできない人だったから(40代・東京都・子ども1人)
性格の違い
・性格が正反対で喧嘩が少しずつ多くなっていって(30代・埼玉県・子ども4人)
▼あわせて読みたい
金銭問題
・夫の貯金の使い込み、借金が発覚(40代・神奈川県・子ども2人)
▼あわせて読みたい
夫の仕事
・夫の仕事がまったく続かず愛想が尽きた(30代・東京都・子ども1人)
敷地内別居
・敷地内別居により、気持ちも離れたから(30代・静岡県・子ども1人)
コミュニケーションの不満
・私が話しかけても、全く聞く耳をもたず頷きもしない(30代・福岡県・子ども2人)
▼あわせて読みたい
仮面夫婦からの離婚は成立する?
仮面夫婦であっても、そして不便さはあっても、「そういうもの」と思って生活している夫婦が大多数。それがもし、離婚に発展するとしたら…。
「多くの人が理由にあげている『好きじゃない』『関心がない』というだけでは、離婚理由になりません」とアドバイスするのは、夫婦問題を多く扱う弁護士・鮫島 唯さん。
「離婚を求める側が、婚姻関係が破綻しており、修復の可能性がないことを証明しなければなりませんが、特に夫がそれを認めない場合などは、仮面夫婦であることを証明するのは困難です。まずは別居をして、別居期間を積み重ねることで婚姻関係が客観的に破綻していることを主張するのが有効でしょう」(弁護士・鮫島 唯さん)。
仮面夫婦でも離婚しないメリットとは
仮面夫婦だとしても、離婚しないメリットとはどのような点があるのでしょうか。
離婚トラブルが避けられる
実際に離婚するとなると、子供の親権や養育費、財産分与などを両者で話し合って決める必要が出てきます。もし、相手が「養育費を払わない!」などと言った場合、離婚調停や離婚訴訟などの裁判になる可能性も。たとえ、夫婦仲は冷め切っていたとしても、婚姻関係であることは維持することで、これらのトラブルを回避することができるでしょう。
世間体を維持できる
離婚することが珍しくなくなった現代においても、「世間体が気になるから離婚できない」というケースは多いもの。離婚したことで同僚や友人から「どうして離婚したの?」などと詮索されたり、両親から反対されることもあるでしょう。離婚という選択肢を選ばないことで、これらの煩わしさを感じなくて済みますね。
経済的な負担が少なくて済む
もし、専業主婦やパートで働いている人の場合、離婚したことで、自分の生活費や子供の養育費などを自分で払わなければならなくなります。離婚せず、夫に生活費などを稼いでもらうことで、経済的な負担が少なくなるでしょう。
仮面夫婦が離婚しない場合のデメリットとは
パートナーと離婚をせず、結婚生活を続けていく上でのデメリットはどんなことがあるのでしょうか?
楽しい時間が過ごせない
もし、夫婦仲が良ければ、休日に一緒に出かけたり、結婚記念日には食事に行ったりするなど、充実した時間が過ごせます。しかし、お互いの愛情が冷め切ってしまっている場合、このような時間を過ごす機会が少なくなってしまうでしょう。「離婚して新しいパートナーと恋愛をして」ということもないので、どこか寂しいと感じることもあるかもしれませんね。また、常に葛藤を抱えることになるので、心に負担がかかり慢性的なストレスを感じるようになります。
仲の良い夫婦を演じることが負担
仮面夫婦とは、表では夫婦のふりをしているという意味があります。実家の両親の家に行った時には、両親に不仲がバレないように装ったり、友人家族と一緒に出かける際には、仲の良いふりをしなければなりません。心の中では「もうこんな人と別れたい」と思っているのに、本音を隠して人と付き合わなければならないことがストレスになることもあるでしょう。
子供が気づくことも
子供を傷つけたくないから離婚をしないという人も多いもの。2人でいる時は何も話さないけれど、子供がいる時はお互い喋るようにしているという夫婦もいるのではないでしょうか。しかし、子供は意外と両親の些細な仕草や態度から違和感を感じ取りやすいもの。
自分のせいで2人の仲が悪くなったのでは? と心配したり、2人の仲を取り持ったりと気を遣うこともあります。健全な人間関係のお手本がそばにないということにもつながります。何が本当の意味で子供のためになるのか、考えたいですね。
仮面夫婦が辛くなったときの解決方法
生活していると、気持ちが冷めてしまった相手と一緒にいるのが、しんどいと感じることもあるもの。そんな時の対処法を見ていきましょう。とはいえ、まずは「自分が相手とどのような関係を望んでいるのか」を自覚することも大切。修復したいのか、整理をつけたいのか。望みによっては行動も選択も変わってきます。
信頼できる人に相談する
両親や友人、職場の同僚など、全ての人に対して仮面夫婦を演じることは時に辛いものです。仮面夫婦であることは打ち明けにくいものですが、この人になら信用できるという人に話してみることで気が軽くなるでしょう。第三者の意見を聞いて、考え方が変わるかもしれませんし、具体的な対処法も見えてくるかもしれません。
相談機関を利用してみる
周囲に安心して話せる人がいない、という場合には、カウンセラーなどの相談機関を利用してみることも一案です。専門家は、多くの事例を持っています。関係性に煮詰まってしまったときには、専門家のアドバイスを聞くことで、自分たちの夫婦仲を客観視できるようになったり、解決策が出てくる可能性もあるでしょう。
夫婦間でのルールを作ってみる
普段コミュニケーションを取らないことで、相手が家事を手伝ってくれなくなったなどの不満が出てくることも。「料理は私、掃除は夫がやる」「子供の参観などには夫婦揃って参加する」などの具体的な役割行動や、「おはよう・いってらっしゃい・おかえり・おやすみなさいの挨拶は、必ず交わす」など、お互いにルールを作っておくと生活しやすくなるかもしれません。
最後に
家を一歩出れば夫婦の会話が戻ったり、子どもの前では仲の良さそうな雰囲気を装ったり…。もしかしたら、多くの家庭で起こっていることなのかもしれません。「仮面夫婦である」と答えた2割以外の人でも、思い当たる方もいたのではないでしょうか? 夫婦関係でお悩みの方は、解決法を一つの参考にされてみてくださいね。
TOP画像/(c) Adobe Stock
【監修】キャリアコーチ・菊池啓子
▼あわせて読みたい