そもそも猫の日とは
日本には「猫の日」があるのをご存知ですか?制定された時期や由来、猫の日に開催されるイベントなどをご紹介します。
日本は猫の日を2月22日に制定
日本では、1987年に「一般社団法人ペットフード協会」が2月22日を「猫の日」と制定しました。ペットフード協会は日本でペットフードを販売する94社(2024年1月現在)で構成される組織で、同年には「犬の日」も11月1日に制定しています。
猫の日が2月22日に制定されたのは、数字の2と猫の鳴き声の「ニャー」をかけているから。1年の中で「ニャー」が3つ並ぶ日と覚えておくと、忘れにくいはずです。
日本では猫の鳴き声が「ニャー」や「ニャン」と発音されますが、外国では異なります。たとえばイギリス英語なら猫の鳴き声は「meow」と表記され、発音も「ミャウ」が近いのです。日本の猫の日は、日本独特の文化によるものといえます。
他にもある猫に関する記念日
日本では、猫の日以外にも猫に関連する記念日が設けられています。猫好きなら知っておきたいイベントをご紹介します。
招き猫の日
「招き猫の日」は、95年に招き猫愛好家組織「日本招猫倶楽部」が「招き猫に感謝する日」として制定した記念日です。毎年9月29日を「9(来る)」「29(福)」の語呂合わせで、招き猫の日としています。
招き猫は手の上げ方や色で意味が異なり、右手は「お金」左手は「人」を招くとされるのが特徴です。その他、金色の招き猫は「出世運」や「金運」を司るとされ、黒は「魔除け」、ピンクは「恋愛運」、緑は「家内安全」など、それぞれに意味があるとされています。
9月29日には、自分が気に入った招き猫を家に迎えてみてはいかがでしょうか。
りんご猫の日
「りんご猫の日」は、日本で保護猫カフェを運営する「ネコリパブリック」が制定した記念日で、12月12日を「世界りんご猫デー」としています。
「りんご猫」は、猫エイズキャリアの猫たちのことを指します。人間のエイズ支援の象徴ともなっている「レッドリボン」の色や、猫の丸くてかわいらしい姿から命名された造語で、病気へのマイナスイメージを払拭する言葉です。
記念日である12月12日頃には、猫エイズに対する偏見をなくし、りんご猫たちの居場所を作るための活動が行われています。
海外の猫の日もチェック
猫の日は日本だけのものではありません。海外でもさまざまな形の「猫の日」が制定されています。
国際的に知られる「世界猫の日」を始め、ヨーロッパの猫の日や「黒猫の日」についてもご紹介します。
世界猫の日は8月8日
世界にはさまざまな「猫の日」がありますが、2002年に国際動物福祉基金(IFAW)が制定した8月8日が有名です。「世界猫の日」または、「国際猫の日(International Cat Day)」とも呼ばれます。8月8日が選ばれた理由は述べられていませんが、8月にはイギリスで「ナショナル・キャット・アワード」などのイベントも開催されています。
日本では2月22日が主流ですが、8月には国際的なイベントに注目してみたり、身近にいる猫に感謝する1日として過ごしてみてはいかがでしょうか。
イタリアでは2月17日
ヨーロッパには、日本と同様に独自に制定された「猫の日」があります。特に、イタリアで広まった2月17日の「Festa del gatto」が有名です。「Festa del gatto」の日にちは、1990年に愛猫家のための雑誌である「Tuttogatto」の読者投票によって決められました。
同様にポーランドやトルコでも、2月17日を猫の日としています。
黒猫の日も存在する
世界には、「黒猫」に限定した猫の日もあります。アメリカでは8月17日が「黒猫感謝の日(Black Cat Appreciation Day)」です。黒猫感謝の日は、2011年にウェイン・H・モリスという男性が発起しています。黒猫を愛した家族の命日が、黒猫感謝の日の由来です。
イギリスでは、動物愛護団体の「Cat Protection」が2011年に「全国黒猫の日(National Black Cat Day)」を10月27日と制定しています。日本では黒猫は「魔除け」や「繁栄」をもたらすとされていますが、ヨーロッパ諸国では不吉なイメージもあり飼い主を見つけにくいという問題があるためです。
イタリアでも2007年から、動物愛護団体「AIDAA」などが11月17日を黒猫の日として啓発イベントを行っています。どの地域の黒猫の日も、迷信や誤解によって被害に遭いやすい黒猫を助けるために生まれたものです。
猫にまつわる世界の面白イベント
猫の日以外にも、世界では猫にまつわるイベントが開催されています。8月の世界猫の日に合わせて開催される「ナショナル・キャット・アワード」や「クチン・フェスティバル」などの概要を紹介します。また、ロシアでは世界でもレアな猫のサーカス団が見られます。
イギリスのナショナル・キャット・アワード
イギリスの「ナショナル・キャット・アワード」は、動物愛護団体「Cats Protection」が主催するイベントです。全国各地からエントリーが行われ、その年活躍した猫が選ばれます。
カテゴリは「Hero Cat(ヒーローのような猫)」「Most Caring Cat(思いやりのある猫)」「Furrever Friends(子どもと猫の絆)」「Outstanding Rescue Cat(レスキューキャット)」「Purina Better Together(飼い主と猫の触れ合い)」の5種類です。各エントリーの中から、最終的に総合優勝である「ナショナル・キャット・オブザイヤー」が決定されます。
マレーシアのクチン・フェスティバル
マレーシアのボルネオ島には、マレー語で「猫」の意味を持つ「クチン」と呼ばれる街があります。毎年8月には、さまざまな猫イベントが行われる「クチン・フェスティバル」が開催されることで有名です。
開催期間は年によって異なりますが、8月を中心に2~3週間程度開催されています。第1土曜日には、愛猫家たちが思い思いの猫コスチュームを披露しながら街を歩く「猫パレード」が楽しめます。イベントだけではなく、もともと猫の街として知られるクチンには「猫博物館」や「猫のオブジェ」などがあり、猫好きなら街を見て回るだけでも気分が盛り上がりそうです。
ロシアには猫のサーカス団がある
猫愛好家が多いといわれるロシアでは、モスクワに猫専門のサーカス団「ククラチョフ猫劇場」があります。ボリショイサーカスでも活躍した「ユーリー・ククラチョフ」が1990年に設立した劇場で、世界的にも有名です。
館内デザインにもこだわりがあり、オブジェや絵画など猫をあしらったアイテムがあふれています。サーカスではかわいい猫の芸や、猫とともに登場するサーカス団員たちとの共演が楽しめます。
写真/Shutterstock.com
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