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2021.02.08

『〝中学受験本〟を出すごとに仕事が広がり、人生の価値観の軸も変わりました』女・妻・母〜働く女性の心のドラマを追跡取材!〜【安浪京子さん・前編】

 

ワーキングマザーにとって、子育てしながら仕事をする日々は濃密な瞬間の連続。大きな変化が現れやすいライフステージでもあります。そこでWEB Domaniでは『Domani』本誌連載に登場した働く女性の追跡取材をお届けしています。今回は算数教育家であり、中学受験カウンセラーとしての定評をもつ、安浪京子さんのストーリーです。

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安浪さんが『Domani』に登場したのは今から4年前の2016年5月号。教育熱心な家庭に育ち、“自己表現の形”として、20代はお天気キャスターとプロ家庭教師を兼業。29歳で気象の専門家である夫と結婚し、34歳で男児を出産後にフリーランスの家庭教師業を再開。もっと子どもたちに寄り添いたいとカウンセリングや心理学を独学して36歳で会社を設立。最前線で受験算数を教える“プロ家庭教師集団”の代表に転身しました。

当時、本誌のインタビューで“受験算数に立ち向かう子どもたちとのガチンコ勝負の日々”を語ってくれた彼女の現在の様子を取材してみると、“今の時代の子育ての軸”について説く、その道のカリスマ力がパワーアップされていました。

Vol.7【母】安浪京子(やすなみ きょうこ)さん(44歳)
算数教育家、中学受験カウンセラー
(株)アートオブエデュケーション代表取締役、気象予報士

▲当時の誌面(Domani2016年5月号より)

●「人生や生活面における変化」ベスト3
1:出版本が増え、大きな仕事の依頼が増えた
2:PCから離れられないライフスタイルに
3:講演や登壇機会が増え、ワンピースの所有枚数も増加

●現在の仕事内容
書籍や連載の執筆、オンラインでの講演やセミナー、カウンセリング、中学受験生への指導、中高生へのキャリア講座など

●1日のスケジュールの変化
息子が保育園から小学校に上がり、朝の始動時間が早くなった

●今、自分で自分をほめたいこと、叱りたいこと
・ほめたいこと:激務にも関わらず身体をこわしていないこと
・叱りたいこと:不調がないのをいいことに、身体を酷使し過ぎていること

中学受験時の親子のメンタル指南本がヒット

4年前に出版した書籍のヒットで、プロ家庭教師としての仕事が大きく広がったとお聞きしました。

中学受験がテーマだったのですが、“子どものメンタルや親子関係”を重視しました。あの本によって中学受験の価値観を変えたという自負もできましたね。

たとえばそれまでの中学受験本には、最難関の学校に合格したキラキラの成功例しか紹介されていないことが多かったんです。でも現実にはそんなケースは1割にもみたなく、残り9割の子どもたちはみな苦しんでいるんですよ。受験生をもつ親御さん対象の相談会でも、3年間まじめに塾に通って夏期講習も受けたのに第一志望の学校に落ちている子もいるし、適当に力を抜きながらやっても受かる子もいる世界なんですと説いてきました。中途半端な取り組み方では、親子ともに傷つく結果に終わりかねませんから。

それだけに、勉強のやり方しか載っていない本ではサポート不足。模試の結果が返ってきたら、親は単に点数を見て叱るのではなく、結果をどのように分析してサポートしたらよいのかなどのテクニックを盛り込みました。また、保護者の方々の「うちの子が勉強しない」とか「勉強しても成績が上がらない」「親子ゲンカが絶えない」などの悩みにもお応えできるよう、子どものメンタルや親子関係についても書籍の中でお伝えしました。「うちだけじゃないんだと安心した」という声も多かったですね。ニーズがあったのか、おかげさまで著作が3冊から15冊に増えたり、教育関係の大規模な講演登壇依頼も増加しました。

ワークにかける比重が、ますます増えた感じでしょうか。

40代になった4年前からはもう、日々体力との勝負ですね(苦笑)。もともと家庭教師は夏と1月が忙しい季節変動な仕事です。それが年中多忙となり、連載や本の締め切りがあるときには「疲れたから1時間だけ仮眠」みたいなこともちょくちょくあったりしました。

夫の“幸せの価値観”に影響を受けた部分も…

私が忙しいぶん、長期プロジェクトの仕事が多い夫が、仕事を調整して息子のケアをサポートしてくれています。夫は気象関係の仕事に従事しているのですが、もともと子煩悩な人なんですよ。退勤後はその足で学童へお迎えに行き、帰宅したら料理をつくって食べさせ、お風呂に入れて歯を磨かせて、寝かしつけるまでしてくれる。私がやるのは洗濯とたまの料理。子育てを入れても、6:4で夫のほうがやや多いですね(笑)。

すれ違いにならないように、夫とは毎晩必ずおしゃべりをしています。教育の話から投資の話題まで、それこそ、その日あったことを全部聞いてもらって発散できているところがありますね。何か意見をくれるときも私を否定したりせず、的確なボールを投げてくれるカウンセラーみたいなところがあります。実はずっと2人目がほしくてけっこう頑張っていたんです。忙しい日々の中で治療を継続しても難しく、夫婦合意の上で40歳の誕生日を前に放念しました。

とはいえ“仕事を選んだ”わけではないんですよ。夫は“優先順位は家族がいちばん”という幸せの価値観がぶれない人。世間的な幸せの軸には全然反応しない人なんです。一方の私は、独身時代からずっと“仕事大好き”で走ってきました。そんな私が夫の隣りで一緒に時を過ごすうちに、価値観の軸が少しづつ影響されてきたようなのです。人はちゃんと生活ができること、毎日に幸せを感じられることがいちばん大切。少し肩の力が抜けました。


▲保護者に向けての相談会や講演会では、子どものメンタルについてもじっくり解説をするという安浪さん(写真は過去の講演会より)。2020年8月にオンラインサイト『中学受験カフェ』を開設。現在受験に関する相談会は、オンラインで展開中。https://juken-chugaku.com/

後編▶︎『40代のうちは今の気力と体力をキープして、仕事や人生の質を向上させたい』女・妻・母〜働く女性の心のドラマを追跡取材!〜【安浪京子さん・後編

本誌掲載:2016年Domani5月号「働くいい女の金曜16時」
撮影時スタッフ:撮影/真板由起(NOSTY) ヘア&メーク/岩澤衣里(プラスナイン) 構成/谷畑まゆみ

取材・文

谷畑まゆみ

フリーエディター・ライター・キャリアコンサルタント
働く女性のインタビュー企画がライフワーク。カウンセラーやキャリアコンサルタントのスキルを活かして、YeLLのクラウドサポーターとしても活動中。先日はDomaniオンラインサロンで「「女の時間割。」の取材デモンストレーション&コツをレクチャー」するコンテンツを展開。サロンメンバーがレポートした当日の様子は「Domaniオンラインサロン公式note」にて公開中。https://note.com/domanisalon/n/n4e3258ade37e

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